続々々・メガネのつぶやき

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長友佑都が特殊な走法を身につけ、「戦えるサイドバック」に変身!−gooスポーツ

 確か達也も走法の改造に取り組んでいたかと思いますけど、こういう一見すると目に見えない(見えづらい)ところを取り上げてくれるコラムは、素晴らしいの一言。
 話し戻して、今回のコラムで一番注目したのはこのくだり。

練習ではもっぱら20m弱の距離をダッシュさせ、走るフォームに神経を使わせた。「足を真下に落とす」イメージを持たせフォーム改造で、20mのタイムもコンマ1秒、コンマ2秒ほど短縮できるようになったのだと土斐崎コーチは言う。
(中略)
この走法に加えて、長友が力を入れているのがバランスの強化である。体幹を使っての開脚、屈伸運動など、日本代表が取り入れる前から、FC東京で取り組んできたことが今、実を結ぼうとしている。オランダ戦の雨が降ったピッチでも、長友は滑らなかった。コンタクトの場面でも、粘っこいキープでボールを簡単に失わなかった。走り方だけでなく、バランスの向上があるからこそ、彼はオランダにもガーナにも、十分に張り合うことができたのではないだろうか。オランダ戦では守備の場面、ペナルティーエリアで体を寄せきれなかったこと、ガーナ戦では簡単にクロスを上げさせてしまったことなど、課題はある。しかし、本大会に期待を持たせるプレー内容であったのは間違いない。
(太字は筆者注)

 個人的に「滑らない」というのは、実は海外のピッチで戦う際(日本でもそうですけど)には必要不可欠なスキルだと思っていて、なぜなら海外の芝は「粘っこくて立っている、しかも長め」というところが多いらしく(短めの芝は維持が大変らしい)、芝が立っているということは、スパイクのポイントが芝を掴みづらくて上滑りしやすいことに加えて、多くの試合で「ピッチに水を撒きまくる」わけで、そうなると余計に滑りやすく、そのコンディションにアジャストできないと何にもできないと思っているから。上滑りするピッチで恐る恐るプレーしちゃうと、普段は使わない筋肉にも余計に負担がかかって、疲労度も増すでしょうしね。
 また、日本人は(勝手なイメージですけど)「胴長短足人種」で、それであれば自ずとバランスが安定するはずなのに、日本人のサッカー選手からはどうしても「腰高で当たり弱い」っていうイメージがまず浮かんでしまうんです。で、「当たりに強い=フィジカル的に強い=筋トレしろ!」ってのも間違いじゃないんでしょうけど、「当たりに強い=バランスに優れている」という発想から、倒れないバランス力を増すほうを見るってことを、もっといろんな選手が、いろんなフィジカルコーチがトライしてほしいんです。その点で東京は、引用した部分にも書いてますし、練習メニュー等が確認できる携帯サイトの「今日のFC東京」を見る限り、今季はバランスボールを使ったトレーニングであったり、体幹を強くするようなトレーニングが増えている印象があって、長友に限らず(勝手なイメージでは)今ちゃん、徳永、ヨネ、梶山、ナオ、平山あたりは格段に「倒れなくなったなぁ」という風にも感じています。てなわけで、これは今後も個人レベル、チームレベルともに継続していってほしいかなと。
 「足を真下に落とす」走り方についても短く。芝を掴むんではなくて地面をかく、ですか。なるほど〜。極論、これだと芝のコンディションはさほど問わないですし(理論値の話ですけど)、真下に叩きつける力の反発力を前への推進力に使えれば、同じパワーを使ってただ単に前に進む(飛ぶ)よりも効率的でしょうからね。
 骨格や関節の作り、可動域、筋力の地の強さなど、サッカーという競技で戦うことにおいて、日本人体格が外国人体格と比べて不利な点は少なくないと聞きます。でも、そこに絶望していてもしょうがないわけで、こういう努力の積み重ねが、いつか世界と伍して戦うために欠かせなかった、というお話になることを願うばかりです。