続々々・メガネのつぶやき

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08−09 その56 インテル−マンチェスター・U

 セリエAプレミアリーグの頂点にいる両チームの対戦を、まさかベスト16で見ることになるとは…。という若干寂しい気持ちもありつつ、でもやっぱり楽しみの方が断然大きい1戦でした。昨日のうちに再放送で見たんですが、今日付けで。
インテル 0−0 マンチェスター・U
スコア:No GOAL


 まずはホームのインテルから。システムは、すっかり定着した中盤がダイヤモンド型の4−4−2。しかし、サムエルが怪我でベンチにも入れず、コルドバもコンディションが整わなかったのかベンチスタートで、CBはキブとリバスが先発。ただ、公式戦でこのCBコンビを組むのは(確か)今シーズン初めてで、連携の面では不安だなぁ…と思っていたんですが、始まってみたら案の定。細かなラインコントロールや、セットプレー、サイドからのクロスに対するマーキングのズレ(これはチーム全体がそうだったんですが)などでピンチを招くシーンが3、4回あり、この日当たりまくっていたジュリオ・セーザルの好セーブが無ければ早々に試合が決まってもおかしくないところでした。ちょっと、自陣でファウルを与えすぎましたしね。それでも、後半頭にリバス→コルドバの交代を施してからはピンチの数が減ったあたりは、さすがコルドバ、さすがモウリーニョといったところでしょうか。中盤のカンビアッソサネッティは相変わらず素晴らしい守備を見せていたので、2ndレグに向けては、コルドバ、サムエルが無事に使えるかが鍵になりそうです。ブルディッソマテラッツィも…イマイチだしなぁ。
 ただ、攻撃陣はそれ以上に低調なデキ。イブラヒモビッチは意識的に左サイドへ流れて(主に)オシェイとの1対1の状況を作り、そこの勝負で勝つことが多かったことでチャンスメイカーとしての仕事は十分果たしたと思いますが、逆にエリア内に入ることが少なかったせいで、得点の匂いはしなかったかなぁと。アドリアーノもいい形でボールを持つシーンが2、3回あったものの、マン・U守備陣が徹底的に左足を切る守り方をしてきて、そこに完全に屈した形。それでも、2人+ムンタリスタンコビッチがうまく絡んでチャンスを作りはしましたが、トータルではムンタリがプレーの精度を欠き、スタンコビッチフレッチャーとキャリックに完全に押さえ込まれたことで、その形もホントに数える程度。ならば両サイドバックの上がりを期待したいところでしたが、マイコンパク・チソンに押さえ込まれ、サントンはロナウドに押し込まれる時間が長く、これまた効果的な上がりは2、3回あったかどうかぐらい。後半半ばからクルスやバロテッリを入れて勝負に出ましたが、それもいまひとつ効果は薄く、最後までマン・U守備陣をホントに慌てさせたシーンを作れないまま終わってしまいました。ただ、メンバーについてはこれ以上いじりようがないと思うので、モウリーニョがこの1戦を受けて、どうマン・U守備陣にぶつかって行く術を見い出して与えるのか、注目です。


 マンチェスター・U。アウェイだったこと、ヴィディッチが出場停止だったこと、ルーニーを頭から使えなかったことなどを考えれば、上々のスコアレスドロー。もちろん、ジュリオ・セーザルが当たりに当たっていた点は想定外でしょうが、そこは試合が始まってみないと何とも言えませんからね。
 攻守それぞれ見ていくと、攻撃では左で作って右(ロナウド)へ大きく展開し、クロスやシュートに結びつけるシーンが多く見られました。左サイドに人を引き寄せて、作為的にスペースを作ったところにボールを入れてロナウドの個人技を活かすようなやり方だったと思いますが、インテルの中盤左サイドを任されたムンタリのポジショニングがあいまいだったこともあってか思いのほかフリーになることが多かったです。その、「左サイドに人を寄せる」仕事を担ったギグスパク・チソンもさすがでした。ギグスについては、「最終的に左足で来ることが分かっていて、左足を切る守備をされてもなお、左足で仕事ができる」点にいたく感銘をうけました。アドリアーノがそれをできずに存在感が薄れたのとは大違いで、このあたりはさすが歴戦のつわものたるプレーぶりでした。一方守備面では、キャリックフレッチャーのダブルボランチが効きまくり。DFラインと協力してイブラヒモビッチアドリアーノの強力2トップをサンドして潰したかと思えば、ムンタリスタンコビッチを自分たちのところで潰してしまうことで、彼らの持ち味である2列目からの飛び出しを未然に防いでいました。前も後ろも気にしながらプレーするのはもちろん楽ではないと思いますが、90分間ほぼノーミスでやりきったのは素晴らしいの一言。CBコンビや前線にばかり目が行きがちですが、今季のマン・Uの肝はこの2人なのかもしれないですね(並んでプレーすることは少ないですけど)。
 ただ、なんにせよゼロで終わったわけで、オールドトラッフォードでは1点取らなければいけません。ルーニーがフルで使えるようならまた違った色を出せるので、ホーム替わりで有利なことに変わりありませんが、できれば前半のうちに先制してさらに優位に立ちたいところですね。