続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

「惜しい」なんて、もういらない。チーム全員の力で掴もう、タイトルを。

 トップチームがあれやこれやしている今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。篠田体制初戦を辛くも、しかし、意味のある勝ち方で終えられることができてホッとしているところですが、そんな最中、U-18は夏のカップ戦「日本クラブユース選手権(U-18)大会」を戦っています。

 7日間で最大6試合というとんでもないスケジュールのインターハイに比べればいささかマシな気もしますが、この大会も優勝のためには11日間で7試合を勝ち抜く必要があるタフなレギュレーション。しかし、U-18の面々は、本日の準決勝まで見事に駆け抜け、ファイナリストへと堂々名乗りを上げました。

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 試合の詳細は、オフィシャルサイトと可楽blog@Kulkarakuさんのテキストエントリをご参照いただけると幸いです。

 

 今季U-18は、多分にJ3(U-23)の影響を受けるシーズンとなりました。3年生のほぼ全員が2種登録され、次々とプレー。6岡崎慎にいたっては、プレーの場のほとんどをJ3に移しています。

 今大会も例外ではなく、J3第18節の翌日に行われたグループリーグ第1節甲府U-18戦、J3第19節と同日開催となった準々決勝横浜FCユース戦で6岡崎はプレーせず、初戦は4鈴木喜丈もプレーできませんでした。また準々決勝終了後、選手たちはすぐに西が丘へ移動し、その日のJ3で6岡崎、10松岡瑠夢、18鈴木郁也がスタメンで、7生地慶充、11半谷陽介、14内田宅哉が途中出場でそれぞれプレーしました。

 正直、疲労や怪我のリスクは心配になるレベルではあります。しかし、そのマイナスを補って余りあるほど、J3を経験した3年生のたくましさ、頼もしさはチームにプラスをもたらしていると感じています。また5蓮川壮大は、6岡崎のJ3での活躍をどう見ているか分かりませんが、守りの要として、キャプテンとして、その立ち居振る舞いに風格が出てきました。8伊藤純也もJ3でのプレーを機に一皮向けた一人でしょうし、

 

 また、影響を受けたのは3年生だけではありません。3年生がJ3でプレーするということは、(ほぼ)同日開催となるプレミアリーグで下級生がプレーする機会を得られることとなります。そこで頭角を現してきたのが、2坂口祥尉、12小林真鷹、24荒川滉貴、41久保建英、42平川怜あたり(27岡庭愁人はJ3がなくてもスタメン張ってたと思うので割愛で(笑))。

 2坂口は5蓮川の相棒として、6岡崎がいればサイドバックとして堂々とプレー。また、準々決勝の横浜FCユースで勝利した後に親御さんやファンの前で勝ち名乗りを上げた際、いつもは1波多野豪が1人だけ「ポーズ」を取ってみせるのに、この日は2坂口も熱い熱い「ポーズ」を見せてくれたました。だいぶビックリしましたけど、このメンタル、嫌いじゃありません。

 12小林はグループリーグ第2、3節でスタメンとしてプレー。第3節神戸U-18戦を見に行きまして、その試合では全体的にいいプレーだったと言い難い部分もありましたが、守備で頑張れるところや、センターハーフのポジションにとどまらない攻撃での動きなどでらしさも見られました。

 24荒川は6岡崎がJ3へ出て、2坂口がCBとしてプレーすることにより空いたSBの座を、プレミアの段階からガッチリ掴みました。U-15深川時代は前目でプレーしていたようで、チャントには「ゲットゴール、アーラコー!」なんて言葉もありまして。そしたら、準々決勝では先制点をゲットゴール!試合後には、ゲキサカさんでピックアップまでされました。

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 41久保は今日も同点となるフリーキックを叩き込んだようで、これで6試合全て途中出場ながら脅威の大会5得点。とかく注目され、本人がどこまで外野の声を意識しているかは分かりませんが、まあ贔屓目抜きに上手いですよ。ドリブル時にボールが足から離れませんし、囲まれても慌てませんし、キックも正確。疲れてきた後半に入れられたら、そりゃあ相手はいやでしょう(苦笑)

 そして、42平川。私は彼のプレーをほぼ見たことがありませんでしたが、準々決勝でのプレーぶりは、強烈の一言。41久保とはまた違う種類の落ち着きというか、FWとして前に前に勝負できる41久保とは違い、42平川はセンターハーフとして360度気にしてプレーする必要がありますが、とにかく周りがよく見えていて、ボールが来たファーストプレーのチョイス、精度が抜群。

 よく日本ではヒールキックやルーレット、足裏を使ったプレーをして、それがミスになったりすると「ほれ見たことか!」的なリアクションをすることが散見されますが、本当にテクニックに自身があり、アイデアが豊富な選手にとっては、そういった「魅せる」プレーすらも「選択肢の一つ」なんですよね、きっと。周りは「ほえー!」と思って見ていても、本人に取ったら普通だったりするんでしょうね、きっと。そう思わせてくれるのが、41久保であり、42平川なのかなと。

 

 ただ、当然1年生の42平川、中学3年生の41久保、あるいは今大会出番を得ている19吹野竜司や20品田愛斗らがいきなり(いわゆる)Aチームにがっつり絡んでいたわけではありません。彼らはU-18が戦うもう一つの舞台、高円宮杯U-18サッカーリーグ2016東京1部(通称T1リーグ:http://www.tleague-u18.com/)で研鑽を積んできました。

 「(いわゆる)Bチームにも公式戦の場を与えたい」というクラブの判断のもと、12年に地区トップリーグに参戦し、そこから年々ステップアップして、今季はついに東京都内でのトップカテゴリーとなるT1でBチームは戦っています。そこで現在、東京U-18Bチームは堂々の首位(試合数が異なるので暫定ですが)。この経験は確実にプラスに働いているでしょうし、佐藤監督以下スタッフ陣も、公式戦でやれていると判断したからこそ、起用にブレも不安も感じずやれているのかなと。

 こうしてプレミアで、J3で、T1で、それぞれがそれぞれの立場で東京U-18のためにプレーすることで、チーム力は過去にも増して高いと感じることができています。全員が全員、等しくプレーできているわけではありませんし、裏の部分は私なんか知る由もありませんが、それでも全員がしっかりと同じ方向を向けていると感じることができています。

 

 思い起こせば、クラ選は一昨年準優勝。また、冬のJユースカップでは昨年、一昨年と連続ベスト4。今の3年生は、U-18でのタイトルにあと一歩届かない経験を3度味わってきました。もっと遡れば、U-15深川出身の5蓮川、6岡崎、11半谷、14内田、18鈴木(郁)は、中学3年生の時(13年)にクラ選U-15で決勝に進出しましたが、そこでも準優勝に終わりました。彼らにとって、もう「惜しい」はいらないはず。彼らにとっては、もう掴むのは「優勝カップ」しかありません。

 一方、U-15むさし出身の1波多野、3高橋海人、4鈴木(喜)、7生地、8伊藤、10松岡にとっても、リーグ戦での優勝こそ経験はありますが、カップ戦は忸怩たる思いを味わい続けてきた舞台。また、41久保、42平川は昨年のクラ選U-15がこれまた準優勝。特に41平川は試合中の負傷により最後まで戦えなかった悔しさも残っているはずで、カップファイナルに賭ける意気込みは、私が思っている何倍も秘めているかもしれません。

 クラブとしても、クラ選のタイトル戴冠は8年前まで遡るわけで、09年、14年と2度準優勝に終わったリベンジ、3度目の正直を狙う試合となります。相手は清水ユース。プレミアリーグ開幕戦で0-1と敗れていて、これまたリベンジマッチとなりました。

 育成年代において、勝ち負けそのものがどれほどのウェイトを占めるのか?それは様々な意見があるでしょう。ただ、明後日の決勝戦は、展開がどうであれ、内容がどうであれ、私は「勝つことにだけ、価値がある」試合だと言い切っていいと思います。過去の経験を活かし、過去の悔しさを払拭し、今年のクラ選のカップを未来へと繋げる大きな大きなマイルストーンにするべく。

 いつ勝つの、今でしょ!