続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

二段ロケット、点火せず

 1つ前のプレビューエントリでも触れた「サイドバックの人選問題」。スタメン表だけ見れば右中村拓、左蓮川と、現状考えられる予想どおりでした。ただ、立ち上がりから10分と経たずに、これまでとは違うやり方をしていることも分かりました。

 

 終わってみれば、この「奇策」ともとれる3(5)バックスタイルは、「プランA」としてアリだったと思います。残念ながら、先制点を与えてしまった時間帯もシチュエーションも最悪だったものの、「引き分けで良いからアウェイゴールを奪ってでホームに帰る」ことがミッションだったとすれば、この時点でまだたじろぐ必要もなかったはず。

 実際、この日一番のパフォーマンスだった渡邊を中心に左サイドは十分に機能。フィッカデンティ監督は試合後「前半苦しんだのはわれわれの右サイドで、そこからのクロスや攻撃に対し、ディフェンスラインのスライドが間に合わずに苦戦した」と語っていましたが、何度かアウェイゴールをもぎ取るチャンスは作れていました。前半は結局1-0で終わりましたが、それほど悲観する内容ではなかったと感じています。

 

 後半。55分に両チームが同時に2枚替えを施しましたが、ここが今日のキーポイントだったのかなと。

 名古屋はこの交代と同時に木本をセンターハーフから最終ラインに下げ、守備時は5-4-1でさらに構える「プランB」を示した一方、東京は同ポジションの交代、しかも、単純にウヴィニ、三田が長谷川監督の期待に応えうるパフォーマンスを見せられなかったことによる「プランAの継続」にとどまりました。

 この互いの一手により、名古屋はより守備の意識を高め、ややカウンター寄りにシフトしたことで、東京が前半以上にボールを保持する展開に。しかし、東京の3バック+青木によるボール回しにはスムーズさを感じられず、中村拓も川崎戦のようなプレーを繰り出せず。渡邊も前半よりは弾けられず、次第に、東京の攻撃は停滞させられたと言っていいでしょう。

 

 ちょっと蛇足。中村拓がこの試合で川崎戦ほどのパフォーマンスを出せなかったのは、私は「受ける位置と身体の向き」によるところが大きかった印象。川崎戦はプレスで押し込まれることも織り込み、「自陣で前向きにボールをもらう」ことを自身も周りも意識し、実行に移せていたことが良かった。けれど、この試合では3(5)バックシステムを採用したことで必然的に受ける位置が高くなった。こうなるとボールは自分の斜め左後ろから、それなりの角度がついて出てくるし、相手守備者との間合いが自然と近くなる。結果、ボールを後ろ向きにしかトラップできず、川崎戦で見せた「斜め前、一つ奥へのパス」を出せる体勢に持っていくこと自体が難しかった。私は、こういう理解です。

 

 話戻って。件の交代から10分経ち、東京が次に打った手は疲労が目に見えた感じられたディエゴ→田川の交代。これはそうでしょうね、で終わりですが、この時間帯はほぼ「ボールを持っていた」のではなく「ボールを持たされていた」流れになっていた印象。ならば、ここで同時に青木→品田or髙萩という手を打ち、ボール保持にポジティブな要素をもたらすことにチャレンジしてほしかったのが正直なところ。もっと言えば、果たして「60~70分に1点リードされている際のプランB」がチームにあったのか?という視点をぶつけたくなる交代でもありました。

 69分の2失点目。このながれならば必然・・・と言うのはさすがに度が過ぎますが、失点につながったセットプレーを与えた場面は、自陣でのボール回しが完全に名古屋のプレスにはまってしまい、最終的に蓮川が無理をさせられたもの。これを「蓮川の判断ミスだ!」と個人に押し付けてしまうのは簡単ですが、私はそう思っていなくて、恐れずに書けば、長谷川体制4年間でずっと燻ぶっていた「課題」が、あまりにも明確に結果となって現れてしまった場面だったのかな?感じています。

 

 終わってみれば、3-1。2ndレグでは「2-0での勝利」がミッションとなりました。1点は獲れると思っています。ただ、名古屋から2点もぎ取るのは、相当な難易度。長谷川監督には複数の試合展開を想定した「プランB」「プランC」まで求められる局面となりました。

 でも、諦めたらそこで試合終了。使える手駒はさらに限られてしまったかもしれませんが、「2点リードしているチームは、1点取られたら急に慌てがち♪」という格言とも迷信とも取れるサッカーあるあるが味スタで見られることを、今はただただ期待しています。久々にスタジアム行くから、マジで良い試合をよろしくお願いします!

 

 2ndレグのプレビューエントリを書くかは…明日の自分次第。