続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

お別れの時

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 出ちゃいましたね。でも、マスコミに先走られながら正式発表がズレズレになってやきもきするよりは、はるかにこっちの方がスッキリする感じはあるので、これをしっかり受け止めて残りのリーグ戦2試合(小瀬にも行きます)を見ていきたいと思います。まあ、土肥も福西も残りの試合で出場機会があるかは微妙なんですけどね…。では個々につらつらと。
 ヒロミ。今季のヒロミは、ちょっと首を傾げたくなるような采配や迷いが散見され、2003年や2004年のような神懸かったヒロミとは別人のようで、厳しい批判に晒されることもありました。結果が求められる1年契約でこの成績であるならば、退任もやむなしだと思います。ただ、与えられた外国人選手が全く使えず*1、主力たりえる五輪組があっちゃこっちゃに引っ張られ*2、小さくない怪我人が続出した状況を鑑みれば、「良くやった」とは言えないまでも「しょうがないよね」と庇いたくなる気持ちにはさせられます。
 フロントは昨年ガーロを招聘し、「部活」と揶揄されるサッカーからのモデルチェンジをはかったものの、サッカーの内容も、ファンの心を掴む事も完全に失敗しました*3。慌てて倉又さんに橋渡しを頼み、なんとか終盤持ち直したものの、正直「これが東京のスタイルだ!」といえるものは完全に崩壊し、今季は文字通り「一からやり直しのシーズン」となるはず(そうするべき)だったと思います。そこにきて、1度は「あなたのサッカーとはやり方を変えるので」と告げて離婚したヒロミに、舌の根も乾かぬうちに再婚を依頼してきたフロントの無能さには呆れるばかりですし、ヒロミが引き受けたと聞いた時は「えっ?やるの?」と驚いたものです。よく言えば「原点回帰の再招聘」だったんでしょうが、人間は1年会ってないと大きく変わるもの。各選手のイメージも相当変わっていたでしょうし、新加入や思惑から外れた選手もいたでしょう。なのに、事はそう単純ではなかったにもかかわらず、「目標はトップ3」とかほざくフロントの期待にこたえるのは、相当難儀だったと思います。
 おそらくは、これでしばらく監督業から離れるでしょう。個人的には2010年W杯が終るまではないと思ってます。いや、逆にそれぐらい長い時間を得て、大好きな旅をしたり、スカパーでまた「ヒロミ節」を聞かせてくれたりしながら国内外問わずいろんなサッカーに触れたりして、そうした後にまたどこかで「監督・原博実」を見させていただきたいと思います。それが東京であっても無くても、ね。1年間、お疲れ様でした。


 土肥。2000年に東京に加入してからの6年間はまさに「不動の守護神」と呼ぶにふさわしい存在でした。確かに塩田が台頭してきて、それなりに任せられるGKになってきたことで、来年は今季以上に出番が減るでしょう。そして、代表クラスの実力とまだ34歳という年齢を考えれば、他チームで正GKとして欲しいチームはいくつかあるはず。そう考えれば、ベンチに置いておくことが土肥のためにはならないことは明白です。
 それでも、私はこの決断はまだ早いと言いたいです。塩田がここまで成長できたのは、上に土肥、下にユース年代代表の権田、廣永(来季加入内定)という「両挟み」のシチュエーションがあったからこそ。数々の経験を重ねてきた土肥から学ぶべきことはまだまだたくさんありますし、なんだかんだ言って塩田はまだ「フルシーズンスタメンでやりきる」経験がありません。そんな中で万が一、来シーズン塩田に不測の事態があった際、後ろに控えるのが権田、阿部、廣永という、潜在能力はあるものの、GKにとって一番大事な「経験」に欠けるメンバーだけというのは、やはり不安と言わざるを得ません。少なくともあと1シーズン残ってもらって、影から塩田らの成長を促してもらい、あわよくば自身も出番を得るような、そういう「キツイけれどものすごく大事な役割」に回ってもらうことをお願いできたらどれだけありがたいことか…もう、無いものねだりになってしまうのが、本当に辛いです。
 ただ上でも書いたとおり、土肥ほどの選手なら欲しがるチームはいくつもあるでしょう。土肥自身が年俸やJ1にこだわらなければ、その選択肢はさらに広がるはずです(地元=ロアッソ熊本に帰るとかね)。どこに移籍するかはもちろんまだ分かりませんが、これまでと変わらない活躍を期待したいです。そして(これは超願望ですが)ヒロミには大宮戦で土肥をスタメン起用してもらい、最後にもう一度だけ、DJスティーブンの「FC TOKYO STARTING LINE UP! In Goal Number1 YOUICHI DOI!」が味スタにこだまするシーンに立ち会いたいです。そしたら…泣いてしまうかもね。


 福西。わずか1シーズンのお付き合いだけとなってしまいました。マスコミでは「福西が移籍を希望した」となっていて、それが本当だとしたら、本当に申し訳ないし、もったいない。磐田で黄金時代を経験し、代表としても数々の大舞台を経験して来た福西にとっては、今の東京が自身の望む(求める)レベルに達していなかったと言うことなんでしょうかね…。そうであれば、残念としか言いようがありません。
 で、終ってみれば*4、「クリーンに頑張ることが美徳」みたいなところがある東京にあって、福西はかなり異質な存在でした。走らないし、動かないし、倒れ方上手すぎるし(苦笑)。でも、力の出しどころを本当に良く分かっていて、前線へ顔を出すタイミングとか、そこで見せる体躯の強さとかは、やはり日本最強レベルなんだなぁ、と頷けるものでした。その「異質さ」が、今の東京にとってはスパイスとして非常に効いていましたし、今野や池上みたいなタイプ(特に池上)にとっては、ものすごく学ぶべきところが多いプレイヤーだったと思っています。その経験をもう少し教授し、享受させる時間を作って欲しかったのが、正直なところでしょうか。
 たった1シーズンでしたが、敵としていやらしいまでに憎たらしかったあの福西が、自分の愛するチームのユニフォームに袖を通し、「俺たちの福西」として、相手にそのいやらしいまでに憎たらしいプレーを見せ続けてくれたことは、本当に貴重な経験だったなぁと。本当にありがとうございました。まあ、またそれを相手にしなければいけないと思うとゾッとするわけですがね(苦笑)
 追伸。一部マスコミでは「緑行きか!?」なんて声もありますが、どうかそれだけは勘弁してください(大苦笑)


 フロントについては…よくわかりません。一つだけ言うならば「いつまでも、あると思うな、信頼とファン」ってところでしょうか。

*1:フィットさせられなかったのは非があるとしても、来た早々からここが痛い、あそこが痛いってほざく選手を連れてこられてもねぇ…。

*2:これも早々に分かっていた事と言われればそれまでですが。

*3:とは言え、その試み・挑戦を否定することはしません。

*4:膝の怪我で今季絶望ということで、終わったものとして話をしています。