続々々・メガネのつぶやき

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17年Jリーグ観た記 其の20 J1 G大阪-大宮

 ACLとの並行に(怪我人の多さなどで)苦しみながらもリーグ戦では上位に位置しているG大阪。対して、昨季の躍進が嘘のように大きな、大きな苦しみと戦っている大宮。ACLを控えたフライデーナイトマッチを制したのは。

 

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短評

 立ち上がりは様子見とプレス回避、両方を兼ね備えたロングボールが行き交う展開。ただ、両チームともターゲットマンタイプ(G大阪なら長沢、大宮ならムルジャ)が不在で、流れは生まれず。

 正直、このまま膠着していくか?と思っていたが、試合は徐々に、しかしはっきりとG大阪ペースになっていく。要因は「ボールホルダーへのアプローチ」の差。G大阪はしっかりと相手が嫌がる距離まで詰められていたのに対し、大宮は目方2歩ほど遠く、G大阪の選手にとっては練習時のコーンマーカー程度の存在に映っていたのではないか。

 また、ネガティブトランジションでもG大阪は前向きにプレッシャーをかけられていたが、大宮は良くも悪くもまずブロックを作る意識が強すぎ、かつ、各々が自分の位置にまで戻って満足して、そこからプレッシャーが全くかからない状況が続く。

 結論から言うと、後半の立ち上がり10分ほどを除けば、この状況が1試合通して見られた。そうなると、G大阪レベルの攻撃陣なら崩すことは容易かったか、今季最多6発のゴールショー。5点目の三浦(クロスからヘディング)以外は全て、シュートを放った選手がほぼノープレッシャーで、イメージどおりに撃つことが出来ていたのが象徴的だった。

 「良い守備、良いオーガナイズから効率的な攻撃」で昨季下馬評を覆した大宮だったが、少なくともこの試合ではその良さがすべて雲散霧消。選手個々から迷いというかためらいというか、とにかく瞬間でいい判断が出来ない状況が90分続いていて、見ていて苦しかった。そろそろ「決断」があっても、全く驚かない。

 

MVP:倉田 秋(G大阪)

 センターハーフでコンビを組んだ井手口が縦横無尽にやれたのも、前線の選手が自由奔放にやれたのも、点差が開いたのに雑にならずに90分やることをやり切れたのも、私は全て倉田がしっかりとピッチの中央でチームをコントロール出来ていたからなのかなと感じた。

 正直、いまだにセンターハーフというイメージはないのだが、遠藤不在でも、ターンオーバーしてもこれだけチームが連動性を保てていたのは、倉田がセンターハーフ然とした振る舞いができていたから。走行距離も12kmオーバーで赤崎に続いてチーム2位だったし、恐らくパス成功率も85%以上。1ゴール1アシストと数字も残し、文句のつけようの無い内容だった。

 

MWP:茨田 陽生(大宮)

 とにかくボールが集まらなかった。それは決して、茨田本人だけのせいではないが、とにかくボールが集まらなかった。

 気になったのは、いい位置を取りながらボールが出なかった時。私は、もっと「ボールを俺にくれよ!」とアピールしていいと感じた。移籍1年目でまだまだ言いづらい部分はあるとは思うが、それだけのパスセンスがあるし、中で誰かが相手を寄せられないと、大宮得意のサイドアタックは繰り出せないはず。

 シーズン当初から言われていたが、この試合を見てはっきりと「家長の穴」を埋められていないこと、そして、その影響から来るいろいろなひずみをもはや隠せないでいる状況が見てとれた。解決のためには、茨田や大前がなんとかしなければならない。