続々々・メガネのつぶやき

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08−09 その79 アーセナル−マンチェスター・U

 CL準決勝2ndレグでした。
アーセナル 1(1−4)3 マンチェスター・U
スコア: 8分 朴智星(マン・U)
     11、61分 C・ロナウド(マン・U)
     76分 R・ファン・ペルシー(アーセナル


 アーセナルの希望は、わずか11分で打ち砕かれてしまいました。しかも、試合の入りはそれほど悪いわけではなかっただけに、余計に悔やまれる点の奪われ方だったかと。さらに、先制点がギブスのスリップから生まれてしまったのも、ものすごく残念でした。もちろんミスといえばミスなんですが、責め立てるのはあまりにも可哀想な感じで…。
 と、アーセナル擁護はここまで。仮にここで点が入ってなかったとしても、今日の(引いては、1stレグからトータルで見た)内容を鑑みれば完全にマン・Uのゲームでしたし、アーセナルはほとんど何もできなかったと言っていいでしょう。もっと言えば、1stレグとほぼ同じサッカーをしてきたマン・Uに対し、アーセナルベンゲル監督)が何も打開策を見い出せないまま2ndレグの90分を過ごしてしまったことは、ガッカリでした。
 アーセナル側からの視点で話を進めます。2ndレグはマン・Uと同じような3枚のセンターハーフ+2枚のウイング+センターフォワードという4−3−3を採用してきましたが、攻撃ではMFとFWが完全に寸断され、アーセナルらしい「お互いが近いポジショニングを取っての小気味いいパスワーク」がまったくと言っていいほど見られませんでした。ボールホルダーがパスコースを探し続けてプレーが遅くなり囲まれる、というシーンばっかり。回せなかった原因については、個人的には

1:アデバイヨルが全くボールを収められなかった。
2:(どういう指示だったか分からないまま言いますが)ウォルコットファン・ペルシーの両ウイングがサイドで勝負しよう!という意識が強すぎて、サイドに張り付きっぱなしというシーンが多かった。
3:2の影響でサイドにスペースが無く、SBがほとんど効果的なオーバーラップを見せられなかった。

 の3点を挙げたいところです。特に大きかったのは1。アーセナルのパスワークの特徴の一つに、「ボールホルダーはちょっと無理目でも近くの選手にパスを当てて、すぐさまパスアンドゴーしてフリーになってリターンをもらい…を続けて前へ進む」という形があると思っていますが、この日は(全選手がそうでしたが、特に)アデバイヨルが激しいマークを受けきれず、ボールを収めることができなかったことで、攻撃が前へ進んでいかないシーンばっかりだった印象が残っています。11分で2失点し、攻撃でもノッキングが続いたことで、徐々にフリーランニングやサボらないポジションチェンジも減ってしまいましたしね。
 そして守備。1stレグで抑えられなかった、マン・UのMF−FWラインの流動的な動きに対してどういう手を打ってくるか楽しみにしていたんですが、全くダメでした。そもそも論、個人的には1stレグで何もできなかったのでウォルコットを外し、ナスリをそこに入れて、セスクを1列上げて、ボランチは守備専門としてソングとディアビあたりを入れて、とにかく失点しないことから入ったら面白いか?なんてことを思っていたんですが、ふたを開けてみれば3センターハーフのうち2枚がセスク、ナスリと攻撃的な選手で、守備寄りがソングだけでした。まあ、選手選択が崩された原因というわけではありませんけど、結果としてセスク、ナスリが守備面で貢献できず(そもそもそこを期待するのも…ね)、1stレグ同様マン・Uの中盤3選手の飛び出しに対して無策だったことが崩された原因のひとつでもあるわけで、ベンゲルほどの監督が為す術なく敗れていく様を見るのは、ガッカリもありますけどちょっと辛かったですね。
 これで、アーセナルの今季は終了。プレミアは4位が決定し、来季も予備予選(来季からプレーオフという名前になるみたいですけど)からの出発となります。補強については例年通り金銭面での制約が大きくなると思いますが、守備をしっかりできるCBorボランチの補強は必須でしょうね。その上で、攻撃的なサッカーを再びどこまで高められるか、巻き返しに注目したいところです。


 マン・Uは…強いの一言。