続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

2023年 J1第10、11、12節「どこにいった、一体感」

 厳しかった広島戦で勝ち点3をもぎ取り、迎えたゴールデンウイーク。連戦の中、どういう結末が待っていたのか。

 

 

 という前フリを書くのもしらじらしいくらい、厳しい現実が待っていました。そしてこの1週間、残念ながら試合内容のみならず、FC東京というクラブ全体から一体感が失われてしまったように感じています。

 

 チームを統率するアルベル監督は、結果的に--やはりとも言えるが--ボールを保持して相手を揺さぶりながら前進して・・・という考えを一歩も二歩も下げ、良く言えば「アグレッシブ」なスタンスを選択しました。

 日々の練習において、小平グランドにてアルベル監督が選手にどういう伝え方をしているかは分かりません。ただ、大なり小なり自我を持ったプロの選手たちを1つに束ねるために必要な指針を、わずか1年半の間で行ったり来たりさせすぎじゃない?と外野が騒いでしまう程度にしか示せてのだとすれば、やはり指導者としては実力不足と言わざるを得ないでしょう。人間としては、仲良くなれると思うんですけどねぇ。

 

 と、アルベル監督をあーだこーだ言ってますけど、試合をするのは選手。その選手たちからも、一体感は失われつつあると感じています。新潟戦はまだ、ホームゲームでアルベル監督のために!という統一されたモチベーションがあったおかげか、90分戦う姿勢を見せることができていました。

 しかし福岡戦では、福岡のやり方が分かっていながら、選手の中で「繋ぎたい人」と「縦に行きたい人」とのズレが散見されました。そして札幌戦では、攻撃面のみならず、頼みの綱とも言える(前線からの)守備も全く機能せず。おのずと選手間の距離は遠くなり、それぞれの要求も、その場しのぎの判断が多くて改善に繋がらず、11人が線で繋がる場面は数えるほどでした。

 そんな中でも札幌戦で自分のやれることはやって、チームをどうにかしようとしていたように見えたのがスウォヴィク、徳元、小泉、松木、仲川・・・ってのがまた、一方で頼もしさを、一方でやるせなさを募らせるところでもあります。

 

 そして、クラブ。親会社がMIXIに替わって2年目。いよいよ「ぼくが考えるFC東京」への移行を始めた感があります。

 私は、FC東京が「多摩地域を含めた東京の人」を大事にし続け、「青と赤」の俺たちの誇りであり続けてくれるなら、多少の様変わりはスンナリ受け入れようと考えています。けれど、この間限定公開された動画を見る限り、個人的には今の流れに100%同意することはできませんでした。

 スタジアムに足を運ぶ動機は人それぞれで、MIXIが親会社になってからのエンタメ感(選手紹介映像、スタジアムライティング、ファイヤーワークスなど)は、私もすげぇなぁと思っています。ただ、単発のお客様(それこそ、クラブが言うところのインバウンド的な方)に来てもらう方に注力することは、悔しいけれど今のFC東京には時期尚早だと思うんです。贅沢な言い方をすれば、FC東京ファンだけで常に3万人以上入れられるようになってから始めて、プラスアルファを求めた方が正しいのでは?とも。

 で、次もう一度スタジアムに足を運んでもらうために一番必要なのは、試合内容に魅力を感じることができたかどうか。もしMIXIが「繋いで崩してイヤッホー!」というサッカーこそが観客を呼べるのだと考えているなら、今のアルベル監督下のサッカーはもはや趣が異なるものだと捉えて、次なるアクションを起こす必要があるのでは?と思います。もしアルベルをまだ引っ張るのであれば、次の道筋を水面下で見据えつつ、アルベルを助けるためのアクションが必要になるでしょう。

 いずれにせよ、このまま「ピッチ外のことばかりに心とらわれて、肝心のピッチ内がしぼんでいく」様をクラブとして許容するような動きしかできないのであれば、偉そうですがじわじわとファンにそっぽ向かれますよ?いいんですか?とぼそぼそつぶやきたい気持ちではあります。

 

 とまあ、なんだかのっぴきならないなかで、金曜日には大々的なプロモーション入りまくりの川崎戦が訪れます。正直、この状況でもなお金曜日に(見せかけでもいいから)一体感を見せられないのであれば、それは末期症状を超えて死亡宣告に等しいでしょう。さすがに応援するチームのそんな姿は見たくないので、川崎相手の(やけくそ)ファイトバックを期待していますが、6万人の目の前で川崎さんに介錯されてしまう未来も想像できてしまうのが、今の闇の深さではないでしょうか。