続々々・メガネのつぶやき

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17年Jリーグ観た記 其の5 J2 京都-山形

 1つ前に観た記を挙げた横浜FC、松本は、先日アップしましたJ2順位予想でそれぞれ4位、1位とした両チームでしたが、同じく2位、3位に予想した京都-山形が開幕でぶつかったので、これは見てみようというチョイスです。

 

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短評

 ともに3-4-3を採用したミラーゲーム。立ち上がりこそ京都がスムーズだったが、10分を過ぎるころには山形も繋げるように。しかし、そこから一気にこう着状態へ。

 要因としては、京都の3バックに対して山形の1トップ2シャドーが積極的にアタックし、精度の低いロングボールを蹴らせることで京都は攻撃のリズムを失い、一方山形はプレスが来る前に長めのボールかサイドに出して攻撃を試みるも、こちらも精度が上がらず攻撃が単発になったため。と同時に、両チームともセンターハーフが全くと言っていいほどボールを受けられず、引き出せず。

 ここを上手く使えたほうが先に優位に立ちそうだな…と感じていた頃に生まれた先制点。自陣でのルーズボールを茂木が拾うと、テンポ良く風間→本田と繋がり、本田が素晴らしいロングボールを(山形から見て)左オープンスペースへ送ると、これを受けた瀬川は冷静にルックアップし、ファーサイドでフリーになっていた瀬沼へドンピシャクロス。これを瀬沼がしっかりとヘディングで流し込んだ。ちなみに、瀬沼のユニフォームネームは「SENU」。せぬ!

 後半。京都は引き続きサイド攻撃に活路を見出そうとし、シュートに持ち込む場面はあったが、枠には飛ばず。すると、ウイングバックが戻りきれずポッカリ空き始めてきた3バックの両脇のスペースを山形は見逃さず、南が独走ドリブルでエリア内に入ると、対峙した闘莉王が倒してしまいPK。これを鈴木が決めて0-2。

 この2点目で「あぁ、勝負あったな」と思いましたが、その流れを変えたのは、失点直後に投入されたルーキー・仙頭。ほとんど何も出来なかったハ・ソンミンに代わってセンターハーフのポジションに入ると、積極的にボールを引き出し、受けて叩いてを繰り返してボールが中・外をバランスよく走り始めると、京都がじわじわ押し返す展開に。

 ただ、この日はクロスの精度が低く、思わずため息が漏れてしまうボールも散見され、時折それなりのクロスが入るも、山形守備陣が競り負けず。90分に途中出場コンビとなった岩崎のクロス→ケヴィン・オリスのヘディングで一矢は報いたが、反撃もここまで。山形が冷静にしのぎきり、見事開幕戦を勝利で飾った。

 

MVP:瀬沼 優司(山形)

 今季から指揮を取る木山監督は、昨季まで指揮を執っていた愛媛からGK児玉、DF茂木(浦和からのレンタル)、FW阪野(浦和からの完全移籍)、そして瀬沼の4人を獲得し、4人ともスタメンフル出場で勝利に貢献したが、最も目立っていたのがSENUこと瀬沼。

 試合序盤は大人しかったが、京都が徐々にスペースを空け始めると、水を得た魚のごとく走りまくり。得点シーンも4、50mは爆走していたし、その他カウンター気味のシーンでも疾走していたし、守備に戻るスプリントも惜しまず。J2なのでトラッキングデータは出ないが、相当走ったと思われる。

 昨季、自身初の二桁得点で開花の兆しを見せたが、今季北の大地でもう一つステップアップしても驚かないし、それが出来れば山形の躍進も期待できる。

 

MWP:エスクデロ 蹴飛王(京都)

 ハ・ソンミン、吉野の両センターハーフ(特にハ)も全く物足りないパフォーマンスだったが、期待値も含めればこの日のMWPはエスクデロ

 もちろん、攻撃が「最終ラインから裏抜けした大黒へ」か「サイドに展開してクロス」の2つに集約されてしまい、エスクデロはそのどちらでも仕事しづらかった面はエクスキューズとしてあげられるが、単純にボールが足についておらず、ドリブルもパスも今一つ。

 それでいて、なかなかボールに触れないためか頻繁にセンターハーフの位置まで下りていくも、次のアイデアがあるわけでもなく。布部監督がエスクデロに何をさせたいかも全く見えなかったし、とにかくこの日は煮詰まっていなかった戦術の中に埋没したままだった。