続々々・メガネのつぶやき

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22年シーズン ポジション別私的評価

 明日15日、FC東京は新体制発表会を行い、翌16日にトレーニング始動。いよいよ、22年シーズンが幕を開けます。今季は、カタールワールドカップを控えた超変則日程。開幕はこれまで1週早い程度ですが、閉幕は1月早い11月初旬。そこに、ルヴァンカップ天皇杯も組み込まれるなかなかの過密スケジュール。正式にミクシィが経営権を取得し、監督・コーチ陣も変わったことも重なり、なかなか賑やかなオフとなりました。

 まだ、数名の異動(レンタル移籍等)があるかと思いますが、選手の顔ぶれはほぼ確定。今日は、各ポジションの私的評価と期待をちらちら書いてみたいと思います。評価はS>A>B>Cの4段階とします。またポジションは、アルベル監督がどうマネジメントするか楽しみにしつつ、フォーメーションを4-2-3-1としたうえで、現時点での主観によりどこか1つに割り振っています。



GK 評価:A

陣容:1児玉 剛、13波多野 豪、24ヤクブ スウォヴィク、33林 彰洋

 

 阿部 伸行、野澤 大志ブランドンが岩手へそれぞれ完全、レンタルで移籍した一方、仙台からスウォヴィクの獲得に成功。林の回復具合は全く分かりませんが、いずれにせよ既存戦力の3人に大きな刺激を与える移籍だと思います。

 昨季のパフォーマンスを評価するならば、シュートストップ能力だけで言えばランゲラック(名古屋)にも引けを取らず、J1での経験値も十分のスウォヴィクが正GKに一番近いでしょう。アルベル監督がGKに対して、特に攻撃面でどういうタスクを与えるかにもよりますが、児玉、波多野は相当強いアピールを見せないと…という印象です。



右SB 評価:B

陣容:28鈴木 準弥、37中村 帆高、39岡庭 愁人

 

 アッと驚く中村 拓海の流出。まあ、昨季のラスト3試合の使われ方を見て本人が意を決したのであれば何も言うまい、というところでしょうか。

 現状は、J1でフルシーズン戦った経験がない3人なので評価はBが精いっぱい。ただし、中村は昨季のラストで短い時間ながら怪我を負う前と遜色ないプレーを見せていましたし、鈴木も頑健さは十分。岡庭は、中村拓海の移籍でラージグループに入るチャンス拡大。よって、伸びしろを感じる評価B、とも言えるでしょうか。中村が、アルベル監督の下でポジショニングとショートパスを覚えたら…一気にハネるかもしれませんね。



左SB 評価:S

陣容:5長友 佑都、6小川 諒也、49バングーナガンデ 佳史扶

 

 小川が、越年とはなりましたが残留決定。長友はワールドカップイヤーでやる気マンマン(おそらくコンディショニングもOK)。バングーナガンデも怪我が順調に癒えれば、十分に先輩二人と勝負できるはず。全チームの顔ぶれなんぞ見ていませんが、J1でも屈指の陣容が揃ったと言えるのではないでしょうか。

 アルベル監督がポジショニング、ビルドアップを大事にすることは明白。となると、これまでのプレーで見れば長友はややマイナスな印象。また、小川、バングーナガンデの比較で言うと、自陣で巧みな小川、敵陣で巧みなバングーナガンデという個人的なイメージもあり。誰がまず、お眼鏡にかなうのか。興味が湧くところです。



CB 評価:A

陣容:3森重 真人、25蓮川 壮大、29岡崎 慎、30木本 恭生、50エンリケ トレヴィザン

 

 ウヴィニの動向が未定ですが、外国人選手枠を踏まえればおそらく移籍。また、オマリが契約満了、渡辺剛、山田が完全移籍、木村、大森がレンタル移籍。替わっての加入は、木本とトレヴィザン。人数は少数精鋭となりましたが、個の厚さは昨季以上と言えると思います。

 個人的には、待望のトレヴィザン獲得。ボールを保持し、ポジショニングを大事にする片野坂監督のもとで活躍。昨年書いた、今季への展望エントリにて、スウォヴィクとともにぜひ獲得してほしい選手として名前を挙げましたが、これはフロントにあっぱれの一本釣りでした。で、トレヴィザンは左利きなので、今年森重は右CB中心になるかと。

 木本はCB、CH兼用タイプ。後述しますが、正直CH陣の顔ぶれはやや不安が残るところで、しっかりボールを扱える木本は、森重・トレヴィザンに怪我や落ち度がなければ、CHとしての起用が増えるかもしれませんね。岡崎、蓮川は、それぞれ森重、トレヴィザンのバックアッパーからスタート。ただ、日程が立て込むであろうなか、ルヴァンカップ中心に起用されるチャンスは昨季以上なはず。ともに、まずはフィジカル・コンディションをしっかり整えるところからですが、バックアッパーに留まらない活躍を期待したいところです。岡崎は、アルベル監督好きなタイプだと思うけどなぁ。



CH 評価:C

陣容:7三田 啓貴、16青木 拓矢、18品田 愛斗、31安部 柊斗、43梶浦 勇輝、44松木 玖生

 

 昨季の「泣き所」は、今季も大きな変化なし。鈴木 喜丈の完全移籍は、個人的にはかなりショック。平川 怜が動向不明。よって、評価は辛口のCですが、逆に、おそらくCHが今季一番競争の激しいポジションになるのではないでしょうか。

 単に、ボール扱いだけで言えば(昨季もずっとそう思っていましたが)品田が一番巧み。また、三田も神戸時代に短い時間ではありましたが、ファン・マヌエル・リージョ監督の下でポジショナルプレーを経験済み。昨季セカンドキャストだったこの二人が、青木・安部に取って代わっても全く驚きませんし、冬の選手権で圧倒的な存在感を見せた松木がいきなり台頭しても、これまた驚きません。梶浦も、まずはプロで戦える身体作りからになりますが、視野が広く、ボールを託せるタイプ。今季、優勝争いするためにはCHがまさにチームのへそになれるかが勝負だと思っているので、個々がしっかりと成長を見せて欲しいと願うばかりです。



右SH 評価:B

陣容:9ディエゴ オリヴェイラ、14内田 宅哉、17紺野 和也

 

 昨季レンタル移籍だった宮崎 幾笑が岡山へ完全移籍となりましたが、SH陣も大きな変動なし。で、新潟の試合をほとんど見たことがないこともあって、アルベル監督になってどういうプレーをするのか現時点で一番イメージが湧いていないのが、SHです。

 例えば、ピッチの両端のスペースをSBに任せる、あるいはCHに出ていかせるなら、SHは「中に絞ってラストパス、シュートといったフィニッシュに直接絡ませる」ことになります。また、かつて流行った(今も流行っているかは不明)いわゆる「ピン止め」を用いるとして、その役割をSB、SHどちらに任せるのかも想像の域を出ず。いずれにせよディエゴはどちらの役割も、体躯の強さも活かして対応してくれると見ているので、昨季同様、右SHの一番手となるのではないでしょうか。

 内田は、SHでしょう。本気で1年間SBとして研鑽を積めばどうなるかは分かりませんが、コンディション十分な鈴木や中村を差し置いてまで…とはならないかと。紺野は、正直トップ下で勝負させてみても面白いと感じていますが、アルベル監督が紺野を見て本間 至恩をダブらせ、自身の要求するタスクをこなせると判断すれば、ディエゴをFW起用して紺野が右SH…なんてこともあるのかなと。中村と並んで、指導陣の大変革によって化ける可能性を秘めていると思います。



左SH 評価:A

陣容:15アダイウトン、23渡邊 凌磨、45安田 虎士朗

 

 そして、左SH。渡邊が昨季終盤で見せたパフォーマンスが色濃く残っていて、アダイウトンを正当な競争のうえ、上回ってくれまいか、と秘かに思っているところ。ただ、新潟でも分析を主としたテクニカルコーチを務めていた栗本 悠人氏をコーチ兼アナリストとして招聘したことも含め、現実的には相手の守備時フォーメーション、守り方などを分析したうえで、より味方に優しく、敵に厳しいと思う方をチョイスする併用方式になると思います。

 となると、今季アダイウトンに期待したいのは、外をそのまま縦に突破してのクロスを「見せる」こと。前を向かせたら強いし、カットインしながらのプレーに威力があるのはもう証明済み。ただ、昨季終盤はその一芸を上手く守られる場面も。ならば、一芸をより際立たせるための「おとり」を自ら仕掛けられれば…がその心。

 一方、渡邊への期待は「狭いエリアでどれだけボールを失わないか」。反転のうまさ、懐の深さは、昨季その片鱗を見せてくれましたが、今季はより正確なプレーでチームに貢献してほしいところです。安田は、日々精進から。



トップ下 評価:B

陣容:8髙萩 洋次郎、10東 慶悟、20レアンドロ

 

 仮に、レアンドロが噂のあった中国移籍となっていたら、4-2-3-1はセカンドチョイスになるかも?と思っていましたが、結果残留。となれば、素直にトップ下を置く形をファーストチョイスにすると思います。

 レアンドロは、依然モチベーションやメンタルの上下動の激しさがネックとなるでしょうけど、こと攻撃面を考えれば、大歓迎の残留。高萩も、その視野の広さやパスの技術をもってすれば、アルベル監督の期待するレベルに達することができるでしょう。東は、コンディション面が2019年レベルに戻ればSHの一員として考えたいところですが、そうはならないのでは…と思う自分が強いので、ならばトップ下かなと。髙萩がCH起用、という可能性もありますし。



FW 評価:B

陣容:11永井 謙佑、19山下 敬大

 

 どうやら、田川はポルトガルへ移籍濃厚。替わりに、久しく東京にはいなかったポストワークもできるタイプの山下を鳥栖から獲得しました。野澤はいきなりの武者修行。いいと思います。

 で、私は左SH同様、FWも相手を分析しての併用スタイルになると見ています。こちらは本当にわかりやすく、相手がコンパクトネスで最終ライン高めなら永井、ブロックディフェンスで最終ライン平均から低めなら山下(またはディエゴのFW起用)になるのかな?とも。

 永井は、正直肩の影響でもう緩やかに下降していくのか…と思って見ていた時期もありましたが、昨季終盤は復調の気配も感じさせました。アルベル監督がバルセロナに籍を置いていた時代に活躍したサミュエル・エトーばりの裏抜け&チェイシングを見せて欲しい!

山下は、適切な表現ではないかもしれませんが「ちょうどいい感じ」の選手。頑健さはありながら機動力がないわけでもなく、ポストワークもできるしエリア内でワンタッチ勝負できる。それでいて守備もサボらないし、年齢もいいところ。これは、良い補強だったと思います。




 というわけで、まさに今思うところを、思うままに書いてみました。全ポジショントータルで見れば、評価はB+。個の能力、層の厚さは、十分に上位をうかがえるところにあると思います。

 フロント、コーチ陣の顔ぶれを見ると、今まで本の中、あるいは画面の中の世界でしかなかったポジショナルプレー、ピリオダイゼーション、インディビジュアルタクティクス、こうした欧州先端の思考がチームに植え込まれる流れになるでしょう。私自身も、いろいろと勉強しながら見ていけたら。