前節、3-0の快勝劇で3連敗を脱した長崎。かたや、勝ち点を思う以上に積み重ねられていない岡山。夏日のゴールデンウィーク、勝利を手にしたのは。
短評
試合前にはお互い3-4-2-1のミラーゲームも予想されたが、岡山が攻撃時には3-1-4-2、守備時には5-3-2になるような形を採用。長崎がこれに面食らったようには見えなかったが、立ち上がりは岡山が機先を制す展開となった。
しかし19分、田代からロングフィードに反応して裏に抜け出したファンマが相手との球際の攻防を制したのち、右足を振りぬくとボールがネットに突き刺さり、長崎が先制。
間髪入れず21分、ファンマが空中戦後のボールを収め、右サイドにいた澤田へパス。澤田は応対した篠原を振りきり中へクロスを送ると、ファーサイドで中村が合わせ、長崎が追加点を奪う。
その後、長崎は体力面も考慮してか少し重心を下げたことで岡山がボールを握る時間は増えたが、決定機は作れず。長崎がリードして前半を終えた。
後半。渡邊に代わって投入された石毛がいきなりアクセル全開。開始10分で2度のチャンスを掴んで長崎守備陣を脅かしたかと思えば、前半から随所にいいプレーを見せていた大竹もセンスあふれるプレーでゴール前に迫る。対する長崎は前半の後半以上にボールの取りどころが深くなり、カウンターも不発気味。試合の主導権は完全に岡山のものとなる。
しかし、シュートがどうにも決まらず。すると86分にコーナーキックから中村がヘディングシュートを決め、耐えていた長崎がダメ押し。高田明新社長へホームゲーム初勝利をプレゼントする結果に終わった。
MVP:中村 慶太(長崎)
これで先発した5試合全てでゴールを奪うこととなったファンマの活躍ぶりは目立っていたが、試合後に「ファンマの得点が多かった中で、自分は負けず嫌いなので悔しかったし、ここで取れて良かった」と強気に語った中村をMVPに。
先発に起用されて3試合目で、まだ周りとの連携が途上である面は窺えたが、ミスがあってもアグレッシブにやり続けられるメンタリティは好感が持てたし、攻守両面でアグレッシブに動き回りながら2得点をゲット。ゴールはその時々だが、このメンタリティとアグレッシブさをこれからもやり続けられたら、楽しみは増える。
MWP:片山 瑛一(岡山)
このゲームを含めて、11試合9得点と貧打にあえぐ岡山。さらにこの試合では伊藤、赤嶺、豊川といった攻撃の主力級を欠く中、大竹や途中出場の石毛は及第点のパフォーマンスを見せたが、片山は期待に応えられず。
ロングスローで間接的にチャンスに絡む場面はあったが、流れの中では長崎守備陣を上回れず。決してポストプレータイプではないと思うが、それでももう少しボールの収まりどころにはなってほしいし、シュートも不発で、これで今季6試合フル出場となるもいまだノーゴール。奮起が求められる。