続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

本日の重賞予想

 今週はG1中休み。ただ、当たればG1でも平場でも同じ!当てたい!

 

 

福島牝馬S(G3)

4.アナザーリリック

14.ロザムール

6.スライリー

1,2,9,12,13,15

 

馬券 3連複 ◎〇▲-◎〇▲-◎〇▲△

 

 

 馬券の買い方をご覧いただいて分かるとおり、トリプル本命的なイメージで。

 アナザーリリックは近2走とも着順ほど負けておらず、2000mも若干長い印象。今回は1800mへの距離短縮となりますが、リオンディーズ産駒は短縮ローテを好むタイプ多数。また、父・母父ともに非サンデー系はこのレースの好走傾向。今回は枠なりに好位を追走できそうなイメージも湧き、巻き返しがあっても。

 ロザムールも父・母父ともに非サンデー系。母父はこのレースというか、福島芝で特注のニジンスキー系。前走は前に行った組に厳しい展開。今回は早めのマクリがなければ、4コーナー近くまでマイペースで運べてもいいメンバー構成。積極策で穴を開けるイメージがある武藤Jも悪くないかと。

 スライリーはタフな馬場・展開を好むステイゴールド系のオルフェーヴル産駒。ロザムールとは逆で、前走は展開に恵まれたところもありますが、終いに賭けてのレースで好走できたのは収穫だったはず。今回は急かさずとももう1列前で競馬できそうですし、上がりのかかる競馬なら楽しみあります。

本日の重賞予想

 今週は日曜日に重賞2つ。どっちか当たれ!

 

 

アンタレスS(G3)

12.バーデンヴァイラー

1.アナザートゥルース

9.ユアヒストリー

5,6,7,8,13,15,16

 

馬券 3連複 ◎-○▲-○▲△

 

 本命はバーデンヴァイラー。ダートではまだ全く底を見せておらず、前走はタフな中山のダートもクリア。アンタレスS自体、芝指向の血統馬が走りやすく、ドゥラメンテ×フレンチデピュティでイメージピッタリ。逃げにこだわるタイプではなく、何かに行かせて外目から番手をスッと取れれば、そのまま馬券圏内を外すことはないかと。

 で、相手は逃げの手を打てそうなアナザートゥルースユアヒストリー。ともに母父フジキセキで芝っぽさもあり。まあ、おそらく枠も考えれば1が行くと思いますが、最内が仇となって1が行けない時の9は考えに入れておきたいところ。

 馬券は3連複で手広く。



 

 

皐月賞(G1)

9.サトノヘリオス

4.キラーアビリティ

10.ジャスティンパレス

1,2,6,7,8,11,12,13,14,16,17,18



馬券 3連複 ◎-○▲-○▲△

 

 ローテが多種多様で、非常に力関係を見極めるのが難しいレースですが、本命はサトノヘリオス

 新馬戦はイクイノックスに完敗でしたが、その後連勝。3戦目のエリカ賞159秒台をマーク。その反動でホープフルSは大敗を喫しましたが、立て直しての前走スプリングSは3着と好走。前2頭とは位置取りの差で負けただけですし、中山遠征も問題ありませんでした。血統面もエピファネイア産駒で祖母エアデジャヴーと筋が通っていて、1800mよりは2000mの方が向くはず。さらに、ビーアストニッシドまたはデシエルトが刻むであろうイーブンペースのラップも、折り合い面含めて歓迎材料。必要以上にポジションを下げず、7,8番手で競馬ができれば一発あっても驚きません。

 相手は巡り巡ってホープフルS1,2着馬を評価。私は、時計は出るけどややタフな馬場をイメージしているので、実は母系欧州型のジャスティンパレスに期待していますが、より普通、あるいは軽い馬場になればキラーアビリティが普通に走るのではないでしょうか。

 馬券は3連複でとても手広く(印ナシは3頭だけ)。上位5人気までで3着独占は…ないと思っていますが、果たして。

桜花賞 予想

 久々の競馬予想ネタです。いきなり印から。



3.アルーリングウェイ

18.ナミュール

1.ナムラクレア

4パーソナルハイ

6,7,15

 



 土曜の競馬を見る限り、Bコース替わりもあって内枠が物理的に有利な印象。3、4コーナーの痛みがよりカバーされている外回りの方が、より有利さが顕著なイメージも受けました。

 そして、展開のカギを握るのはパーソナルハイでしょう。近2走は藤岡康Jを背に好位で脚を溜める競馬を試したものの、いずれも直線弾けず。しかし、3走前の赤松賞は逃げてナミュールと僅差のレースを見せ、鞍上はその時と同じ吉田豊J。吉田豊Jは日曜この一鞍で、矢作師とのタッグ。何が何でも…とは言いませんが、他に無理やり逃げたい馬がいなければ、この馬がハナを切るのかなと。

 で、その赤松賞。馬場差はありますが、2ハロン目からラストまですべて11秒台。ラスト2ハロンも11秒4-11秒7と減速しきらなかった、持続力勝負となりました。また、土曜の阪神牝馬Sも、ラスト1ハロンは12秒台に落ちましたが、2ハロン目から6ハロン連続11秒5以下を刻むラップ。1200mで持続力を磨いてきたメイショウミモザが勝ったのは、後付けながら十分に納得し得るところ。というわけで、私は「パーソナルハイが後続に脚を使わせる逃げを打つ」ことを前提とした予想をしてみます。



 本命はアルーリングウェイ。1200m新馬戦は好位追走からキッチリ勝利。2走目の万両賞は、その後シンザン記念を勝ち、土曜のニュージーランドTでも2着と好走したマテンロウオリオンの2着でしたが、直線で前と後ろが入れ替わる差し決着の中、この馬だけ先行馬で粘り込み。前走のエルフィンSでは外から逃げ馬を行かせても引っかかることなく、番手追走から直線で人気馬を力でねじ伏せました。このレースも、ラップは2ハロン目からラストまですべて11秒台。持続力はかなりのものがあります。

 この持続力の高さは、父ジャスタウェイで母系がフレンチデピュティエンドスウィープという血統を見れば納得の一言。また、阪神牝馬Sを勝ったメイショウミモザも父サンデーサイレンス×母父フレンチデピュティ。先週大阪杯を勝ったポタジェも、父サンデーサイレンス×オーサムアゲインフレンチデピュティと同じヴァイスリージェント系)。アルーリングウェイの血統は、今の馬場にピッタリ合う印象。スタートセンスもあり、1枠2頭がそれほどテンに速くないため、パーソナルハイに行かせつつラチ沿いの2列目を取れる可能性大。推定7人気なら、ここから入ってみたいと思います。



 対抗はナミュール。大外枠はさすがに割引が必要ですが、私が想定している道中に12秒台のラップがない持続力レースは、それこそ赤松賞で経験済み。阪神JFは力負けではないですし、チューリップ賞も着差以上の完勝。父ハービンジャーですが、母系がダイワメジャー×フレンチデピュティ。人気でも対抗以下には落とせません。

 とはいえ、外枠が壊滅という決着もあり得る馬場。3番手には最内のナムラクレアを。改めて言うまでもなく、1400m以下に真の適性はあるタイプ。ただ、阪神JFは枠の不利(当時は内の馬場が厳しかった)を考えればよく走ったと思いますし、前走ももう少し上手に乗っていれば勝てたレース。父サンデー系×母父米国型で、持続力を高めてくれるダンチヒの血もあり。内にこだわってうまく立ち回れれば楽しみある1頭かと。

 展開握るパーソナルハイは☆評価。この馬も血統は父ディープインパクトに米国の速い血が重なる母という配合。全く馬鹿にできないかと。△はフィリーズレビュー好走の7サブライムアンセム15アネゴハダと、持続力問われる展開なら反撃見込めるウォーターナビレラまで。

 ナミュール以外の上位人気は、正直食指動かず。16サークルオブライフは前走位置を取りにって伸び切れず。母系は1400m以下のタイプですが、この馬はエピファネイア産駒らしく、道中の追走スピードがおとなしい方が走れる印象。枠も厳しいところ。

 14プレサージュリフトはデビューから2戦ともに上がり3ハロンの競馬。父ハービンジャーですし、私が想定している流れだと脚が溜まらず厳しいのでは。8スターズオンアースは赤松賞組ですが、上位2頭には完敗。初の関西遠征も不安。



 馬券はアルーリングウェイからの馬連3連複がメイン。◎○→◎○→▲☆の3連単が夢馬券。

アルベルトーキョー追跡記 その1

 2022年シーズンの開幕ゲームから、1ヶ月が経過しました。途中、新型コロナウイルス感染症の影響により活動休止を余儀なくされた期間があり、今もまだ、コンディション面では万全と言えないなか、それでも新たなスタート直後だからこそ感じられるものもいくつか見えてきました。

 今日は、そんな個人的雑感を「追跡記」と称して書いてみたいと思います。その2があるかは分かりませんが、お付き合いください。




Chapter1 後追いの原理主義だからこそ

 改めて書くまでもないかもしれませんが、アルベル・プッチ・オルトネダという男は、トータルフットボールと称されたスタイルにより耳目を引いたヨハン・クライフ、その意思を受け継ぎ、より高みを目指したジョゼップ・グァルディオラ、この二人をほうふつとさせる「原理主義者」だった――わずか1ヶ月で、大半のFC東京ファンはそう感じたのではないでしょうか。そして、この「原理主義」は近年「ポジショナルプレー」と称されるようになり、トップトップから素人まで、プロからアマチュアまで、実に多くの人によって定義付けされ、言語化され、体系化され、今もなお盛んに議論・研究の対象となっています。

 そうして、ポジショナルプレーの教科書的なものが日々そのボリュームを増しているのと比例して、対ポジショナルプレーの教科書的なものもまた、日々そのボリュームを増しています。欧州の最先端では10年以上にわたって戦術のいたちごっこが続いていると認識していますが、近年、Jリーグにおいても急速に、このいたちごっこが見られるようになりました。

 そんな、ポジショナルプレーを中心軸とした右と左のつば迫り合いに、今季FC東京は後追いで参戦することとなりました。アルベル監督が正直に保険を掛けるようなコメントを発するまでもなく、成熟するまである程度は相手の対策に苦しむだろうな、と思っていた一方、ひそかにシーズン前は、こちらのやり方があまり知られていない(=相手の対策が的を絞れない)うち、実は勝ち星拾えるんじゃないか?と思っていた節もありました。

 ただ、ふたを開けてみたら開幕から1ヶ月も経たない3/12 広島戦、3/15 磐田戦においてあっという間に、しかも、異なる対ポジショナルプレーの解をぶつけられることに。単純に「(対)ポジショナルプレーって、こんなにもポピュラーなものになったのか」と驚くばかりですが、後追いの原理主義という一番ターゲッティングしやすいエリアに今のFC東京がいるからこその現象だ、と私は理解しています。言い換えれば、遅かれ早かれ、このタームは訪れていたのかなとも。



Chapter2 認知

 いきなりガツン!とした対抗を受けた、3/12 広島戦と3/15 磐田戦。前者は仕事の関係でテレビ観戦でしたが、後者は味の素スタジアムで観戦することができました。正直、コンディションには相当ばらつきがあったと思いますが、今日はそこをあえて考慮せずに書き進めます。

 ポジショナルプレー=常に正しい立ち位置を見つけ、取る。極端にシンプルにこう定義付けしたとして、では、選手に求められる一番大事なものは何か?――皆さんはどう考えるでしょうか。ここまでの1ヶ月を見た私が答えるならば、「認知」となります。

 この「認知」という言葉もまた、ポジショナルプレー同様に近年多くの指導者・メディアが注目し、重要視しています。いくつかのメディアから言葉を借りれば、選手のプレーは「認知⇒判断⇒実行」というプロセスにより成り立つもので、かねてから使われていた「判断(が早いか遅いか)」という表現は、今や「認知(が早いが遅いか)」と表現すべき、らしいです。…と、アカデミックな話をしたいのではなく。今季のFC東京を初めてテレビではなく現地で見た磐田戦の感想が、シンプルに「認知するのって、大変だこりゃ」だったのです。

 この日の磐田の守備に関する狙いは明確でした。外回りのパスにより前進したい東京に対し、磐田の取りどころも外側。特に、東京のサイドバックにボールが入った時にはボールホルダーのみならず、周辺含めて連動して圧をかけ、前半20分頃まではことごとく東京に難しい選択を強いることができていました。

 この流れの中で個人的に引っかかったのが、東京の右サイド。右センターバックに入った岡崎は、外回しを意識するものの、強い縦パスを入れることにもこだわっていました。この判断がアルベル監督の指示によるものなのか、岡崎自身の認知に起因するのかは想像の域を出ませんが、パスの精度を欠いた場面も目立ったので、結果だけ見れば無理やり感は否めなかった。ただ、認知の部分だけ切り取れば、外側に追い出したい相手の立ち位置や意図をしっかりと読み取り、その逆手を取ろうとしたと言える。よって、私は岡崎のプレーを好意的に捉えたい側です。

 ただ、問題は受ける側にあり。この日は右サイドバックが鈴木、右インサイドハーフが見た、右ウイングが内田でした。鈴木は比較的冷静に戦況を認知できていて、受ける位置は悪くなかったと思う反面、三田、内田は独りよがり…は言い過ぎかもしれませんが、鈴木の受け方、受けた場所、相手の立ち位置を正しく見ることができていなかった印象。練習でこの3人がユニットを組んでどれだけプレーできていたのか…とか、キャンプからの流れで主に使われていたポジションとは違うから…といったエクスキューズはあったかもしれませんが、そもそもの認知に関する資質・センスを感じられなかったのはかなり残念に思ったところ。後半3枚替えした際、青木⇒平川は(おそらく)もともとのゲームプランだとして、残りの2枚で下げられたのが三田と内田だったのは、残念だが当然と言わざるを得なかったと見ています。

 一方、左サイドも決してスムーズではなく。特に左サイドバックで使われた中村は手詰まりに手詰まり、序盤は右サイド以上にヒヤヒヤしながら見ていました。しかし、自分が狙いどころにされていて、安易に受けても手詰まりになること、同サイドでコンビを組んだのがドリブルに特徴のある荒井だったことなど、いくつかの要素をしっかり認知し、前半の途中からいわゆるハーフスペースのレーン(荒井と左インサイドハーフだった東の間)を駆け上がって相手を引っ張る、あわよくば、そこでボールをもらうという判断に切り替えたことで、荒井が良い形でボールを持てて、磐田も多少対応に困る場面を間接的に生み出しました。

 これだけにとどまらず後半は、相手が引き続き自分を狙ってくることを分かったうえで、ファーストトラップやターンによってどうにかマーカーを引きはがすチャレンジも認知からの判断に加えられていて、何度かそのプレーが成功することによってグッとボールと味方を前進させることもできていたように映りました。岡崎同様、精度は及第点に及ばなかったかもしれませんが、90分間自分・相手・戦況を的確に認知しようと試み続け、試合の中で判断を変えることができていたことは、私は十分称賛に値するものだと感じています。



Chapter3 セレクション

 今日は攻撃にフォーカスして取り上げましたが、守備に関しても、広島戦、磐田戦と続けて満足できるレベルにはありませんでした。それらも含めて、アルベル監督は常に「今はまだ、○パーセントしかない」「歩みを止めるつもりはない」「今季は60パーセントまで行けば満足」といった類のコメントを発し続けています。

 仮に、今季終了時にアルベル監督の理想の60パーセントまでチームが成長したとして、そして、その60パーセントのレベルが「基礎編終了」なのであれば、100パーセントまでの道のりは「チームとしての応用編」を上積みするか、「個人としての応用編」ができる選手を連れてくるしかありません。裏を返せば、今季は「チームとしての応用編」に挑むにあたって一息足りない選手をあぶり出し、「個人としての応用編」ができる選手を受け入れる枠を空けるためのセレクションを1年かけてやっているんだな、とこの1ヶ月で認識しました(シーズン前からそう思っていた聡明な方もいらっしゃるでしょうけど)。

 原理主義に基づく明確な基準があるからこそ、外側からしか見ることができないファンですら、セレクションの過程の一端を認知できる。これまでとはまた違う目線で、点を繋いで線にする見方ができる。邪に映るかもしれませんが、今はこんな楽しみ方をしようかな、と。

幕開け

 いよいよ明日、2022年のJ1リーグが開幕します。金曜日に用意された、栄えある開幕カードは川崎-FC東京。ツイッターで済むレベルかもしれませんが、せっかくなのでショートプレビューを。

 

 


 まず、明日の試合に触れる前に。


 川崎は2月12日、FUJIFILMスーパーカップで一足先に公式戦を行いました。結果は浦和に0-2の敗戦。勝負にこだわる、というコメントがあった一方、選手交代などを見ると今後に向けてのテストマッチだったともとれる90分、という印象を受けました。

 この試合、まったりとではありましたがテレビ観戦。その中で注目していたのが、川崎のアンカーポジション。昨季、前半戦は田中碧がほぼ完璧にその役割をこなし、田中の海外移籍後は橘田が一気に台頭して、穴埋めに成功しました。そして今季、アンカーもセンターハーフもこなせる瀬古を獲得し、移籍も噂されたジョアン・シミッチは残留。橘田も健在で、果たして鬼木監督が誰をチョイスするのか?と見ていましたが、スタメンはシミッチを選択します。

 ただ、前半は上手くチームが機能しませんでした。シミッチがオープンに前を向いてボールを持てるシーンは多くなく、浦和がプレッシングの手を緩めて自陣での守備を選択した後も、効果的なパスムーブは少なかったかなと。これは、シミッチがダメだったというよりは、浦和のアンカーつぶしが非常に良かったというべきでしょう。試合後に岩尾が

まず守備のところでは、川崎さんはボールを保持するのが非常に得意なチームですが、(自分たちは)どこにボールを通されるのがオッケーで、どこに通されるのがダメージになるかが整理されていました。前半は柴戸選手や自分が前に出ていって(ジョアン)シミッチ選手を消しにいくシーンがあったと思いますが、そういったオーガナイズのところで3人のバランスが崩れないように意識していました。

 

 

(Jリーグ公式サイト マッチレポート選手コメント(https://www.jleague.jp/match/supercup/2022/021201/live/#player)から引用)

 とコメントしていましたが、岩尾・柴戸の両センターハーフと、この日は左サイドハーフで起用された伊藤が上手く連携しつつ、江坂・明本の2トップの動きともしっかり絡み合いながら川崎の良さを消すことに成功しました。なおかつ、この流れの中で先制点を奪うこともできたことで、試合の流れが常に浦和にあった、とも言えるでしょうか。

 

 


 さて、この点も踏まえて、明日の試合について。まずは、川崎のボール保持時。


 スーパーカップを東京のアナリスト陣がどう分析して、チームのプレッシングをどう方向付けるかは想像の域を出ませんが、アンカーの自由を奪いに行くことは間違いなく試みるはず。とすると、例えば川崎の右CB(おそらく谷口)がボールを持っている局面だとして、

1:CFが、谷口から見て左側を消しながらプレッシャーをかける。

2:同時に左WGが、川崎の右SBへのパスコースを消して前・中方向へボールを誘い込む。

3:この間に東京のインサイドハーフがグッと前に出て、川崎のアンカーをボール奪取圏内に取り込む。

 というプレッシングが理想形。そのうえで、

1:右WGは誰を見るのか(川崎の左CBなのか、下りてくるインサイドハーフなのか)を明確にする。

2:アンカーに近づかないもう一方のセンターハーフが、川崎の右SBとボールに近いインサイドハーフどちらにも瞬時に反応できるポジションを取る。

 この2点をエラーなくやれれば、ボールをどこで奪い切るかは局面ごとに変わるとしても、川崎に相当な圧を感じさせることができるのではないでしょうか。で、これを90分やりきれれば100点満点ですが、現時点でそこまでのインテンシティを90分保てるかは、正直半信半疑。なので、少なくとも開始15~20分は――私がここまで書いた形が頓珍漢な想像だったとしても――相手を敵陣にとどめておくんだ!というアグレッシブな守備をチーム全体が体現してくれることに期待しています。

 

 


 続いて、東京のボール保持時。


 スーパーカップにおいて川崎は序盤、外切りのプレスを意識していたように見えました。しかし、岩尾が常に相手のプレッシャーがかからない立ち位置を取り続け、柴戸や伊藤が連動して浮いたポジションを見つけることで、川崎が敵陣でボールをひっかけるシーンは、少なくとも前半はほぼ皆無。また、酒井・馬渡の両サイドバックが幅を取る役割を担っていましたが、浦和の両センターバックが川崎の圧にひるむことなく強いボールをサイドバックにつけ続けてもいました。

 こうなると、悩むのはウイング。外を切って中にボールを出させても通されるだけ。かといって中に意識を絞り過ぎると大外のレーン(この試合では浦和のサイドバック)がガラ空きになる。自ずと、迷いが生じて立ち位置が中途半端になる。そうすると、インサイドハーフも立ち位置や狙いどころがボケてしまい、連動性が失われる。こうした悪循環を前半のうちには解消できず、何分だったか忘れましたが、レアンドロ・ダミアンが、自身としては間違っていない追い方をしたのに後ろが連動しないことで「なんでだよ!」というリアクションを露わに。守備が上手くハマっていないことを示す象徴的なシーンでした。

 翻って東京。明日も川崎が外切りのプレッシングを意識するならば、主導権を握る・握れないを左右するのは、まずはアンカーの出来次第となるでしょう。どこまで細かく適切なポジションを取り続け、ボールを引き出し、相手を引き寄せられるか。そして、相手のプレッシャーに屈せず、どうボールを展開させられるか。そうしてアンカーが役割を全うしてくれる前提のうえで、ではどうやってボールを前進させるか。この点については、開幕が近づくにつれ「外回し」というキーワードが複数目につくようになりました。こちらの記事でも、東がその点に触れています。

 

https://www.goal.com/jp/ニュース/j1-fctokyo-higashi-abe-interview20220215/blt3601785be02a3d2

 

 誰が幅を取って外回しの潤滑油になるかは、蓋を開けてみないと分かりません。というよりは、試合の中で局面は動き続けるので、プレーモデルとして誰が立つかの優先順位はあるにせよ、正直誰が立ってもチームが回れば問題ないのかなと。

 むしろ見どころは、そうしたミクロな部分ではなく「川崎の中切りプレスを、志向する外回しでもって無効化、悪くても半減化できるか?」というマクロな部分。GK+CB+アンカーが相手を中に寄せたうえで外を使い、相手がそこへ食いついてきたら、食いついて空いたスペースに誰かが入ってボールを受ける。あるいは、無理せず空いている味方につける。これを丁寧にやり続けながら「漸進」していく。ここをチーム全体が共有してプレーできるか否かが大事で、かつ、誤解を恐れずに書けばその精度を私は問いません。開幕戦だからこそ如実に表れるであろうその意識を90分通して示し続けられるかに注目してみたいと思っています。

 

 


 久々に、オフシーズン通して想像・妄想が働きました。まあ率直なところ、しぶとく守ってカウンターにカタルシスを覚える人で、これまではアルベル監督が言うところのポジショナルプレーは、自分の好みの対極にあったものと言えます。また、シーズンが終わる頃に果たして、自分のサッカー観に「ポジショナルプレーもアリだな」と刻まれるかも、今は正直分かりません。

 ただ、せっかく自分が愛するチームが、これまでの自分にないものをもたらしてくれる可能性があるならば、自分もいろいろと学びながら、自分なりに追いかけていけたらと思っています。その先――今年なのか、来年なのか、はたまた次の監督になってからなのか--にリーグ制覇がついてきたら、最高ですね。

 

 


P.S というところまで、実は昨日のうちに書き終わっていたのですが、新型コロナウイルスの影響により、起用できない選手がほどほどいるようで。他のチームも、オミクロン株の感染力の強さに苦慮しているなか、一度まん延しないために歩みを止めた方が…と思う部分もありますが、どのみちいずれは、誰しもが役割を全うできるようになることが理想なので、起用されるチャンスが巡ってきた選手の奮闘に期待します。