続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

バンクーバー五輪1日目、2日目雑感

 一応社会人なので(笑)、全ての競技を見る事ができませんが、見たものを中心に、日々簡単に振りかえっていきたいと思います。なお、全て1日遅れとなる予定なので、あらかじめご了承ください。
 まず見れたものから。いの一番に行われたのがスキージャンプノーマルヒル結果はこちら。金メダルはシモン・アマン(スイス)。2本ともトップのスコアを叩き出す完勝劇でした。特に2本目の108mジャンプは圧巻の一言。飛び出しのタイミング、飛形の美しさ、距離、着地、いずれもが完璧なジャンプで、8年の歳月を経て再び五輪での頂点に返り咲くにふさわしい、説得力十分でした。銀メダルのアダム・マリシュポーランド)は2本とも3位ときっちりまとめた格好。今季はやや不振という印象もありましたが、本番に合わせてきましたね。銅メダルのグレゴリー・シュリーレンツァウアーオーストリア)は1本目7位と出遅れが響いた形。ただ、2本目はシュリーレンツァウアーらしいダイナミックなジャンプが出ていたので、ラージヒルでは依然金メダル候補筆頭と言っていいかと。日本勢は伊東大貴の15位が最高。まあ、もともとノーマルヒルよりラージヒルというタイプばかりが揃っていて、伊東は1本目、葛西は2本目のジャンプが次へ繋がるような内容だったので、ラージヒルでは期待したいですね。ただ、竹内と栃本のフィーリングがよくない感じで、団体はちょっと心配です。オーストリアフィンランドノルウェーの3強に加え、チェコ、ドイツ、スロベニア各国の選手のジャンプが良く見えたので。


 続いてスピードスケート・男子5000m。結果はこちら。金メダルはスベン・クラマー(オランダ)。全種目に出場するシャニー・デービス(アメリカ)との夢のペアリングでしたが、(本職は短距離の)デービスを早々に置き去りにし、解説の白幡圭治さん曰く「いつもに比べて頭が高い滑り(=トップフォームじゃない)」ながらオリンピック記録をマークしての、文句なしの金メダルでした。スタンドに駆け込み、ご両親や恋人と思われる女性と抱き合って喜びを表現していた映像には、素直に感動です。お父さんは号泣だったなぁ。そして、銀メダルはこの距離でアジア勢初のメダリストとなった李承勲(韓国)。一番しんどいと言われる残り5周からグッとラップを上げてきて、その勢いが最後まで衰えなかった素晴らしい滑りでした。銅メダルのイワン・スコブレフ(ロシア)は、W杯では「常に上位入賞するも表彰台は遠い」結果が続いていましたが、見事に本番で表彰台にたどり着きました。最終的に3位の座を争う事になった最終組のハーバート・ボッコ(ノルウェー)の滑りを、正座のような格好で食い入るように見ていた姿はなんとも印象的でした。日本勢は平子裕基が19位、出島成幸が27位。しかし、平子は終盤ラップの落ち込みを最小限に食い止めるしぶとさが見て取れたので、10000mでの上位進出を期待したいですね。


 続いて女子モーグル決勝の結果はこちら。金メダルはハンナ・カーニー(アメリカ)。予選もトップ通過し、決勝もターン、エア、タイム全てのポイントでトップをマークし、銀メダルのジェニファー・ハイル(カナダ)に1.06ポイントもの差をつける圧勝劇でした。敗れたハイルも、地元開催で金メダルを求められたプレッシャーを跳ね除けての銀メダルですから、素直におめでとうですね。シャノン・バーク(アメリカ)は予選6位通過ながら、決勝ではエア、タイムのスコアをグッと上げてきて(特にタイムポイントは0.72のジャンプアップ!)の銅メダル。こちらも説得力十分の3位でした。
 日本期待の上村愛子は、4位。メダルにはあと一歩及びませんでした。長野で7位、ソルトレークで6位、トリノで5位、そしてバンクーバーで4位。この結果に対して、もちろん本人のなかには様々な思いが去来していると思います。あふれる涙を堪えようともせず、それでも笑みを湛えていたあのインタビュー映像は、言葉に言いあわらしようがない感情を湧き起こさせるものでしたし、終わった直後にこのようなエントリを、思いを紡ぐことができる芯のある強さにはただただ頭が下がるばかり。そのなかで、「神様が本当にいるのならば…」みたいなことを口にしたい気持ちもあります。でも、私たちがマスコミ等を通じて知り得た事、そして、決して知り得ない事も含めて、この12年間紆余曲折を経ながら、それでも一つずつ課題を克服して確実に成長してきた事を証明するに足る足跡を残す事はできたのかなと。私たちは、その足跡をある程度共有してここまでこれた事を噛み締めるだけ。だから、惜しかった、悔しい、あと一歩、そんな言葉を言えるのは、上村本人を含めてほんの一握りの方々だけでしょう。そして、私たち一ファンが言えるのは「ありがとう」の一言だけなのかなと思います。同じく日本女子モーグル界を引っ張ってきた里谷多英は、第2エアでバランスを崩して転倒、19位に終わりました。そして、今季を最後に第一線からは退く事も合わせて発表になりました。豪放磊落な性格(と対照的な上村の温和な性格)のため、何かと叩かれたり総スカンを食ったりしてきましたが、長野での金、ソルトレークでの銅で私たちに感動を与えてもらった事もまた、動かしようのない事実。本当にお疲れ様でした。この2人の後を継ぐべく研鑽を重ねている村田愛里咲は8位、伊藤みきは12位と健闘。特に村田は大健闘と言っていいかと。こうやって歴史がつむがれていく、意思が受け継がれていくのは素晴らしき哉。


 その他見ていない協議は簡単に。バイアスロン・女子7.5kmスプリントの鈴木芙由子は44位。ただ、1ペナルティのみでの完走は健闘と言っていいかと。リュージュ・男子1人乗りの小口貴久は1、2本目ともに30位。この競技は世界の壁が高いですなぁ。
 ショートトラックは男子1500mが決勝まで、女子500m、女子3000mリレーは予選が行われました。男子500mの高御堂雄三は5位で予選敗退。藤本貴大は3位で、吉沢純平は5位ながらアドバンス適用(他走者の妨害等により順位を落としたことが認められ、順位を問わず次のラウンドに進出できる事。日本では「救済措置」と呼ばれる)により予選を通過するも、続く準決勝ではともに6位に終わり敗退となりました。なお、決勝の結果はこちらのとおりです。韓国勢はやっぱり強いねぇ。そして、アポロ・アントン・オーノ超懐かしい!女子500mは桜井美馬酒井裕唯ともに予選敗退。桜井のレースは見れたんですが、2回のスタート(1回目は他走者のフライング)ともに反応が遅れ気味だったのが残念でした。そして、密かにメダルの期待もかけていたリレーですが、3位に終わり順位決定戦へ回る事に。無念なり。