続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

2023 J1第1節「不安と期待」

 いよいよ、2023年のJリーグが始まりました。幕開けとなった川崎-横浜FMは、さすがチャンピオンチーム同士!と言える質の高いゲームで、金曜夜の時点で土曜日が一層楽しみ感じたところです。
 そんな土曜、FC東京の開幕戦。90分トータルで見れば納得感のある2-0の勝利だと受け止めています。今季は、ツイッターがまあなんだか個人的には使いづらくなってしまったこともあり、気が向く(続く)限り、思ったことをブログに書き殴っていきたいと思います(ツイッターに「ブログアップしたよ」ツイートだけはしますが)。

 

 

 すでに各媒体で書かれているとおり、「危うかった前半」だったことには全面同意。浦和が前年度から続く東京の特長を踏まえたゲームプランを用意し、開始早々の東へのイエローカードが適切なものだったか――それにより、レフェリングが前半は結構軽くなってしまった点も含めて――議論が分かれるところはあるにせよ、結果的にそのイエローカードにより東の活動の質が制限されてしまったこともあって、なかなか11人の動きが滑らかなものになりませんでした。
 また、いわゆるビルドアップも成長・深化があったかと言われれば、いたって微妙。森重が不在だったことは考慮すべきですが、「自分たちからこう動かしたい」の部分も、「相手がこう来ているからこう外したい」の部分も、及第点には達していなかった印象です。それでも、松木は前半途中からエンリケとカシーフの間に下りて触媒になろうとしたり、一旦下りるフリをして逆に前にグッと入って行って相手を外したりと工夫が見られ、「あぁ、やっぱり並の選手ではないんだなぁ」と感心したところはあります。
 で、意外だったのは浦和が積極的なプレッシングを20~25分あたりで止めてしまったこと。これが当初からのゲームプラン通りだったのか、監督・選手の判断でそうしたのかは分かりませんし、その後も前半はおおむね思い通りの展開を作れていたので、糾弾するほどの判断ミスとは言えません。それでも、明らかに東京側はプレスを嫌がっていましたし、選手に疲れも見えていなかったので、少なくとも前半は終わりまでガツガツやっても良かったのかなと感じました。


 そして、巻き返しの後半。ハーフタイム明け、東⇒安部の交代により中盤が正三角形の4-2-3-1へとシフトしました。アルベル監督自身は新潟でも2年目はほぼ4-2-3-1がベースだったと記憶していますし、昨季も安部を途中から投入し、トップ下に置いて・・・という采配はあったはずですが、この日はこれがドハマり。守っては岩尾(と伊藤)を監視し、後半の前半は岩尾をゲームから消すことに成功。攻めても、浦和のDF-MFライン間で相手につかまれないポジションを探し、見つけ、取り、前半以上の両サイドバック(特にカシーフ)の攻め上がりを補助できていました。そして、先制点に繋がるクロスも、いわゆるポケットを取りに行ったことで生まれたもの。キャンプ中に仲川が「もっと自由に誰でもポケットに入っていければいい」と語っていましたが、チーム内でその意識がしっかり共有されていることを示した場面だったと思います。
 また、渡邊、長友、塚川も自分の役割を理解し、仕事キッチリ。ゴールを決め、試合後のヒーローインタビューに呼ばれた渡邊が第一声でベンチスタートとなったことへの悔しさを発していましたが、ペロッチも含めて途中出場となった選手の動きの鋭さ、モチベーションの高さを見ると、正しい競争が生まれていると強く感じました。この状況は、100%歓迎です。


 次節に向けて。松木と熊田がU-20日本代表に選出され、最長3月20日まで不在。松木の不在は小さくない影響があると思いますが、安部や塚川が浦和戦のパフォーマンスを見せてくれれば問題ないでしょう。森重についても、もちろん戻ってこられればベストですが、エンリケも及第点のプレーはできていたので(特に守備面)、大きな瑕疵にはならないかと。また、太もも裏を気にして途中交代となった仲川も、渡邊の充実ぶりを見れば、むしろ無理させなくていいと言えるでしょう。西堂、野澤、荒井、俵積田など、若手も虎視眈々機会をうかがっているでしょうし。
 となると、気になるのは東・・・というか、中盤の構成。柏-G大阪戦をちらっと見た限り、柏はアンカーを置く4-3-3からスタート。つまりは、ともに開幕戦と同じ構成であればミラーゲームになります。浦和のようにトップ下に人はいないため、ダイレクトにアンカーが監視されるシーンは減ると思いますが、そもそもの東のポジショニングやパスを引き出すタイミングが他の選手と正しくリンクしなかった点、柏もアンカースタイルで、放っておいたら厄介な高嶺がそのアンカーを務める(であろう)点、そして、浦和戦の後半戦で見せた流動性の高さを踏まえると、私は4-2-3-1で「センターハーフ:小泉、塚川or安部」「トップ下:塚川or安部or東orレアンドロ」で臨む方に一票投じたいところです。


 最後に、浦和戦の簡易採点&一言を。採点は点数ではなく「◎>○>△>×」で表しています。

GK ヤクブ スウォヴィク ○
 相変わらずの安定感。ハイボール処理時の腕の伸びはスゴい。


DF 中村 帆高 ○
 仲川との絡みもよく、攻め上がりに進化見られた。跳ねてくれ!


DF 木本 恭生 △
 大事に至らずも、やや不安定な内容。期待値高いだけに評価辛めで。


DF エンリケ トレヴィザン △
 守備は安定も攻撃は今二つ。久々の実戦だけに仕方ないが、もっとできるはず。


DF バングーナガンデ 佳史扶 ○
 酒井とのバチバチは見ごたえあり。みなぎる自信は風貌と口調にも。


MF 東 慶悟 ×
 イエローカードはやや不運も、結果不本意な内容。次だ、次。


MF 小泉 慶 ○
 前半は大人しめも、終わってみれば走行距離13km超。走れる、頼れる、戦える即戦力。


MF 松木 玖生 ◎
 充実の2年目スタート。今季は東京に留まってほしい(苦笑)


FW 仲川 輝人 △
 惜しいシュートもあったが、全体的にはインパクト薄。期待値高いだけに評価辛めで。


FW ディエゴ オリヴェイラ ○
 昨季はホントにコンディション厳しかったんだな、と。今年は期待大。


FW アダイウトン ○
 マーク厳しかったが、キッチリ一仕事。今年もよろしくお願いいたします。


MF 安部 柊斗 ◎
 より前向きにプレーできる分、トップ下の方が向いているんじゃないか?とさえ思わせた。


MF 渡邊 凌磨 ◎
 ギンギラギンをさりげなく。そいつがリョーマのやり方。


DF 長友 佑都 ○
 たぶん、優勝できるチームにはこんなタイプが必要。すべてはシャーレのために。


FW ペロッチ -
 時間短く評価なし。だけど、こんなフォルムだと思ってなかった(思っていたよりデカい)。


監督 アルベル ○
 不安と期待、双方をのぞかせたが白星発進。やりくり上手がどこまで続くか。