続々々・メガネのつぶやき

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EURO08グループリーグ グループD スペイン−ロシア

 下馬評どおり、スペインがこのグループの主導権を握るのか、はたまたヒディンク監督が今度はロシアを率いて旋風を巻き起こすのか、注目のグループD開幕戦でした。
スペイン 4−1 ロシア
スコア:20分 D・ビジャ(スペイン)
     45分 D・ビジャ(スペイン)
     75分 D・ビジャ(スペイン)
     86分 R・パヴリュチェンコ(ロシア)
     91分 F・ファブレガス(スペイン)

 勝負はすでに試合前から始まっていましたね。というのも、3−5−2をベースにするロシアが、スペインが4−1−4−1を敷いてくると読んで(もしくは、主力3バックを残る2戦にフルパワーで使いたいがために)4バックにしてきたのに対し、スペインはセスクをベンチに置き、トーレスとビジャの2トップ(ほぼオーソドックスな4−4−2)を選択してくるという読み合いが見られたため。結果としては4−1という大差がついてしまいましたが、こういう「勝負の布陣変更」ってのは、好きですね。
 さて、内容についてですが、序盤はロシアの中盤の密度が濃く、スペインお得意のポゼッションサッカーはあまり機能していたとは言えませんでした。むしろ、守備に回ったときのスペインの中盤の守備がややルーズになり、アンカーに位置していたセマクに結構好き放題パスを配給されていたように見えました。ロシアが惜しかったのは、セマクから上手くサイドにボールが出た後、受けた選手が難しいプレーを選択してしまった点。サイドからのクロスボールに強いとはいえないプジョルマルチェナのCBに対して、上背で勝るロシアはもっとシンプルにクロスを上げてよかったと思うんですけど、変に崩しきろうとしてタッチ数が多くなったところで囲まれて奪われカウンターを浴びてしまった、しかもそれが嫌な時間帯の失点に繋がってしまったのは残念だったなぁと思いますね。後半30分から得点シーンあたりまではそういう攻めで完全に凌駕してゴールまで奪えていたので、なおさらそういう思いはよぎるところです。ただ、正直アルシャヴィン、ポグレブニャクという得点源2枚を欠き、しかも主力DFを半ば温存する形の布陣で臨んだという事を考えれば、この負けもある意味許容範囲、計算内のことなのかなぁと。ヒディンク監督ならありえる話ですよ。なので、次節ギリシャ戦のスタメンがどうなるかは、かなり楽しみです。
 スペイン。立ち上がりこそロシアのプレッシャーに苦しみましたが、効果的な得点の挙げ方で徐々にロシアの戦意を殺ぎ、全体的に見れば目指すところのレベルにあったんじゃないかと思います。中盤で回しているうちにわずかに生まれる裏へ抜けるスペースにトーレス、ビジャが果敢に走りこみ、中盤の選手はそのタイミングにあわせてスルーパスを出すという展開が何度か見られましたが、ビジャはともかくトーレスについてはそういうプレーを意識してやることが大事なのかなぁと思いますね。「スペイン(もちろん代表もそう)のリズムにトーレスは合わない」という意見があり、今日もそういう窮屈そうに見えたシーンは確かにありました。ただ、しっかりと2ゴールに絡む動きがあったり、これまでと比べれば格段に存在感の大きさが感じられたりと、今季リバプールに移籍して成長した部分も見せていました。例えばビジャの代わりにセスクが入って4−1−4−1となり、今日以上にポゼッション重視のサッカーとなった場合にどうなのかという懸念は拭いきれませんが、これまでのように「何もできないまま終わる」ということは、少なくともなさそう。守備陣が耐え切れる展開に持ち込めればかなり面白いのかなぁと思いました。