続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

勝手にJ2リーグアウォーズ

 今日は横浜アリーナで盛大にJリーグアウォーズが行われ、J1のベストヤングプレーヤー賞、優秀選手賞、ベストイレブン、最優秀選手賞が発表されました。が、東京ファンの私としては、同じことを、独断と偏見を持ってJ2でやってみたいなぁと思い立ちまして。さっそく、各賞の要件から。

ベストヤングプレーヤー賞
 1990年4月2日以降に出生し、2011Jリーグ J2リーグ戦出場数が17試合以上した選手3名


優秀選手賞
 2011Jリーグ J1リーグ戦17試合以上した選手の中で、私の印象に強く残った選手23名。1チームからは最多5名まで。


ベストイレブン
 「優秀選手賞」の中からさらに活躍が顕著だった選手11名(GKは1名、外国籍選手は3名以内。ただし、アジア枠として1名まで追加を認める)。1チームからは最多3名まで。


最優秀選手賞
 ベストイレブンの中から最も活躍が顕著だった選手

 人数の制限などは本家に色を付けていますが、まあその辺は大目に見てください。では、レッツゴー!


ベストヤングプレーヤー賞
齋藤学(愛媛) 36試合(3097分)出場 14得点
 横浜Fマリノスユースから09年にトップ昇格を果たすも、2年間でのリーグ戦出場はわずか16試合。今シーズンは出場機会を求めて愛媛にレンタル移籍をしましたが、それが正しかったことを、そしてJ1でも通用するポテンシャルの高さをプレーで示してくれました。ドリブルのスキルと冷静なシュートセレクション、その立ち居振る舞いからついた「愛媛のメッシ」という代名詞はすっかり定着し、愛媛サポーターからはホーム最終節に「マナブ 来年もこの街で一緒に戦おう」という熱いラブコールを受けるほど。久々に見ていて心底ワクワクする選手が出てきたなぁ、というのが正直な印象です。


田邉草民(FC東京) 31試合(2072分)出場 5得点 
 国学院久我山高校で高校選手権に出場し、3年次にはハットトリックを含む4得点を挙げてチームをベスト8に導き、優秀選手賞に選ばれた俊英も、プロ入り後は2年間でリーグ戦出場がわずか10試合。特に昨シーズンは出場ゼロという苦しい時間を過ごしました。しかし、今季はチームが苦しんだ序盤を経てパスサッカーに舵を切ったのと共にスタメンに起用され始め、終わってみれば主力級として1シーズン過ごすことに。まだまだ「天才」の良さと悪さがはっきりと同居し、大熊監督からは事あるごとに小言をいただいたようですが、それは期待の裏返し。J1でもその天賦の才が通用するのか、期待と不安を持って待ちたいところです。


宮吉拓実(京都) 27試合(2096分)出場 7得点
 ユースからの昇格組や大卒後すぐの選手が各々の持ち味を存分に発揮した「ヤングサンガ」の中でもひときわ存在感を放っていたのが宮吉だったかなと。きら星のごとくタレントが揃ういわゆる「プラチナ世代」の一人ですが、世間のトピックス的に宇佐美貴史宮市亮小野裕二柴崎岳らに遅れを取る格好とはなっていました。しかし、今季じっくりと彼のプレーを見るにつけ、彼らに引けを取るところはどこにもないし、むしろ4年目ながらユース組の後輩が複数名いて、「自分」以外のことも考えなければいけない経験がその表情、立ち居振る舞いに滲み出始めたなと。今シーズン終盤の勢いを考えれば、来年のJ2を牽引しても全くおかしくないのが京都。その中心が彼であることは、もはや疑いようがないかなと。



優秀選手賞
GK イ・ホスン(札幌) 36試合(3240分)出場 30失点(防御率0.83)
GK 塩田仁史(東京) 18試合(1620分)出場 8失点(防御率0.44)
GK 川北裕介(愛媛) 32試合(2880分)出場 43失点(防御率1.34)

 イ・ホスンは、シーズン前に正GKの座をつかんでいた高木の怪我を受け、ルーキーながら開幕戦に出場。その後も出番をつかみ続けるうちに威圧感と落ち着きを徐々に兼ね備えるグッドキーパーになってきた印象。最終節でそれを強く感じました。塩田は権田が怪我や代表で不在となる中、単なる代役以上の仕事をしてくれました。権田より防御率上ですからね。このレベルのGKを2人抱えていられる幸せをつくづく感じます。川北は序盤堅守で躍進した愛媛の象徴的存在。決して派手なプレーは見せないものの、33歳のベテランらしい勘所を押さえたポジショニングとセービングは見ていて安心感がありました。続いてはDF


DF 山下達也(札幌) 37試合(3330分)出場 0得点
DF 竹内彬(千葉) 36試合(3240分)出場 7試合
DF 森重真人(FC東京) 37試合(3330分)出場 6得点
DF 今野泰幸(FC東京) 33試合(2969分)出場 1得点
DF 西嶋弘之(徳島) 35試合(3150分)出場 4得点
DF 福井諒司(北九州) 33試合(2909分)出場 3得点
DF 木谷公亮鳥栖) 38試合(3240分)出場 3得点

 山下はC大阪から出場機会を求めて札幌へ移籍し、移籍1年目ながらDFリーダーにまで成長。バチンとぶつかれる強さは見ていて気持ちがいい。竹内はDF登録の選手としては今季最多の7得点。特にオーロイがいたころの「オーロイおとりのファー竹内」は脅威そのものでした。SBもできる器用さもいいですね。森重、今野については改めて東京ファンの私がここで何か言うこともないんですが、森重はいよいよ覚醒の時か?というほどのパフォーマンス。これがJ1でも出来たら、普通に代表でしょう。西嶋は徳永(1チームから5人縛りにしたために、なくなく選外…)と並んで今シーズンのJ2におけるベストSB。攻守両面で高いスキルを持ち、自陣でも敵陣でも存在感を出せる貴重な存在でした。福井はポゼッション主体へと切り替わった北九州において、そのフィード力と積極性で欠かせない戦力となりました。まだプロ2年目だって思わなかったなぁ。木谷は戸川(鳥取)と並んで、今季DFながらフルタイム出場。若い選手が揃う鳥栖にあって、磯崎、新居とともに経験でチームを引っ張る姿は見ていて清々しかったです。次はMF。


MF 河合竜二(札幌) 37試合(3326分)出場 1得点
MF 熊林親吾草津) 37試合(3090分)出場 4得点
MF 梶山陽平(FC東京) 34試合(3020分)出場 6得点
MF 羽生直剛(FC東京) 37試合(2761分)出場 5得点
MF 菊岡拓朗東京V) 35試合(2529分)出場 8得点
MF 柿谷曜一郎(徳島) 36試合(3133分)出場 6得点
MF 木村祐志(北九州) 38試合(3204分)出場 2得点
MF 早坂良太鳥栖) 37試合(3204分)出場 10得点

 河合は堅守札幌をシーズン当初はCBとして、中盤以降はボランチとして支え、見事にチームをJ1復帰に導きました。それほど攻撃参加が多かった印象はないんですが、あのミドルシュートはすごかったなぁ。熊林はエルゴラ計測のJ2アシスト王。今年30歳になりましたが90分走り回れる運動量と多彩なキックはますます磨きがかかっていると思えるほど。松下との「ガテン系」はもはやJ2名物と言えるほど(笑) 梶山はJ2では完全に無双でしたね。今季一度もMOTに選ばれてないとの噂ですが、みんな見る目が厳しいよね(苦笑) 羽生は「いなければ困る」選手としてとしての生き様に感動しまくりました。菊岡は水戸に加入して1年目から際立つプレーを見せていましたが、東京Vに移籍して2年目の今シーズンはさらに一皮むけた印象。プレイスキック、ミドルパスの精度はJ1まで含めても十指に入れるレベルで、J2最多得点東京Vを引っ張っていたプレーが記憶に残っています。柿谷は徳島が本気で、明確な目標としてJ1昇格を狙ったシーズンを過ごしたことで、責任感や説得力を醸し出せる選手に成長したなと。木村は完全移籍で川崎から北九州へとやってきましたが、移籍1年目から主将に選ばれ、プレーでも中盤で攻守両面において大黒柱として完全にフィットしました。桑原、森村、安田、そして木村の4人が揃った時の北九州のクオリティはJ2でも屈指でしたね。早坂は正直、今年に入るまで全く知りませんでした。なので、余計にインパクトがあるのかもしれませんが、「得点の取れるサイドアタッカー」として一気に覚醒した姿は強く脳裏に焼き付いています。最後はFW。


FW 内村圭宏(札幌) 27試合(1915分)出場 12得点
FW 深井正樹(千葉) 36試合(3217分)出場 14得点
FW 阿部拓馬東京V) 33試合(2539分)出場 16得点
FW 齋藤学(愛媛) 36試合(3097分)出場 14ゴール
FW 豊田陽平鳥栖) 38試合(2914分)出場 23得点

 ここはシンプルに得点ランク上位5人を選出。本当は池元(北九州)も入れたかったんですが、次点ということで。内村は序盤怪我で苦しみましたが、戦列に復帰してからのプレーぶりはまさにエース。昇格を決めた東京戦での2ゴールも、まさにストライカーでしたね。深井はとにかくファインゴールが多かった1年。尻すぼみだったチームにあって、最後までプロとしての矜持を示し続けた姿にも好感を持てます。阿部は2年目で大ブレイク。171cm、68kgと平均的なサイズながら、その当たりの強さやボディバランスは特筆すべきもの。来シーズンは得点王も狙えるかと。齋藤は上でも書いた通り。果たして、来シーズンはどこでプレーするのでしょうか?豊田はいよいよ覚醒。「自分が取れなければ勝てない」と言っていいほどその足にチームの命運が託されるスタイルを選んだ鳥栖でしたが、その立場が完全に豊田を目覚めさせましたね。J1でもその強さを見せられるか。さ、この中からベストイレブンを選びます。

ベストイレブン(4−2−3−1)
――――――豊田――――――
柿谷――――羽生――――早坂
――――梶山――河合――――
竹内――森重――木谷――西嶋
―――― イ・ホスン ――――

 森重、木谷でボールを大事にして、梶山、河合で前に運ぶ。羽生には動き回ってもらい、逆に豊田にはペナルティの幅から出ずにボールを受けてもらう。その豊田や羽生が受けている間にスッとSBには上がってきてもらい、柿谷、早坂にはなるべくインサイドカットを中心にプレーしてもらって中を分厚くする、という狙いでどうでしょうか。ラストは最優秀選手賞の発表です。(ドラムロール)ジャン!この選手です!
最優秀選手賞 豊田陽平鳥栖) 38試合(2914分)出場 23得点
 森重と最後まで悩みましたが、持ちうる戦力、置かれた状況などを客観的に勘案した結果、鳥栖に昇格をもたらした豊田が一番称えられてしかるべきかなと。また、森重はこのぐらいはやれるだろうという想定をちょっと超えたぐらいでしたが、豊田はここまでやるとは…という想定をはるかに超えた活躍ぶりでしたしね。


 以上、独断と偏見によるJ2リーグアウォーズをお届けしました。異論、反論は大いに受け付けますよ!