続々々・メガネのつぶやき

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08−09 その57 レアル・マドリー−リバプール

 瀕死の状態から蘇りつつあるレアル・マドリー。「カップマイスター」のリバプール相手に、更なる復活を叫びたい試合でした。
レアル・マドリー 0−1 リバプール
スコア:82分 Y・ベナユンリバプール


 痛い。面子としては、ベンチにグティも帰ってきて現状考えうるベストメンバー。かたやリバプールは、ジェラードがベンチにこそ戻ってきたもののスタメンにまでは至らず、「ジェラード負傷欠場待望論」(by 木村浩嗣さん)が叶った形。場所はサンチャゴ・ベルナベウ。このシチュエーションでの敗戦は、レアル・マドリーにとっては痛すぎますね。
 とはいえ、試合内容はほぼ互角、個人的にはややレアル・マドリーが優勢かな?という展開でした。レアル・マドリーは右サイドに入った好調のロッベンを中心にゲームを作り、「ロッベンタッチライン沿いから中へカットイン→ガゴ、ラウル、イグアインらにパス→その間に、ロッベンが中に入ったことで空いたスペースにセルヒオ・ラモスが上がってくる→そこにパスが出てサイドからクロス」という流れの攻撃をベースにして、その中でロッベンがインサイドカットからそのままシュートであったり、一発でスルーパスを狙ったりというアクセントもつけながらゴールへと迫っていました。また、ラス・ディアラが守備面で担保になったおかげか、ガゴが非常に積極的に広範囲にわたって動き、セカンドボールを拾って繋げるであったり、ドリブルで持ち上がったりという仕事で、チームに大きく貢献できていたように思います。ただ、サイドからのクロスの制度がいまひとつだったり、リバプールのCB+ダブルボランチの執拗なマークをはがしきれず、十分な体勢でシュートまで持ち込めなかったりで得点を奪うまでには至らず。そこで、後半頭からそんなに悪くなかったマルセロを下げてグティを入れてさらに攻撃の度合いを高めましたが、それでもリバプールの赤い壁を越えることはできず。前半流動的な動きを見せて目立っていたラウルも、グティ投入の絡みで1トップ気味に最前線に張らせたことがマイナスに響き、ほとんどボールに触れなくなったこともあって、結局サンチャゴ・ベルナベウがゴールの歓喜に酔いしれることなく終了しました。
 それだけならまだしも、ゴールの悲劇を味わってしまう始末。まあ、トータルで見れば前線の選手はサボらずにフォアチェックを続け、後ろもペペ、カンナバーロ、ラス・ディアラを中心に堅い守備を見せて、ヒヤッとするシーンは2、3回ほどに抑えていました。あわやのシュートもカシージャスがしっかりとストップしていましたしね。それだけに、失点シーンでのマークミス、もっと言えば、そのセットプレーの起因となったエインセのつまらないファウルはもったいなかったなぁと。
 アンフィールドを攻略することが以下に困難であるかは、もはや私が言うまでもありません。しかも、確実にジェラードはスタメンに戻ってくるでしょう(後半ちょっとだけ出ましたしね)。絶体絶命、退路を断たれた「白い巨人」に反撃の術が残されているか。2ndレグではその意地に期待したいところです。


 リバプール。ジェラード不在で、トーレスも前半のうちに足首を痛めてしまい後半途中で退くことになり、どちらかといえばレアルが数多く攻め立てる展開。その中で、貴重な貴重なアウェイゴールを奪った上に、勝利まで持って帰ることになろうとは…恐れ入りました。
 勝因は間違いなく守備。レアル・マドリーのところでもチラッと書きましたが、好調ロッベンに対してはリエラがしっかりと下がる+ボランチかSBがフォローに入って常に数的優位の形を作って守り、冷や汗を描かされたシーンは後半のミドルシュート1本ぐらいに抑えました。また、ラウルやイグアインがDF−MFの2ラインの間に入ってボールを受けようとするも、スッとマスチェラーノシャビ・アロンソが反応して、CBとサンドする形に持っていくことで被害の拡大を防げていました。さらに、時間を追うごとにF・アウレリオがセルヒオ・ラモスに対してしっかりと守備できるようになると、いよいよレアル・マドリーは攻め手が無くなりジ・エンド、でしたね。攻撃に関しては、前述したとおり途中からキーマン二人が不在となり、レアル・マドリーの激しいプレスに対してロングボールで、というシーンが多かったですが、ある程度主導権を握られて、攻めに窮することは想定の範囲内だったでしょうから、さほど問題ないでしょう。
 普通に考えれば、圧倒的有利な立場で迎えることのできる2ndレグ。一筋縄で行く相手ではないですが、これまでと変わらないサッカーをやりきれば、おのずと結果がついてくる気もします。