続々々・メガネのつぶやき

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EURO08グループリーグ第2節 グループA スイス−トルコ

 スイスにとっては、ポルトガルが勝利したことで、敗戦=グループリーグ敗退となる大一番。トルコも連敗となれば限りなくグループリーグ通過が厳しくなるだけに、そして、06年ワールドカップ予選で大乱闘を起こした因縁の相手とくれば、お互いにとって絶対に負けられない戦いとなりました。
スイス 1−2 トルコ
スコア:32分 H・ヤキン(スイス)
     57分 セミー(トルコ)
     92分 アルダ(トルコ)


 グループリーグ敗退第1号は、何とホスト国のスイスとなってしまいました。ただ、チェコ戦、そして今日のトルコ戦と、決して力の差を見せ付けられたわけではない敗戦。悔しさが相当募っていることとお察しします。
 しかし、終わって冷静なればなるほど「何で勝てなかったんだ?」と首を傾げたくなるばかりです。攻撃ではフライが靭帯損傷、シュトレラーがでん部負傷とFW2枚を欠く状況ながら、代わりに出場したデルディヨク、ヤキン(ともにトルコ系スイス人)が随所にいいプレーを見せ、そこにインレル(彼もトルコ系)の長短のパス、リヒトシュタイナーベーラミの右サイドコンビのサイドのえぐり&クロスも相まって、結構いい流れだったと思います。特に、前半スコールが降り、ピッチに水溜りが出来るくらいの状態になったときの「極力ドリブルを使わずに、シンプルに縦&裏へのパスで打開する」攻めは、かなり奏功していたかと。惜しむらくは、その中で2点目を奪うチャンスをフイにしたこと。ヤキンがゴール以外に前後半1度ずつあった決定機を決めていれば…と思わず言いたくなってしまうのも仕方ありません。一方の守備陣もピッチのコンディションを考えて、とにかくシンプルにはね返すことに集中し、前半は大きな破綻もありませんでした。ただ、後半になってピッチが急速に回復し(雨が止んだのと、グランドキーパーさんがかなり頑張った模様)、トルコに攻めのリズムが戻ってきたときに耐え切れず失点してしまったのは痛かったですね。それも、オフサイドとラップをかけ損なってのものなので余計に応えたのかなぁと思います。2点目は、最終節がポルトガル相手で、ここで引き分けてしまっては事実上敗退といっていい中で攻めに行った結果、カウンターを受けてしまったものなので、こればっかりはどうしようもないでしょう。冒頭に「力の差を見せつけられたわけではない」と書きましたが、結果的に見れば「したたかさは足りなかった」という点がこの連敗につながったのかなぁと。今日出たメンバーの中で、ベナッリョ、リヒトシュタイナーセンデロスベーラミ、インレル、フェルナンデス、バルネッタフォンランテン、デルディヨクはまだU−25。これから各クラブ(デルディヨク以外は国外組)で経験をしっかりと積んで、またW杯なりEUROに出てこられるよう頑張って欲しいですし、ホスト国の意地に賭けて、最終節でポルトガル(恐らくメンバーは落とすでしょうが)に一泡吹かせて欲しいなぁと願うばかりです。
 トルコ。正直言って前半は完全にピッチにやられたなぁと言う印象。刻一刻と水が溜まっていくなかで、どうしてもドリブルを武器とする選手が多いかつドリブルを多用したせいで、全く試合になっていなかったと。しかし、後半になって雨が完全に止んでボールが走るようになってからは状況一変。主にアルトゥントップトゥンジャイの右サイドを中心にシンプルにボールを回せるようになり、そのおかげで2列目、3列目からのオーバーラップもスムーズになって、攻撃の厚みが増したのかなぁと。最終的にはスイスに助けられた部分もありましたが、それでも勝ちきってしまうあたりには、02年の頃に見られた勝負強さを思い出さずに入られません。次も当然胸突き八丁の1戦に変わりはありませんが、「敗退の危機」から「突破の好機」へガラッとメンタルを変えることが出来るこの勝利は、相当価値があると私は見ています。