続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

超人、かく語りき

 先週の木曜日に発売となったワールドサッカーダイジェストに、元川崎、ヴェルディらで活躍し、現在ポルトに所属しているフッキのインタビューが載ってました。FC東京ファンからすれば、所属したチームがチームだけに、当時は相当嫌な選手ではありましたが、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」というわけではなく、今ではヨーロッパで活躍する姿を楽しみにしているところであります。
 で、海外サッカー専門誌で現地ジャーナリストによるインタビューであるため、内容の8割強はポルトにおける話やセレソンへの憧憬などでしたが、そこは日本雑誌のインタビュー、J時代にも質問は及んでいました。その回答があまりにも正直すぎて印象に残ったので、引用して紹介したいと思います。
 まずはこんな質問と回答。

Q:日本でプレーしていた頃は、どうしてもエゴイスティックなプレーが目立っていたけど、ポルトガルではチームプレーに徹しているね。


A:例えば(07年、08年に在籍した)当時の東京ヴェルディは、チーム自体に戦術がなかったから、僕はドリブルするしかなかった。はじめはこれもサッカーなんだと無理やり自分に言い聞かせていたけど、ポルトに来て改めて、サッカーとはチームスポーツなんだと肌で感実ことができた。
練習でも、単なるボール回しなんていっさいしない。連係プレー、ポジショニング、プレーの精度、状況判断と、ありとあらゆるものを高めるための最新のメニューが組まれている。ここではだれかがサボったら、チームが全く機能しなくなる。そういうサッカーを目指している。言ってみれば、僕のプレーは鏡のようなものかな。ポルト東京ヴェルディのクオリティーの違いが、見事に反映されている。

 「ポルト東京ヴェルディのクオリティーの違い」なんてものは火を見るより明らかなのでそこはいいとして、当時のヴェルディの戦術や練習内容なんて知る由もないので、丸ごと鵜呑みにするのは間違いかもしれませんが、「当時の東京ヴェルディは、チーム自体に戦術がなかった」とはまた大胆な発言だこと(笑)
 続いては、警告のお話。質問と回答は2つ連続でなされていました。

(前段に「改善すべき点は?」との問いに「メンタル」と答えたくだりがあっての)
Q:確かにJリーグ時代から警告や退場は飛びぬけて多かった


A:ただ、話をJリーグに限れば、必ずしも僕だけが悪かったわけじゃない。レフェリーが僕のプレースタイルを理解してくれてなかったのが大きかったんだ。コミュニケーションが足りなかったせいでもあるけど、何か言えば異議とみなされて、イエローカードを頂戴した。相手に激しく当たると、ほとんどのケースでファウルを取られた。僕のフィジカルが強いのと、日本人が華奢なのが、マイナスの方向にばかり作用してしまったんだ。

 続けて、

Q:かなり非難されていたね。


A:まさしく。レフェリー、クラブ、そしてJリーグからも、「そんなに強く当たらないように」と注意されてばかりだったけど、僕にしてみれば極めてノーマルなこと。実際に、ポルトガルではそこまでカードをもらっていないじゃないかと言いたいよ。

 というもの。一言で言えば「J仕様にアジャストできなかった」というお話になるんでしょうけど、「『そんなに強く当たらないように』と注意されてばかりだった」という点は、聞き逃せない点かと。もちろん、フッキが過剰に受け止めている部分はあるんでしょうけど、イタリアから帰ってきた小笠原も「J(アジア)は笛を吹きすぎる」みたいなことを言っていて、この認識はもはや一般ファンにも広がっています。もちろん、Jもただ手をこまねいているばかりではなく、「アクチュアルタイムを増やす」というフレーズの下、ジャッジングの基準を改めようとしていますが、それでもなお「そこは流してもいいだろ〜」とか「笛吹きすぎだろ〜」というレフェリングが多いのもまた事実。奇しくも、欧州セカンドクラスのクラブで主力として活躍する選手となったフッキが正直に吐露したこの問題については、もっともっと全体で考えていかないといけないでしょうね。


 最後に、日本のファンへのメッセージが載っていたので、そちらを書いて終わりにします。

心から愛して止まない日本を離れるのは、僕の本望ではなかった。さまざまなトラブルに巻き込まれて、我慢の限界に達して、もう移籍の選択肢しか残されていなかったんだ。空港に多くのサポーターが見送りに来てくれて、いろんな話をして、プレゼントまでもらえたのは、今でも最高の思い出さ。
日本のクラブがポルトやヨーロッパのクラブのように、真の意味でプロフェッショナルになったとき、僕はまた戻ってくると約束しよう。また近いうちに会えることを祈っている。Bor Sorte(幸運あれ!!!)

 もうここまできたら、セレソン目指してやったれ!