続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

不退転。ならばこちらも。

 ワールドカップも佳境を迎えるなか、来たる2023年シーズンに向け、Jリーグ各クラブは各々戦力整備に動いています。FC東京もご多分に漏れず、連日IN&OUTのリリースが続いています。

 皆さん、それぞれの感想を抱いていると思いますが、私がパッと思いついたフレーズが「不退転」。その心は今日の締めに取っておくとして、まずは12/16現在の各ポジションの陣容から見てましょう。

 なお、選手名後ろの括弧は、令和5年1月1日現在の年齢(間違っていたらすみません)。また、すでに完全移籍orレンタル移籍によりチームを離れることになった選手は、掲載していません。




ゴールキーパー

 確定:ヤクブ・スウォヴィク(31)、児玉 剛(35)、野澤大志ブランドン(20)

 

 波多野が(大歓迎の)レンタル移籍決断。個人的には児玉とは今季でお別れ…と思っていて、契約更改のお知らせに驚いていたんですが、こういうことでしたか。

 となると、残る注目は「GK3人?4人?」問題。野澤のレンタルバックが発表され、もし3人で…となればこれにて終了。ただし、トレーニングの強度・効率性を考えると4人体制が望ましい、という意見もあり(実際、今季も林がトレーニングに戻って以降、良い競争ができていたようですし)。全体のバジェットも踏まえ、フロントがどう判断するか。ここはシンプルに、その決断を待ちたいところです。



サイドバック

 確定:徳元 悠平(27)、中村 帆高(25)、バングーナガンデ佳史扶(21)、

 未定:長友 佑都(36)、鈴木 準弥(26)(以上、契約未更改)

    岡庭 愁斗(23)(大宮へレンタル中)

 

 昨季大いに成長を遂げたカシーフ+J3、J2と順調にステップアップしてきた徳元。左サイドはこれで完結でしょう。しかも、ここにきて小川がポルトガルに馴染めず…的な記事も。いや、小川踏ん張れよ(苦笑)

 一方の右サイド。岡庭は、今オフの流れだとオファーがあれば再レンタル濃厚。となると、長友がどういう決断をするにせよ、中村・鈴木が今季以上にアルベル流に順応しつつ、自分の良さを出せないようだと、質・量ともに十分とは言えず。さりとて、正直今のJリーグはサイドバックが不足気味で、噂レベルの話も漏れ伝わらず。外国人枠も埋まっていますし、中村・鈴木のブレイクスルー待ちになるのかなと。



センターバック

 確定:森重 真人(35)、木本 恭生(29)、エンリケ トレヴィザン(25)、木村 誠二(21)

    東 廉太(18)、土肥 幹太(18)



 木本が22年シーズンのパフォーマンスを維持し、エンリケが怪我から完全復活し、木村が終盤に見せた希望の光をより眩いものとし、東や土肥が練習やルヴァンカップでチャンスを得て底上げ役となることが必要ですが、いよいよ東京守備陣の顔が、森重から次の代に移るのでは――という期待を抱かせる顔ぶれとなりました。

 森重に関しては、依然JリーグトップクラスのCBであることを疑っていません。その一方で、スピードやアジリティについては、いささかの懸念を感じるところも否定はできません。この2つを天秤にかけて、個人的には今の陣容であれば競争の場をアンカーに移してもいいのでは?と思っています。22年シーズンのキャンプでも一度試してみたと記憶していますし。さて、アルベルがどう決断するでしょうか。

 また、徳元が3バックの左ストッパーもできるタイプで、22年シーズン終盤は3バックをチラチラ試していたことも踏まえると、「右:木本or東、中:エンリケor森重、左:木村or徳元」という3バックも、十分にアリでしょう。というか、そっちの方がいい?



アンカー

 確定:青木 拓矢(33)、東 慶悟(32)、寺山 翼(22)

 

 まず、寺山がアンカー・インサイドハーフどちらで試されるか。本人はどちらでもこなせるタイプですが、順天堂大学での使われ方や全体の顔ぶれを鑑みれば、恐らくはアンカーかなと(森重がアンカーチャレンジなら、インサイドハーフか?)。

 という点も踏まえて、来季もアンカースタイルをベースとするならば、競争は青木、東、寺山の中で行われるでしょう。青木は22年シーズン不完全燃焼。まずはオフでしっかりと身体を整え、キャンプに臨んでほしいところ。東は青木が抜けた後の頑張りを評価したいところですが、俯瞰してみれば物足りないとも言える状況。そう考えると、寺山も十分にチャンスあり。いずれにせよ、ここがチームのウイークポイントにならないのであれば、優勝争いも期待してしまいますが、果たして。



インサイドハーフ

 確定:塚川 孝輝(28)、小泉 慶(27)、安部 柊斗(25)、松木 玖生(19)

 未定:三田 啓貴(32)(契約未更改)、野澤 零温(19)(相模原へレンタル中)

 

 正直、フロントが小泉に白羽の矢を立てたのは意外でした。ただ、トップ下や右サイドバックでの起用にも応えられるユーティリティさがあり、鳥栖では川井監督のもとでポジショナルプレーも経験済み。松木が代表活動(23年3月にはU-20アジアカップがある)で離れても質・量を確保できて、かつ、働き盛りの年齢。これは私が東京を応援し始めてからトップ3に入るレベルのグッドオファー。三田、野澤の動向は未定ですが(野澤はオファーがあれば再レンタル希望)、例えどういう処遇になったとしても、J1でも屈指の、かなり強烈な陣容が揃ったと言えるのではないでしょうか。



ウイング

 確定:アダイウトン(32)、仲川 輝人(30)、西堂 久俊(21)、荒井 悠汰(18)、俵積田 晃太(18)

 未定:レアンドロ(29)、渡邊 凌磨(26)、安田 虎士朗(19)(以上、契約未更改)

 

 そんなインサイドハーフ陣に負けず劣らずなのがウイング陣。

 レアンドロ、渡邊の動向は未定ですが、少なくとも渡邊は残ってくれるはず。そうなれば、ゴリゴリ仕掛けられるアダイウトン、ポジショナルの枠にいい意味で囚われない仲川、いわゆるハーフレーンを活用できて縦横無尽に動ける渡邊、左右両方で高いレベルのプレーを見せられる(と言われている)西堂、キレッキレドリブラー荒井と異なるタイプが居並び、いろいろな組み合わせ可能。レアンドロまで残るとなると、ちょっとダブついてしまうのでは?と思ってしまうほどの顔ぶれとなります。

 こうなると、若手の安田、俵積田は、正直出番を得るのが相当難しいところ。いいオファー、お待ちしております。



センターフォワード

 確定:ディエゴ・オリヴェイラ(32)、熊田 直紀(18)

 未定:ルイス・フェリッピ(29)(契約未更改)

 

 フェリッピは、個人的には大好きなストライカータイプ。ただ、買い取りのために、いくつかのメディアで書かれている金額が必要なのであれば、ややお高い印象。アダイウトンセンターフォワードに入ることもできますし、フェリッピがチームを離れ、ディエゴと熊田の2枚体制で及第点、というところに落ち着く気がします。

 で、ディエゴは個人的に23年シーズン最注目選手。22年シーズンは股関節の怪我+役割の変更が影響し、かなり不本意なシーズンに映りました。正直、このままお別れまであるのでは…とすら思っていたので、契約更新の報は素直に嬉しかったわけですが、23年シーズンも役割の大きな変更がないとすれば、幾ばくかの我慢は求められます。このまま少しずつ埋没してしまうのか、それとも、フランス代表のオリビエ・ジルーではないですが、もう一花咲かせられるのか。当たり前ですが、後者に大期待しています。

 

 で、現段階の陣容をもとに、現段階で私の脳内に浮かぶ妄想スタメンは、以下のとおりです(フェリッピはいないものとしてます)。

4-1-2-3Ver.

 

 

3-4-2-1Ver.

 

 

 さて、ポジションごとの陣容に対する印象はここまでにして、今日の締め。

 24年シーズンからのチーム数変動、そして、報奨金の傾斜配分開始と、Jリーグそのものが集団護送方式からの転換を図ろうとしているなか、戦力・収入ともにいいサイクルを回していくためには、安定して上位争いに食い込むことが必須となります。そして、アルベル監督の1年かけてのセレクションも完了。その結果、今オフの動きは明確に「25~30歳の主力級獲得」と「(レンタルを含む)25歳以下の若手放流」の2つが主題だったかなと。

 株式会社ミクシィがFC東京を子会社化すると発表したのが2022年12月10日。この1年間、一ファンとして知るだけでも様々な、抜本的な――ともすれば急進的・過激的とも受け取られかねない――取り組みをクラブは行ってきました。妄信的に全てにYESというつもりはないし、懐疑的に全てにNOというつもりもありませんが、自分の中にロマンチズムがないわけではないので、この1年間の動き、そして、今オフの動きに対して多少の引っ掛かりはあります。ことさら、育成部門に対する見方は、いろんな方の考えも聞いたうえで、別エントリでそれなりの文字数で表すことができると思っているところ(私の書く気持ち次第ですが)。

 ですが、リーグ全体の時流を睨みながら「優勝争いをするだけの質・量を揃える」というクラブの思いは強く感じました。言い換えれば、私はクラブとして「不退転の覚悟で23年シーズン(意向)に挑みますよ」というメッセージをビシビシ感じている、となりますでしょうか。

 おそらく、アルベルは来季もある面でのらりくらり、外野からのプレッシャーを捌く発言をするでしょう。ただ、この戦力を有して中位に終わるわけにはいきませんし、22年シーズンほど「言い訳」が利く状況ではなくなったと思っています。23年シーズンのFC東京とどう向き合うか、各々お考えはあるかと思いますが、私は「結果、ちょうだいよ」になるのかな、と今この段階では感じています。