続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

Jリーグディビジョン1 第12節 横浜FM0−1東京 レビュー

 ♪ラララ〜ララ〜ラララ〜、なかむら〜ほ〜く〜と〜♪
 というわけで、北斗のこれ以上ない自己紹介に現場で立ち会えなかった嬉しい嫉妬を胸に秘めつつ、レビューです。


 トータルで見れば、守備でもぎ取った勝ち点3だったかと思います。立ち上がりから15分ほどは新しい戦い方をしてきた横浜FMに対して戸惑った部分もあったように感じましたが、ひとしきりの攻めのパターンを見て以降の守備はほぼ完璧。DF−MFの2ラインが非常にコンパクトで、サイド攻撃に対してはサイドバックサイドハーフでしっかりサンドできていましたし、中盤でもボランチの2人がボールに行く時とスペースを埋める時の判断に間違いがなかったですし、ブルーノ&今野のCBコンビもだいぶ板についてきて、コンビネーションでボールを奪ったり、いい距離感を保ち続けてクロス対応で相手を離すシーンもほぼ皆無で、立ち上がりの山瀬と試合終了間際の兵藤以外は決定機を作らせない内容でした。もちろん涼しくて動きやすい気候だったことがここまでの運動量をもたらせた面はあり、これから暑くなる中で、そして相対的に見て守備面での貢献度は低い石川、カボレが戻ってきた時にどこまでこれを続けられるか疑問符が付く面はありますが、それはそれでまた別の問題として考えればいいこと。これで今季(ナビスコ含めて)6勝全てが1点差で、そのうち5試合が「1−0」。2点目、3点目を奪えるかは個人のスキルにかかっている部分もあるのでその日暮らしな部分はありますが、やっぱり東京が良い形で勝っている試合は守備が安定している時であって、今日の戦い方を一つベースとしてやり続けてほしいなぁと思いました。


 で、今日はここから個人の話をいくつかしようかなぁと。まずは米本。5/2の大宮戦で抜擢されてからこれで4試合連続のスタメンとなりましたが、1試合ごとに進歩が見られている印象。昨日は開始1分のピンチに「画面の外から」足を伸ばして山瀬にシュートを許さないところから始まり、守備では持ち味である対人プレーの強さは当然として、DFラインの選手がが何かしらの理由で吊り出された際のスペースをしっかりと埋めることであったり、別の局面で1対1になっているシーンへのフォローアップであるといった見えそうで見えない部分の働きぶりが良いように見えました(もちろんテレビ観戦なので分からない部分もありましたが)。そして攻撃面ですが、梶山と交互にバイタルエリアに侵入していく動きであったり、サイドでボールを持った選手を思い切って追い越していく動きであったり、とにかく「水を運ぶ動き」を積極的にやろうとしている姿勢は、凄く好感が持てます。後半はシュートを打つシーンもありましたしね。まだまだパスの精度が今ひとつであったり、視野が狭かったりといった面はありますが、それは実戦を経験するで学んでいける部分なので、今はやれる部分を恐れずに出し続けてほしいなぁと思いますね。
 続いては鈴木。「石川の代役」という見方をすれば物足りない部分もあったのは事実ですが、ただ、「鈴木個人が持つ資質」を出しきったという点では、凄く良かったかなぁと。プレビューでも書きましたが、相手の4バックに対してあえてタッチライン沿いに重心を置くことで徳永とのコンビで数的優位を何度も作れていて、そこから惜しいクロスやシュートを見せられていましたし、相手の守備ゾーンを横に広げさせることで中央にスペースをもたらす形にもなりましたし、何より守備面での貢献度が高かったですね。この攻守両面で遜色なく運動量を活かせるのが鈴木の持ち味。恐らくもう2〜3試合ナオは無理だと思いますが、これなら心配は要らないですかね。
 次は徳永。今、本当に良いですね。この試合代表の岡田監督が視察に訪れていましたが、この試合を含めて4月後半以降の徳永をしっかり見てくれているのなら、もう一度代表に呼んだって笑われないと思いますよ、私は。惜しみない上下動とか、そこからのクロスの精度とか、その他攻撃面での良さが目立ちはしていますが、何より守備面での粘り強さやポカをしない集中力の鋭さが個人的には好印象。私はサイドバックに対しては、まずは守備面でしっかり自分の仕事をやりつつ、プラス攻撃でどれだけ…という見方をする人間ですが、徳永は突然集中を切らしたり、ありえないくらい軽いプレーをしてしまうことが多く、歯痒く見ていた部分もありました。でも、今は守備面でのミスがほとんど見られず、安心してみていられます。長友も一時期感じられた迷いが消えつつあるように見えていて、東京のストロングポイントの一つである両サイドバックの強さにこれからも期待したいところです。
 そして、なんと言っても北斗。とりあえず一言、ようこそいらっしゃいました!というわけですが、いやぁ、持ってますねぇ。得点シーンでは良いところで待っていた訳ですが、前半から横浜のCK時の守備が「非常に狭いエリアに人を詰め込むゾーン」というもので、セカンドボールに対してのリアクションが薄かったんですよね。なので、「上手く競り合うことができて、こぼれが甘くなれば…」とは思っていましたが、まさか北斗のところにおあつらえ向きのボールがこぼれてきて(しかも競り合ったのは平山)、それを落ち着いてふかさず振り切ってしまうとは…。その他にも逆サイドで作っているときの待ち方(ほとんどフリーになっていました)、ドリブルする時の姿勢・視野、サイドでボールを持ったときのアイデアなど、短い時間でしたが片鱗以上のものは見せてもらったかなと。スピードや試合勘、J1レベルのフィジカルに対してのアジャストは試合を続けるしかないのでまだまだこれからなんでしょうけど、スタートとしてはこれ以上ないものだったと思います。


 さ、ここからはナビスコも再開し、来週末には多摩川クラシコ。梶山も足首を捻っての交代でどれくらい時間がかかるか分かりませんし、川崎も調子を上げてきているので不安な部分もありますが、自信を持って1試合1試合やっていってほしいと思います。
 あと、梶山が怪我をしたときにフィジコが見せた大竹応援時のような手の動き。あれって○なのか×なのか全く分からないんですよね。大宮戦のカボレのときもそうでしたけど、あれは○でも×でもないのなら、何もしないでほしいなぁと。