続々々・メガネのつぶやき

主にFC東京、サッカー、当たらない競馬予想の3本立て。思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

産みの苦しみ?限界?

 オウンゴールによる失点を跳ね返せず、0-1で敗戦。試合終了を告げるホイッスルを聞いた直後、

 とツイートしたワタクシ。その心は・・・1つ前のエントリで書いた、この夏チームが取り組んだマイナーチェンジ。このチャレンジを、私はそれなりに好意的に捉えていましたけど、それがわずか1試合で閉塞感と言うべきか、停滞感と言うべきか、「ホントにこれ、大丈夫?」に考えが傾いてしまうほどのゲームだったと感じてしまったから。見る目がないと言われれば、返す言葉もありませんが。

 というわけで、そんなゲームの感想や印象を書きながら、久々に少しだけ妄想に筆を走らせてみようと思います。お時間のある方は、お付き合いください。

 

 

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 これは6分、野津田の蹴ったフリーキックをキャッチした林が室屋にすぐさま繋ぐもカウンターに至らず、その後、左にボールが流れたあとの静止画。つまり、室屋は太田よりも高い位置にいる状況で、カウンターからポゼッションに切り替わった場面。

 ご覧のとおり、太田はタッチライン沿いにいて、森重、チャンはいわゆるセンターバックのベースポジションにいます。で、この場面の攻撃はこのまま左サイドに人数をかけて細かく崩そうとするも、簡単なパスミスでボールを失いかけました。

 遅攻時に室屋が高い位置まで出る(+橋本が低め、高萩が高めの位置を取る)のは、シーズン途中から見られるようになったプレー原則の1つ。目線を変えれば、4バックの残り3人は自陣…とは限りませんが、少なくとも最終ラインにいて、ポゼッションの起点になることが多くなります。ただ、上図のように、残る3人の立ち位置が「4バック」のままで、ピッチを広く使えていない場面が少なくありません。

 ここで考えるべきは、この状況が原則もなく、なあなあでポジションを取っているだけなのか、あるいは次の展開、例えばこのまま左サイドに人数をかけて細かい崩しからチャンスを作る、はたまた左に相手を寄せておいてから右へサイドチェンジして…という狙いが原則としてあるのかどうか。

 この目線で試合を眺めていると、「同サイドに人数をかけて攻める」ことについては、「ネガティブトランジション時にそのまま狭いエリアでボールを奪い返す守備」とセットになって行われている印象を受けました。

 それこそ上図のシーン。簡単なパスミスでボールを失い「かけました」と書いたのは、パスミスで一旦は仙台にボールが渡るも、太田が素早い切り替えからボールを奪い返し、再度敵陣での攻撃に繋げたから。このシーンに限らず、同様の狙いは数回見られ、17分の室屋がクロスを上げた場面や、23分のディエゴのシュートシーンは、敵陣でのボール奪取からのショートカウンターでした。

 すべての攻撃でシュートまで至ることは事実上不可能。かつ、今季の東京のストロングは勤勉な守備とショートカウンター。となると、「崩せればベスト、崩せなくても次善策(=早い切り替えからの守備)でベター」を狙うべく、それこそアトレティコ・マドリーが見せるような守備も潜む攻撃を意図してやろうとすることは、十分理解できます。

 また、前半に限れば森重、チャン、太田からサイドチェンジのロングパスが送られることは、ついぞ1度もありませんでした。仙台が5バックを引いていてスライドが間に合ってしまうため、大きな展開に効果を見出していなかったのか、別の理由があったのかは分かりません。ただ、守備も潜む攻撃がメインで、あえて大きな展開を作ってそのバランスを崩すのを嫌がったのだとすれば、この事象も納得しうるでしょう。

 

 しかし、3試合得点を取れていません。しかも、ポゼッションから上手く崩して…というシーンが、ショート・ロングカウンターと比べて多いわけでもありません。そこには「精度不足」と「構造的欠陥」の両方が潜んでいる…というのは言い過ぎでしょうか。

 狭いエリアに人をかけると言うことは、当たり前にテクニック、精度を求められます。けれど、現在の主力にはいわゆる「ボールプレーヤー」が少なく、特にディエゴ、永井、東、大森の前線4人は、別の部分に魅力と特徴がある選手。

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 これは40分のある場面で、太田、東、永井、高萩が狭いエリアに集結して崩そうと試みた起点の静止画ですが、結果は全く崩せる気配を出せないまま、太田がボールロスト。まあ、正直言ってガッカリしたシーンでした。

 この場面を筆頭に、狭い局面を意図的に作るも、自らのショートパスやトラップミスで攻撃が終わる場面が散見されました。いくら守備も潜む攻撃が狙いです!と謳っても、そもそもその攻撃が散発に終わるようでは相手の脅威にはなりきらないですし、見ている側としても気持ちが盛り上がっていきません。

 また、この場面に限って言えば、崩しが始まった段階でエリア内にはディエゴ1人だけ。最終的には大森もディエゴの近くまで寄ってきましたが、クロスを待ってシュートを意識して…という動きには見えませんでした。

 中の人数で言うと、何度か「サイドでボールを持つ⇒相手サイドバックが食いつく⇒空けたスペースにFWが入っていく」流れもありました。中断前にはこうした動きが効果的で、得点に繋がった試合もあったかと思いますが、仙台戦では相手を困らせるまでには至りませんでした。

 では、中断前と今とで何が違ったのか?私は、FWが流れてボールを受けた後、周りの選手が過剰に(過大に)サポートに入りすぎたと考えます。

 相手の裏を取ってスペースにFWが入っていく。そこに相手が対応しようとすると、少なからずどこかの守備バランスが崩れている可能性があり、例えばCBがFWについていったとすれば、中が通常時より手薄になっているわけです。

 なのにその時、周りの選手が相手の薄いところをつくのではなく、相手が最も潰しやすい、ケアしてくるであろうボールサイドに集まりすぎることが、かえって自分たちの攻撃力を減退させることはないでしょうか?今この時、理由や事情はどうあれ「俺たち、カウンターだけじゃないんだよ!」って気持ちだけが先行して、役割を整理しきれず、構造的欠陥が生じていないでしょうか?仙台戦を見て、見返して、そうした気持ちが私の中には芽生えています。

 

 

 さて、ここからは妄想のお時間。1つ前のエントリで、中断明けのディエゴのプレーぶりについて、こんな書き方をしました。

 長谷川監督がシーズンを経るごとにディエゴに対して「思った以上にオールラウンドにプレーできる」と評する機会が増えたかと思いますが、カウンター一辺倒から組み立ても・・・と考えたなか、「高萩の擬似トップ下化」にとどまらず「ディエゴのセカンドトップ化」に活路を見出そうとして長谷川監督がディエゴに要求していると考えるのは、決して無理筋ではないでしょう。 

 ディエゴの動きがゴール方向のみならず、より広範囲になっているのでは?という思いから書いた主観ですが、この試合もディエゴは、下りて受けたりサイドに流れたり、斜めに相手最終ライン裏のスペースを狙ってみたりと流動的でした。

 そんなディエゴの変化を感じながら、先日プレミアリーグトッテナムリバプールを見ていて、「今のリバプールのやり方を東京に当てはめたら、結構面白いんじゃない?」と思ったのが妄想の始まり。

 今のリバプールの特徴を、いくつかのメディアから拝借すると「サラー、マネ、フィルミーノによるコンビネーションアタック」「3センターハーフ流動性」「ゲーゲンプレッシング」などが挙げられるでしょうか。

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 そんなリバプールの特徴を踏まえつつ、今の東京の陣容を見渡した中で、こんな形にしてみたら面白いんじゃないかなと思っているのが上図。

 上図はどちらかというと守備時の立ち位置で、攻撃時には両サイドバックがハーフウェーラインを越え、ビルドアップは両センターバック+3センターハーフの誰かが担当。また、ディエゴは相手のDF-MFライン間で比較的広範囲に動きながら、両ウイングが裏抜け、特にダイアゴナルの動きで最終ラインを破る仕草も交えながら、脚力でシンプルに同サイドを切り裂くことも見据える。そんなイメージでしょうか。

 小川のウイング起用、しかも右サイド。これには異論・反論もあろうかと思いますが、ある程度前線の3人による速攻、あるいはコンビネーションでゴールを狙うにあたり、ディエゴが真ん中にいて流動的に動き、永井は快足を活かして裏を狙い、もう一人は…となった時、意外と適任がいなくて。

 富樫は、私の中ではセカンドトップのイメージが強く、それこそディエゴではなく前田と組んだら良い関係になる…ってのはさておき、3トップのウイングのイメージはなく、前田はもちろん真ん中がベストポジション。東や大森をここで使うのも狙いからはハズレ。彼らと比べれば、平岡や内田を抜擢する手の方がより効果的な気がしますが、縦への推進力があり、切り替えしての左足ドン!のみならず逆足のサイドでも対応できる器用さもあり、守備もある程度こなしてくれる小川が適任かなと思ったり。

 3センターハーフは、まず誰もが両センターバックと協力してビルドアップできる選手を置きつつ、ミルナーのような縦横無尽さを東or大森に求めたいところ。また、今季の橋本なら以前よりアンカー然とした振る舞いもできるかなと思ったり。

 

 

 誇大妄想お終い。ここからはもう少し現実的な妄想を。

 長谷川監督は仙台戦後、多少の人の入れ替えを示唆しましたが、上手くいっていない時、事態を好転させる手は「やり方を変えず人を変える」か「人は変えずやり方を変えるか」のどちらかになるところ。

 後者は今まさに東京が取り組んでいるところですが、結果には繋がらず。また、前者も夏の補強期間はすでに終了しており、人を変えるとしても、今いるスカッドから誰を引っ張り上げる形しかありません。

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 さて、これは仙台戦の32分、敵陣で橋本がボールを奪った流れから生まれた立ち位置で、ここまで散々ブーブー言ってきた中にあって、私が仙台戦で一番良い攻撃だったと思う場面の静止画。

 敵陣でのボール奪取からなので選手の配置はあべこべですが、前線2枚(この時はディエゴと大森)が近い位置にポジションを取り、右の大森が裏抜け、左のディエゴが手前で受ける、それぞれ別のアクションを起こしました。

 ここにズバッとボールが入ればベストですし、無理だとしても手前にいる2枚(この時は高萩と東)が次善策をいつでも打てるところにいるのも好印象。かつ、アウトサイドレーンに両サイドバックがしっかりいて、相手守備陣が中に収縮すれば空いた外のスペースを使える。さらに、変なミスに対しても後方には両センターバック+橋本がいて、カウンターケアはできている。かなり理想的な立ち位置でした。

 これをより、偶発的なものではなくオーガナイズされた状況で作るとした場合、以下のような顔ぶれはどうでしょうか。

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 自陣~ハーフウェー付近は両センターバック+橋本。高萩には2+2の下に位置してコンダクトしてもらいながら、高萩に近い2枚は東or大森とリンスとし、中に絞って相手を収縮させる役割を担ってもらいながら、クローズな場面での足下にも期待する。

 2トップはディエゴと前田とし、相手のセンターバックペナルティエリア幅、もっと言えばゴールエリア幅で釘付けにしながら、ディエゴは裏抜けも狙う。で、中で崩せなかった場合は、アウトサイドレーンを両サイドバックに駆け上がってもらい、クロスを狙う。

 この時大事なのは「アウトサイドレーンは1人だけ!」。もう、とことん1対1でガンガンしかけてもらってクロスを狙い、中はディエゴと前田のターゲット2枚を常に確保。仮に相手が2対1でボールを取りに来れば中がどこか空くので、そこへリターンしてサイド中央突破を狙う。とにかく、2トップの利点である「常にペナルティエリア幅にFWが2枚いる」ことを最大限に活かしながら、攻撃のバリエーションに幅を持たせる狙いがここにはあります。

 守備面も、ネガティブトランジションでは敵陣での即時奪回を試みつつ、叶わなかった際には両サイドバックが脚力を活かして素早く帰陣し、高萩が橋本と同じ高さに戻れれば4-4-2になルことができ、対応は十分に可能だと思います。

 

 もう1つ。

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 これは38分、相手のクリアがタッチラインを割り、チャンが橋本にスローインを入れた後の静止画。

 前半で「室屋が敵陣に入った後の残り3人が『4バック』のままが不満」と書きましたが、この場面は右からチャン、森重、太田としっかり3バック化できていて、残り7人のポジショニングも良かったことで、最終的にはシュートにまで至りました。

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 この場面を踏まえた、私の考える理想形がこちら。永井を前線ではなく左サイドハーフに置き、アウトサイドレーンを担当してもらう。右は室屋の駆け上がり。最終ラインはしっかりと3バック化し、橋本がその前にいて、右サイドハーフの東or田邉(ここは大森じゃなく田邉がベター)が中へ絞り、センターハーフの位置から1つ前に出た高萩と横並び。

 さらに、ディエゴの相棒には富樫を置いて、セカンドトップとしてペナルティエリア幅内で流動的に動いてもらいつつ、ディエゴには基準点としてガンと真ん中にいてもらう。こうして、トライアングルを各所に作りやすい位置を保ちながら、中央突破もサイドアタックも匂わせて、相手の穴を狙っていければ面白いのかなと。

 

 

 チームが新たなことにチャレンジした際、結果がついて来ないことは往々にしてあり、そんな状況を「産みの苦しみ」と見るか、「伸び白がない」と見るかは、その時その状況で変わってきます。

 今夏、マイナーチェンジを試みた東京ですが、冒頭に書いたとおり、仙台戦を見る限り、私はこのままでは「伸び白がない」状況だと感じました。この状況を招いたのは誰あろう長谷川監督であり、選手であり、チームであり。

 けれど、この状況を跳ね返せることができるのもまた、長谷川監督であり、選手であり、チームであり。こんなんでもまだ3位にいることが幸なのか不幸なのかはよく分からなくなってきましたが、バカポジティブに書けば「3位やぞ、今まだ、3位やぞ!」。

 鬱屈した思いを妄想に吐き出しつつ、チームの次なる一手がなんなのかをまた、自分なりに見ていこうと思います。