続々々・メガネのつぶやき

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17年Jリーグ観た記 其の32 J1 鹿島-川崎

 浦和相手に強かに勝ち点3を奪うも、前節ホームで神戸に敗れて首位陥落となった鹿島。一方、ACLも含めた公式戦ここ3試合で9得点無失点、内容も向上が見られる川崎。ACLラウンド16 1stレグを火曜日に控える両チームのフライデーナイトマッチ。上位を維持し、ACLへ弾みをつけたのは。

 

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短評

 いつものごとく、川崎は中村、大島、エドゥアルド・ネットを中心にセンターに相手の意識を集中させつつ上手く外も使って崩しにかかる。鹿島は無理にプレスをかけに行くことはせず、少し待ち構え気味。しかし、自陣にボールが入るとしっかりボールにアプローチし、相手のパスミスなどを誘う。

 そこからのカウンターを狙う鹿島に対し、川崎は何人かの選手のリアクションが鈍く、容易に自陣への侵入を許すシーンが散見。開始19分で3度のチャンスシーンを作る。

 ここまでは「あ、いつもの鹿島対川崎だな」だったが、先制は川崎。相手コーナーキックをしのいだところからのロングカウンター、車屋が巧みに持ち上がり、長谷川へスルーパス。抜け出した長谷川のシュートはクォン・スンテがセーブするが、こぼれ球を阿部が押し込んだ。

 その後も決定機の数では鹿島が上回るが、川崎は粘り強く守りゴールを許さない。すると45分、ほぼ何もないところからパスが繋がり、長谷川がゴールを奪い2-0。この場面、お互いが「もう、1-0でハーフタイム」を許容していた空気だったが、レアンドロが谷口に対して不用意にチェイスをかけ、スペースを空けてしまったところが発信点。あまりにも不用意なプレーだった。

 後半、鹿島はスタートから中村→土居の交代を施し、西・山本の両サイドバックをより高い位置へ上げるリスクを負って攻めにかかる。その効果はてきめんで、後半立ち上がり15分はほぼ川崎陣内でゲームが進む。

 しかし、この日はこんな流れなのか次の1点を奪ったのはまたしても鹿島。プレスをいなした川崎が一気にスピードアップし、数本のパスを経て登里がエリア内に侵入し左足を振り切ると、これが右サイドネットを揺らした。鹿島とすればいい流れの時間帯、かつ、登里に対して小笠原と昌子が寄せていながら決められた、しかも、金崎が交代を待っていたところで突き放される、あまりにも痛い失点となった。

 その後も鹿島は諦めずに攻めるが、どうにもこうにも決まらず。一方、川崎は試合を通してアタッキングサードでの保有率が11パーセント台に収まる「らしくない」展開となりながら、バタバタしていた印象はなく。イメージと真逆の試合をした川崎と、してしまった鹿島。結果も0-3と対照的なものとなった。

 

MVP:チョン ソンリョン(川崎)

 車屋の小憎たらしいまでの安定感というか、目立ちはしないけどいることによるプラスがとんでもない感じも捨てがたいが、無失点で終えられたのは一にも二にもこの男の活躍が大きい。

 先制点は自陣からのロングカウンターだったが、そのきっかけとなったのがチョンのファインセーブ。このシーンを始め、4,5本は今週のトップ5セーブに選ばれてもいいくらい止めに止めたし、そのいずれもが「相手に流れを渡さない」意味を持つセーブとなった。今季ここまでは、中村(柏)、林(東京)、東口(G大阪)、そしてチョンがGK四天王で異論はないだろう。

 

MWP:レアンドロ(鹿島)

 6本シュートを放ち、うち4本が決定機ながらゴールゼロに終わった鈴木やほぼ何も出来ず45分で交代となった中村もここにあげなければいけないと思うが、輪をかけて残念なパフォーマンスだったのがレアンドロ

 試合数が少ないエクスキューズはあるが、どうも他の10人と違うスピード感でプレーしていたというか、ワンテンポ見方と合わない、あるいは1つ持ちすぎてボールロスとするシーンが目立ったし、シュートの精度も今一つ。そして、短評でも触れた2失点目に繋がる稚拙な判断。怪我で交代枠を1枚使わざるを得なかったとはいえ、正直石井監督が何を期待してレアンドロを最後までピッチに残していたか、私には理解できなかった。