続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

17年Jリーグ観た記 其の31 J2 湘南-福岡

 ゴールデンウィークを挟んで4戦負けなし。僅差とはいえ、首位に立つ湘南。迎えるは、ここ6試合4勝1分1敗と勝ち点を伸ばしている3位福岡。平日ながら8,500人あまりが詰め掛けた上位決戦、勝ち名乗りをあげたのは。

 

f:id:re-donald:20170517210715j:plain

 

短評

 前のゲームから全ての練習を非公開としていた湘南。蓋を開けたら、今季初の4バックスタート(4-3-2-1)で、守備ではとにかく前に前に、今風に書けば「パワーフットボール」とも表現できるプレッシングを敢行。そのまま前で奪えればショートカウンターを仕掛け、長いボールを蹴らせるなどして自陣でボールを奪回した際には、良い意味でポジションレスなパスサッカーを展開。福岡は、恐らくスカウティングになかったこの戦いに防戦を強いられる。

 25分を過ぎようとしても、全く試合の流れは変わらず。むしろ湘南がより攻勢を強め、25分から30分の間で立て続けにチャンスを3つ掴むが、いずれも決めきれない。それでも湘南の勢いは衰えず、「福岡は、ハーフタイムでどうやって立て直すか?」に思いがいっていたアディショナルタイム、なんと福岡がセットプレー、ワンチャンスを活かしてジウシーニョが先制ヘッド。1つ前に書いた横浜FM-甲府もそうだったが、極めてポジティブにゲームを進めていた側がリードを許し、前半終了。

 後半。井原監督は前半2シャドーに位置していたジウシーニョ、坂田をサイドハーフとした5-4-1でスペースを消し、人をかけてボールを奪う守り方にスイッチ。50分に山田にきわどいシュートを放たれヒヤリとしたが、徐々に湘南の攻勢を弱めることはできていた。

 すると58分、エリアのやや外でボールを受けた三門が右足を振りぬくと、これがゴール右上に突き刺さり、福岡が次の1点を奪うことに成功。湘南はジネイ、表原を投入し前線の活性化を試みるも、この時にはすでに福岡が守備の安定を得ていて、再度エンジンをふかすことは出来ず。

 一方福岡は両サイドに石津、城後を入れて攻守両面でエネルギーを再注入。87分には駒野のクロスを城後がヘディングで決め、ダメ押し。試合内容とスコアがリンクしたとはとても言えないが、それでも前半の劣勢を我慢しきった福岡に「御褒美」が手渡る結果となった。

 

MVP:杉山 力裕(福岡)

 終わってみれば、湘南はシュート数17本、うち枠内シュートが10本。これだけ撃って無得点に終わったのは、自身のシュート精度不足もあったが、杉山のファインセーブにしてやられた部分もあった。

 適切なポジショニングからの左手一本セーブ&セカンドエフォートの素早さでゴールを許さなかった27分のプレーは、終わってみればジウシーニョの先制点以上に価値を持つものだったし、50分の山田のシュートを防いだ場面も素晴らしかった。

 

MWP:秋元 陽太(湘南)

 片や、福岡はシュート7本、うち枠内シュートが4本。で、3失点。2、3失点目は相手を褒めるしかないものだったが、1失点目は痛恨。飛び出したのであれば触らなければいけない場面だったし、スローで見る限り、ボールの落下点に最短距離で入れていなかった。

 敗戦の一番の要因は、攻撃の選手が決め切れなかったことだと思うが、この失点がなければどう転んだかは分からず。何とかしたかった場面ではあった。