続々々・メガネのつぶやき

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09−10 その10 マンチェスター・C−アーセナル

 3連勝スタートを切ったマン・Cと、前節マン・Uに痛い逆転負けを喫したアーセナル。アデバイヨル、コロ・トゥーレの移籍という思わぬ因縁も発生した両チームの対戦でした。
マンチェスター・C 4−2 アーセナル
スコア:20分 M・リチャーズ(マン・C)
     63分 R・ファン・ペルシー(アーセナル
     74分 C・ベラミー(マン・C)
     80分 E・アデバイヨル(マン・C)
     84分 S=W・フィリップス(マン・C)
     88分 T・ロシツキーアーセナル


 結果は4−2でしたけど、はっきり言ってそこまでのスコアになる試合の流れじゃなかったというのが正直な感想です。
 というのも、マン・Cにこれ!といった攻めの形が見られなかったから。ロビーニョテベスといった攻撃のメインキャストが不在で、バリーを左SHで使い、ボランチデ・ヨンクアイルランドという形でしたが、DFラインからのロングボールばかりで彼らに全くボールが入らず、チャンスになるのはアデバイヨルが無理して収めてタメを作るケースか、ライト・フィリップスがサイドのスペースをそのスピードで切り裂くかの2つだけ。なので、セットプレーからの先制点ははっきり言って意外でしたし、逆にそこで失点を許してしまったアーセナルは…ってのは後ほど。後半もさほどギアが上がらず、攻撃は依然個人頼み。これだけの選手を揃えながら…という落胆はありました。
 ただ、局面での守備の強さ、切り替えの早さにはポジティブな印象が。2、3、4点目は全てショートカウンターの形で、特に3、4点目はアーセナルがマイボールにして「さ、ここから!」というところをガツッと奪い取ってのもので、これは昨シーズンまでには無かったもの。また、トゥレとレスコットのCBコンビは非常に堅固で、SBに戻ったリチャーズも昨年見せていたような不安ビクビクなプレーはほとんど消えていて、ギブンもさすがの反射神経で3点は防いでいたかと。デ・ヨンクがもっと守備面で貢献できるようになれば*1、さらに守備力のアップが期待出来るかなと。まあ、「大型補強」という枕が付くと、どうしても攻撃面が強調されがちですけど、攻撃は個の力で崩せるのに対し、守備はある程度の組織力が必要ですから、今はこういう形で勝ちを拾って行き、「勝利で補強を正当化させること」は間違っていないと思いますね。
 アーセナル。形としては前節のマン・U戦と同じく、「相撲で勝って勝負で負けた」様な印象でした。セスクが復帰しボールの集まるところがはっきりしたことで、マン・U戦に比べてフリーランニングの質が格段に良かったと思いますし、それにより「あえて無理目でも、狭いところにいる受け手にボールを出し、パスアンドゴーでフリースペースに走りこんでリターンを受ける」というアーセナルらしいパスワークが数多く見られました。2点目や後半残り15分の攻撃はその繰り返しでしたしね。そして、マン・U戦での感想では「ファン・ペルシーの1トップはちょっと…」みたいなことを書きましたが、この試合でその印象は180度変わりました。フィジカルなポストプレーはやはり厳しい面がありますけど、相手を背負いつつ1タッチで正確に叩く技術や、逆に相手の勢いを利用しながら反転する技が非常に上手く、それらでファン・ペルシー自身やチームが前を向けるのが良かったですね。ただし、まだファン・ペルシーがサイドに流れてボールを受ける際に、その空けたスペースに誰が飛び込むのかなどの「中のフォローの動き」が確立されていない感じなので、そこはもっともっとベントナーあたりが意識してほしいかなぁと。
 守備も結果として4点取られましたが、ヴェルメーレンギャラスの両CBは非常にいいプレーを見せていて、全体的な守備のバランスも悪くはなかったと思います。それだけに、クリシやソング、デニウソンなどに随所に見られた「軽いプレー」はもったいなかったですね。特にクリシは2失点に絡むボールロストをしてしまいましたし。いくら組織的に守備ができていても、こういったプレーがあるとカバーしきれない部分は出てきてしまうので、この部分は各自が強い意識を持って改善すべきでしょう。


P.S アデバイヨルの、アーセナルファンが陣取るスタンドの1角への「あてつけ」全力ダッシュ。褒められたことじゃないかもしれない(実際にイエローが出た)けど、気持ちは分かる。

*1:ちょっとバイタルを開けすぎ。CBの「オーバーラップからミドルシュート」をギャラスヴェルメーレン両方に許したのは、アイルランドも含めて大いに反省すべき