続々々・メガネのつぶやき

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17年Jリーグ観た記 其の41 J2 長崎-松本

 試合前の順位にこそ多少の差異あれど、ともに連勝中の長崎と松本。3連勝を目指しての試合、勝ち名乗りを上げられたのは。

 

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短評

 試合開始前で気温27.8℃、湿度85%という厳しいコンディションではあったが、互いに試合の立ち上がりからアグレッシブさを見せる。特にボールを失った後の切り替えはともに意識が高く、ピッチのあちこちで1対1のやり合いが見られた。一方、システムが噛み合うミラーゲームとなり、システムのギャップから齟齬が生じる場面は見られない。

 その中で、松本が工藤のテクニックと宮阪のセットプレーを軸として先に主導権を握ったようにも見えたが、長崎もファンマのポストプレーや飯尾の積極性で防戦一方とはならず。30分過ぎからは松本の運動量がやや落ちたことも相まって、ボールをしっかりと保持することが出来る場面もあり、相対的にはまさにイーブンとも言える展開で前半は終了した。

 後半に入ると、じわじわ長崎ペースへ。要因は、長崎が焦れずに長いボール一辺倒にならなかったこと。それが実ったのが57分。長いボールが行ったり来たりした中で差が先がボールを落ち着かせると、自陣からショートパスが3、4本繋がり勢いを持って敵陣に侵入し、田代から飯尾へパス。このボールに対して先に反応した松本の安川が処理を誤ってしまい、飯尾はフリーで前を向くと、エリア外から迷わずシュート。これがネット左隅に突き刺さり、長崎が先制した。

 その後も長崎は丁寧にプレー。これにより松本の各選手が動かされ、かつ試合前に反町監督が気にかけていた「松本にはない気候」がボディーブローのように効いていたのか、70分を過ぎる頃には足が止まってくる。それならばと81分に工藤→パウリーニョの交代から飯田を最前線に上げ、高崎との2トップでパワープレー気味に同点ゴールを狙ったが、長崎の各選手の集中は途切れず。アディショナルタイム5分もしのぎきり、長崎が3連勝を飾った。

 

MVP:飯尾 竜太郎(長崎)

 古巣相手への恩返し、そして長崎が松本に初めて勝利することとなったゴールを決めた点も去ることながら、90分途切れることのない走りっぷり、1対1の粘り強さなど、守備面での貢献度も非常に高かった。

 ゴールが最後まで足を動かしてくれたのか、最後まで足を動かした御褒美がゴールだったのかは見方が分かれるだろうが、いずれにせよ、厳しい気候に負けない見事な躍動ぶりだった。

 

MWP:安川 有(松本)

 ゴールに繋がってしまったキックミス(空振り)も去ることながら、この日は攻撃面での貢献度がほぼゼロ。松本のアタッキングサイドが前半終了時で約70%、試合終了時点でも51.1%と右サイドに攻撃が偏ってしまったのは、チームとしての狙いもあっただろうが、安川が効果的に顔を出せなかった面はあるだろう。60分での交代も、致し方ない。