続々々・メガネのつぶやき

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EURO08グループリーグ グループD ギリシャ−スウェーデン

 前回王者のギリシャが登場。「前回より攻撃的」という前評判に違わぬ試合を見せてくれるのか、それとも超現実路線に変わりは無いのか。そして、スウェーデンはどこまでギリシャの守備を崩せたのか。地味な字面ながら、かなり楽しみにしていた1戦でした。
ギリシャ 0−2 スウェーデン
スコア:67分 Z・イブラヒモビッチスウェーデン
     72分 P・ハンソン(スウェーデン

 この試合は、何よりもまずH・ラーションユングベリに触れないわけにはいかないでしょう。動くラーション(笑)はマンチェスター・U(イングランド)へ3ヶ月レンタルしていたとき以来でしたが、相変わらず自己犠牲は厭わないし、ポジショニングは巧みだし、細かいテクニックもあるし、それでいてコンディションが万全ではなくて余り動けなかった(動かなかった?)イブラヒモビッチの代わりに90分いたるところに走って顔を出して、2得点の起点になっていて。嘘じゃなくて、じんわり目に涙が浮かんでしまうほどのプレーぶりでした。ユングベリラーションほどではなく、またさすがにアーセナル時代の全盛期のような動きとまでとは言いませんが、コンディション不良が伝えられていたのが嘘のような躍動感。この2人が抜け目なく、しかし大胆にギリシャ守備陣を切り裂いた2点目(最終的にゴールはハンソンでしたが)のプレーは、思わず「そこ抜けるか!」と早朝から叫んでしまったほどです。中3日が続く中でどれだけコンディションを維持できるかはかなり不安ですし、ウィルヘルムションがハムストリングをやってしまったのも嫌な材料ですが、ラーションのアシストを得ながらイブラヒモビッチがようやく真価を(ほんの一瞬ですが)見せつけましたし、まだベンチにはリンデロートシェルストレーム、S・ラーション、エルマンダー、ローゼンベリアルベックなど控えているので、選手層的にはそこまで心配する必要はないでしょう。守備陣も、前半は攻勢に晒される場面が多かったですが、集中を切らす場面は少なくおおよそ安定した内容だったかと。個人的に優勝候補の3番手として挙げさせてもらったチームだけに、この好発進は素直に喜びたいなぁと思う次第です。
 ギリシャも敗れはしましたが、戦い方には信念が強く感じられて好感を持ちました。守備時は5−4−1のような形で、3人のセンターバックが中央に密集して堅いブロックを作って攻撃をはね返すという、前回とさほど変わらないどころか、むしろさらに人数かけて守ってるなぁという印象を受けましたが、いざ攻撃に転じたときには両サイドの選手が思い切って高い位置まで上がる3−4−3のような形になって分厚い攻撃を仕掛けるという、前回は全く見られなかったアグレッシブな姿を見せてくれました。残念ながらその攻撃がゴールという結果にまでは至らず、守備陣もイブラヒモビッチのスーパーゴールと、フォーメーションの変更(5−4−1→4−3−3へ。攻撃を加速させる狙いがあったかと。)を伴う交代直後の意思疎通が整っていないときに隙を突かれてしまい2失点は喫しましたが、決して内容的に全く歯が立たなかったわけではなく、少なくとも初戦のロシアぐらいの攻撃陣なら食い止められるはず。そう考えれば、この敗戦がグループリーグ敗退の致命傷にはなり得ず、まだ巻き返しの目はあると見ていますが、果たして。