続々々・メガネのつぶやき

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2025年3月18日 雑感「放映権」

 ただ今、東京ドームではMLB(一応)開幕戦、ドジャースカブスが行われております。東京ドーム、満員ですね。日本では、大谷 翔平などの活躍もあってMLBの人気がより高まっている印象ですが、本国アメリカでは先月、MLBの放映権に関して重大な決定がなされました。

 

www.mlb.jp

 

 40年近くMLBの放映に携わってきたESPNが、今季限りで「現行の形(=テレビ放映中心)」での契約を終える、しかも2028年まで持っていた権利をESPN側がオプトアウト(契約破棄)する形で終えるとのこと。MLB側は、

我々はESPNと1990年の最初の試合中継から長きにわたって相互に有益なパートナーシップを築いてきました」と述べる一方、「しかし残念ながらESPNは近年、野球の魅力やパフォーマンスに見合わない形で、野球の報道や投資を縮小してきました。

ホームラン・ダービーのようなユニークなイベントの独占放映権を提供していることを考えると、放映権料削減の要求は受け入れられるものではありません。結果として、放映権契約の破棄について相互に合意しました」

 と公式声明を発表。ESPN側に少々の不満を表明した格好です。一方のESPN側も、全米4大スポーツのうちNBA、NFLとの契約にも莫大な費用を投じており、MLB側にさらなる放映権減額を求めていたようですが、これが叶わず。言ってしまえば「コストパフォーマンス」を重視して、オプトアウトを決めたと想像されます。

 もともとアメリカは、日本以上にローカル局の影響が強いと聞きますが、ESPNが来季以降放映から撤退すると、ローカル局へのサブライセンスが減るのかしら?と想像すると、もしかしたら更なる露出減が待っているのかもしれません。球団の経営に関しては・・・教えて、えらい人!

 

 さて、私がここで改めて書くまでもなく、スポーツイベントに関する放映媒体は、テレビ・ラジオからストリーミングサービスに移行しつつあります。件のMLBでも、先のリンク先にあるとおり

Appleは2022年から提供している週2試合の試合中継に1年あたり8500万ドルを支払っているという。また、現地日曜日のデーゲーム1試合を配信しているRokuは1年あたり1000万ドルを支払っているようだ。

このように、MLBの試合中継を行うことに興味を持つプラットフォームは多く、MLB機構はこれまで「ESPN」に提供していたコンテンツを新たなプラットフォームで放送することを検討していくという。

 と、ストリーミングサービスがすでに進出。

 日本でも、プロ野球は広島のホームゲーム以外、サッカーはJリーグ及び日本代表関連の試合を、ストリーミングサービスのDAZNが配信しています。もちろん、テレビ媒体(地上波・BS・CS)が放映を続けてはいますが。

 そして、これまたご存じの方が多いと思いますが、Jリーグはスカパー!時代(年間50億円程度)からDAZN時代(年間180~200億円程度)にプラットフォームを映したことで、放映権料が跳ね上がりました。

 一方、プロ野球の放映権は公開されていませんが、一説によると推定約500億円。また、Jリーグと異なりNPBが一元管理せず、各球団が放映権を管理・販売。一貫性がある方法かと言われれば、多少のクエスチョンがつきます。

 

 いずれにせよ、既存の放映権ビジネス(バブル)はすでに弾けつつあり、これまで以上にストリーミングサービスの参入が想像されます。NBAも、Amazon Prime Videoと11年間にわたる大型契約を結んだと発表されましたし

 一方で、既存のテレビメディアがプッシュ型だとすれば、ストリーミングサービスはプル型。ストリーミングサービスにおいては、視聴者自らがサービスにアクセスし、必要に応じて費用を払い、ようやく見ることができるスタイルです。

 イギリスでは、当国の放送法・通信法(+競争法)において、「文化・メディア・スポーツ大臣は、主要なスポーツイベントを2つのグループにリストアップする役割を担う」そうで。

 

minpo.online

 

 上記リンクにあるとおり、一部のビッグイベントはFTA(無料放送)サービスのファーストカテゴリに当たる事業者(=国民の95%以上が受信できる事業者)が放送する義務があるそうです。

 

 とまあ、スポーツ放送を巡る環境は日々動いているわけですが、一視聴者としてはなるべく簡易に、かつ、低廉な価格で見られるのがベストだと思うわけで。行きすぎた競争の末、この反対に道が伸びているのであれば、ちょっ、待てよ~と言いたい今日この頃です。