続々々・メガネのつぶやき

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07−08 その20 セリエA ミラン−ローマ

 CLでは復調の兆しを見せ始めるも、リーグ戦では思わぬ苦戦を強いられているミラン。ホームに難敵ローマを迎えてのビッグマッチでした。
 試合は、両チームとも非常に素早いパス回しとレベルの高い個人技で、幾度もゴール前まで迫りあうエキサイティングな展開。特にローマはトッティを欠く試合でしたが、不在が逆に功を奏したのか、個々が非常に責任感のある(誰か一人に頼り過ぎない)プレーを見せ続け、ローマが徐々にペースを掴んでいった中で向かえた72分にヴチニッチがゴールを決めローマが先制。続く79分には、エリア内でアンブロジーニデ・ロッシを倒してしまいローマがPKを獲得(アンブロジーニは2枚目のイエローで退場)。これはデ・ロッシがチップキックをミスショットし枠外に外してゴールにはなりませんでしたが、一人少なくなったミランに効果的な反撃はなく、そのまま試合終了。ローマがアウェイでミランを下し、貴重な勝ち点3をアウェイで奪取しました。
 それにしても、ローマの試合は面白いですね。ハズレが無いです。心配された大黒柱トッティやタッデイ、アクイラーニの不在も、これだけの試合を見せられたら、逆にローマというチーム全体の戦術の統一性と個々の能力の高さを証明するための一要因にさえなった気がします。(大分イメージが変わってきたとはいえ)まだまだソリッドな面が色濃いセリエAスクデットを奪えるサッカーかと言われれば、確証を持ってそうとはいえない部分があることも事実だと思いますが、取らせてあげたいと思わせるサッカーであることも事実です。で、個人で一番印象に残ったのはシシーニョ。上がりのタイミング抜群、スピード抜群、クロス、シュートの精度抜群とこの日は文句のつけようがありませんでした。レアル・マドリーでは完全に燻っていましたが、この日の動きこそが本物。ローマはいい買い物しましたね。
 一方のミランですが、セードルフの動きが良くなかったために、前線の動き全体の切れが失われた印象を受けました。しかし、これは裏を返せば、今のミランを象徴する「ツリー型の4−3−2−1」においてはカカ、セードルフの代わりがおらず、彼らがフルに働き続けなければいけないという危険な兆候を改めて知らしめた結果だったのかなと思います。いざとなれば、ノーマルな「4−4−2」を採用して、カカとセードルフを休ませながら併用すればいいのでしょうが、それが出来るのはロナウドの怪我が癒え、アレッシャンドレ・パトが使えるようになる来年1月以降の話。この日の敗戦で首位インテルとはついに11の勝ち点差がついてしまいました。今のこの状況をチーム全体で耐えられないようだと、年内で今季のスクデットは手の届かないものになってしまいそうです。