続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

今更ながら、無知を恥じながら その1

 久々にユースのことも書いてみようと思い立ったはいいけれど、意外と何書きましょうかね?と悩んでしまったので、ここで思い切って&スーパー遅いけど、今年のU−18所属選手について「俺の短評」をつらつら書いてみたいと思います。一応、プリンスリーグ2試合(対八千代高校、横浜F・マリノスユース戦)、高円宮杯U−18東京3部(通称「T3リーグ」)、八千代高校とのB戦、都合4試合を見て、ほとんどの選手のプレーを見ることができたので。もちろん、ワタクシの主観でしかないので、「うん、そうだよね」と納得していただくもよし、「いやー、それは違うでしょ」と異論を唱えるもよし、「えーと、分かんないから一度見に行ってみるか!」と思い立つもよし(むしろ、ここに期待w)、それぞれの捉え方をしていただければ幸いです。紹介は背番号順で、オフィシャルでの選手紹介ともかぶるところはありますが、合わせてお読みいただければこれ幸い。


1 GK 大野 遥河
 昨年、一時期(当時3年生の)馬場を抑えて正GKとしてプレーした大野。終盤戦に相手との接触ですねに大きな怪我を負い、現在も復帰に向けてリハビリを続けているところですが、すでにボールは蹴り始めている様子。足下の技術はプロ選手顔負けのものがあり、相手のプレッシングもマタドールのようにいなせてしまえる冷静さと状況判断力も兼ね備えていて、まさにビルドアップの肝として振る舞える選手。現代のGKとしては上背がさほどあるわけではなく、ハイボールへの対応は今後更に磨いていかなければいけない課題と思いますが、自身の為に、下級生の成長のために、一日も早い復帰が待たれます。


2 DF 大西 拓真
 2年生ながら1ケタの背番号を背負うのが大西。決して大きい選手ではありませんが、落下地点へスッと入り込む早さ、目測の正確さは目を見張るものがあり、そのアドバンテージを活かして相手より一歩早くジャンプしてしっかりヘディングで跳ね返せる強さは魅力的。もちろん、セットプレー時にもその強さは味方に勇気を与えます。ビルドアップの際に判断が遅くなり、ある程度コースを消されただけでやや詰まってしまうところは今のU−18が志向するサッカーにおいては要改善ですが、大西の場合はストロングをとことん磨く手もあるか?と思ったりしています。なお、大西も現在怪我で戦線離脱中(腰痛とか)。怪我人多いわ!


3 DF 五勝出 竣仁
 今年のキャプテンで在らせられる五勝出。まだU−18が今のスタイルになる前=1年生の頃からビルドアップ時の冷静さ、判断の良さ、フィードの精度はチーム内でも群を抜いており、その良さはここに来てさらに一つステップアップした印象。それこそ、ボールの持ち方や半身の体勢から縦へ鋭いボールを出す様は、トップチームの背番号3にそっくり。パートナーを組むことが多い大西や柳澤が「チャレンジタイプ」で、自身は現状「カバータイプ」として上手く守備できていますが、カウンターなどで晒された際にもう少し1対1の強さを出せればより良いかな?と見ていますが、低い位置から作り始める際の強烈な起点として、チームを束ねるキャプテンとして、よりトップチームの背番号3に近づけるよう期待しています。


4 DF 柳澤 優芽
 2年生の時からこつこつ出番を得ていましたが怪我に悩まされる日々も多く、今年もプリンスリーグスタート時は不在でしたが、先週の横浜F・マリノス戦で復帰した柳澤。自分の間合いで相手と対峙した際には早々振り切られることがなく、一見ひょろっとしていながら身体をぶつけて粘り強く対応できる選手。また、実は密かにヘディングも強く、割とセットプレーからゴールも決められます。時折ボールホルダーにアタックするのか、ステイしてスペースを消すのかの判断に遅さや迷いを見せることがあり*1、攻撃時も「右利きの左CB」が故に求められる対角(左側から右側)へのフィードに正確さがもう少し欲しい気はしますが、大西とは種が異なるチャレンジタイプとして頑張ってほしいです。


5 DF 鴨池 陽希
 川上とともにしばしばトップチームのキャンプ、練習試合に呼ばれ、U−16、17、18各年代の代表(候補)にも名を連ねる、今後を嘱望されている鴨池。実は、いまだにどこが適正(本職)ポジションなのか分かっていないんですが(私が)、それでもどこをやらせても器用に及第点以上を出せるユーティリティさはチームにとって大きな武器。とりあえず今は左SBをやることが多いですが、SBをやっている時のオーバーラップの迫力、スピード感は見ていて清々しいものがあります。これまた怪我しがちで、横浜戦も割と早々に足(もも裏)が攣ってしまって交代するなど耐久性に課題を持っていますが、出場している時の彼のサイドの安定感は太鼓判を押せますね。


6 MF 輪笠 祐士
 1、2年時はなかなか出番を得られずに苦しんだ輪笠。しかし、今年3月末のスペイン遠征(ビジャレアル・イエローカップ)でボランチとして全試合に出場して見事MVPに選ばれると、その勢いのままここまでプリンスリーグ全試合でスタメンを張るなど、徐々に欠かせぬピースとして存在感を示しています。とにかくこまめに動いてボールを引き出せて、しっかりと前を向けて上下左右に散らすことができる堅実さは、まさにボランチ(=ハンドル、舵)という言葉がしっくり来るところ。けれど小さくまとまらず、飛び出していく時は思い切りを出せて、一仕事して帰ってこられる点も好印象。守備でも危ないところを嗅ぎ取る力は悪くありませんが、そこで取りきれる身体の強さや相手とのぶつかり方には成長の余地を残していて、最終ライン一つ手前のスイーパー役としての彼も見たいかな?と思っています。


7 DF 青木 啓輔
 「ザ・サイドプレーヤー」とでも銘打ちたいプレーを見せてくれるのが青木。SHでもSBでも、とにかくタッチライン沿いを疾走する彼の気風の良さは、是非とも現場で体感してほしいなぁと。もちろんサイドでただ走っているわけではなく、チェンジオブペースで相手を揺さぶる、あるいは思い切った角度からのカットインで相手守備陣を切り裂く能力を備えていて、抑えづらい選手という印象も受けます。守備でも味方のサポートを怠らず、豊富な運動量で長い距離追いかけられる点が持ち味。ただ、彼も現在怪我で離脱中(苦笑)。というか、彼に関しては気がついたら「あれ?またいない…怪我かよ!」のパターンが多すぎない?とも。求む、優秀なドクター!(違う


8 MF 伊藤 裕也
 第一印象、地味と言えば地味な感じもするのが伊藤。ただ、試合中彼だけにフォーカスして数分間見てあげてください。すると、彼がいかに巧みなオフ・ザ・ボールの動きでチームメイトを助けているか、オン・ザ・ボールでも冷静沈着にボールを扱えているか、あるいは守備時に献身的に動いているかがはっきりくっきり分かりますから。反面、動きの量で勝負するタイプではないので、試合展開や流れによってはそこに埋没してしまうこともしばしばありますが、そこを求めるのは酷。とにかくIQの高い選手で、チームにこういうタイプの選手がいるのは、相手にとっては地味に嫌だろうなぁと思わせてくれます。


9 FW 岸 寛太
 1、2年生時の「突貫ボーイ」というイメージから、いよいよ「ストライカー」へと変貌を遂げつつある岸。もちろん、今だって一番の武器はDFラインの裏に抜け出す初速の速さと、DFラインを置き去りにするスピードの持続性ですが、スピードを活かさずともいい位置を取れるポジショニングだとか、クロスボールへの入り方だとか、シュート時の落ち着きだとか、点を取るためのスキルに格段の進歩が見て取れるようになりました。事実、目下プリンスリーグ得点王(7点)。相手を背負った際のプレーも依然と比べれば月とすっぽんで、身体も芯が太くなった印象。守備も献身的にこなせて、スタミナも豊富。私は現状課題らしい課題を見出せないぐらい、高いレベルにきていると思っています。


10 MF 川上 翔平
 今年の10番を背負うのは、「レーザービーム」を自在に操る川上。鴨池同様各年代の代表(候補)に選ばれ、春季キャンプや練習試合でトップのレベルを体感済み。ボランチの位置から素晴らしいフィード、サイドチェンジを繰り出せる選手はこれまでもたくさん出ていますが、彼のようにワンステップで、低くて重い球筋のボールを、(テニス風に言うと)クロスでも逆クロスでも対角に出せる選手はそんなにはいないのかなと。もちろん、FKもすんげぇの蹴りますよ。守備面も重心の低さを活かした身体の入れ方で相手を吹っ飛ばせる力強さがあり、活動量・範囲もまずまず。(私は見ていませんが)横浜FC戦では誰しもが納得せざるを得ないファウルで2枚目のイエローをもらい退場するなど、やりすぎるのが玉に瑕ですが、それぐらいアグレッシブにやってくれた方が良いかなと。今季昇格するとしたら彼か?という声も一部であるみたいなので、先物買いしてみはどうでしょう?


11 FW 矢島 輝一
 東京U−18がこれまでセレクトしてきたFWとは、やや一線を画すタイプなのが矢島。というのも、185cmと上背があり、しかも形容するなら「スラッとした」体形で、一旦覚えれば遠めに見ても誰が矢島かはっきりわかるほど。プレースタイルもそんな体形よろしくポストプレーやクロスへの飛び込みが多いわけですが、2年生の夏ごろまでは明らかに持て余していた印象が強く、とにかくもったいないなぁ…と思うことがしばしばでした。しかし、秋口になって突然(もちろん、本人の不断の努力の賜物ですが)自分の身体の幅や深さを知って、その体躯を余すことなく使いこなせるようになり、前線で起点になるとともに得点も量産しました。まだ決定機であとちょっとの落ち着きが足りなかったり、その体形が故に腰痛と戦わなければいけなかったりする点はありますが(何人目か数えたくもないけど、彼も離脱中)、プレミア昇格のためには彼の存在は必須だと思っています。声も良く出ますしね。


12 DF 田宮 碧人
 青木と並ぶ、もう一人の「ザ・サイドプレーヤー」とも言えるのが田宮。U−15むさし時代には3トップのウイングをやっていた記憶がありますし、U−18でも左SH、左SB、試合展開によっては右SB(しかも、左SHからスタートして右SBにポジションを変える、なんてこと)もやるほど、サイドならどこでも何でもやれてしまうのが彼。もっと、自分によこせ!という意思が見て取れるアクションを覚える必要はあるのかな?と思いますが、(SBだった場合)上がって一仕事終えて戻ってこられるスキルは持っていますし、守備でも非常に献身的なところを見せてくれます。個人的には怪我人等々いてもSBに固定すべきだと思いますが…いかがでしょう?


13 DF 山岸 瑠
 現チームの中で、今ひとつポジションが決まりきらないのが左SB。で、そのスタメン候補の1人なのが山岸。左右両足を器用に使えてしっかりビルドアップに絡むことができ、守備の粘り強さもあって、逆のSBが攻撃に出ればステイして後ろのバランスを保ち、自分が出て行くべきところでは躊躇なく上がっていける戦況判断の良さも見て取れます。純粋なスピード勝負、あるいはフィジカル勝負を挑まれた際に苦しむ場面が見られますが、試合中におい!と言いたくなるような凡プレーは少なく、スタメンでもベンチからでも確実にタスクをこなしてくれる、監督・コーチ陣からすればありがたいタイプの選手ですね。


14 MF 長澤 皓祐
 現在所属している38名のうち、ほとんどはU−15深川orむさしからの内部昇格ですが、中には外部から獲得した選手もいまして、2年生で唯一該当するのが長澤(横河武蔵野ジュニアユースから)。自分の周囲数mが今どうなっているのか?という状況判断力に優れているため、非常に狭いエリア、あるいは強いプレッシャーを受けても全く慌てませんし、そんな状況下であっさり前を向けてしまう、あるいは相手を外せてしまえるワンタッチコントロールも抜群。もちろん、その後のゴールに迫る動きもアイデア豊富で、今主にプレーしている4−2−3−1のトップ下にどハマリしている印象です。ただ守備は、自分の後ろで危ないと思われるところにヘルプすることはそれなりにできますが、相手のビルドアップに対してコースを切るのか、人に行くのかはっきりできない場面が見られ、後ろに負担をかけてしまうことも。そこが改善されれば、よりチームへの貢献度が増すかなと。


15 MF 佐々木 渉
 今いる38人のうち、代表で最も結果を出しているのは?と問われれば、その答えは佐々木。昨年行われたU−16アジア選手権で(本職ボランチなのに、なぜか右SBとして)スタメンを張った試合があり、ゴールまで決めました。が、どうやら現在チームでプレーしておらず、青赤を見にまとってプレーしていた彼を最後に見たのは(私は)U−15むさし時代。そのU−15時代は文字通り中盤の王様として君臨し、攻撃のほとんどを司っていたのでは?と思うほど目立つ選手でした。プレーしていない諸事情が何なのか分からないので軽々しいことは言えませんが、またその勇姿を見ることが叶えば、これほど嬉しいことはありません。


16 GK 伊東 倖希
 大野の負傷離脱を受け、現在正GKとしてプレーしているのが伊東。東京U−18と言えばU−180cmのGK、と言っていいほど(私が見始めた2009年〜2012年までは)さほど上背のない選手が居並んでいましたが、彼は185cmと恵まれた高さを持っており、U−15、16代表にも召集経験がある、将来を嘱望されている選手。足下の技術こそ大野に見劣りしますが、このところメキメキとコーチングの声が出るようになり、一時期感じていたひ弱さも徐々に影を潜めつつあって、信頼に足る守護神らしくなってきています。チームとしてセットプレーの守備は大きな課題としてあり、彼も高さはあるものの目測の危うさが時折顔を覗かせます。そこを個人、チームともに解消していければ、もっと堅い守備を築けるのではないでしょうか。


17 MF 高橋 宏季
 キレキレの彼を梶山陽平とダブらせる人がいるほど、ボールタッチのやわらかさに定評あるのが高橋。とにかくボールが足下から離れず、常にコントロールできるところにボールを置くことによって思わぬ形で相手を振り切る、あるいは出し抜くドリブルができるのが最大の特徴。そこからのパスも角度や速さをコントロールして味方に優しく、敵に厳しいものを出せます。ただ、試合ごとの好不調の波が激しく、ダメな時はまるでダメというタイプ。去る日曜の横浜戦後に行われたサブ組のミニゲームでもなんだか気のないプレーに終始していた印象で、ムラッ気をどれだけ減らせるかが今後の大きな課題です。そんな現状を突き破れば、一気に弾けそうなのも間違いないんですけどね。


18 MF 下平 祥希
 プリンスリーグと同時並行で戦っているT3リーグで、誰の目にも明らかな中心選手としてプレーするのが下平。その中心ぶりは、東農大一高戦で(恐らく今後を考えて)彼をSHで起用したらチームが上手く回らなくなってしまったところからも窺え、真ん中でどっしり構えて長短のパスをきっちり使い分け、空いている味方を見つけ出す目も鋭いの一言。守備でも恐れず相手とぶつかることができ、しかも奪い取れてしまえる身体の強さもあります。この存在感がAチームの中で起用されても消えないままかどうかはやってみないと分かりませんし、来年の今頃は間違いなくAチームにいるでしょうけど、今どこかで試してみてほしい、そう思わせる選手です。


19 FW 蓮川 雄大
 ただ一言、「UD」の愛称でみんなから愛されているのが蓮川。良くも悪くも現在は「原石」で、複数のポジションで起用されながら(時にはGKまでやってしまうことも)どこが彼にとってベストがチームも、個人も、周りも探っている状態。プレーもまだまだ、まだまだ荒削りで、たびたび歯痒さを感じさせるところです。ただ、一つ一つ丁寧に課題と向き合って克服していければ一気に「跳ねる」可能性も秘めていて、個人的にはまず走り方であったり手の使い方であったり、そういったコーディネーション能力を磨いて自分の身体を余すことなく使えるようになればなぁ、という印象を受けています。

*1:横浜戦で実際に迷ってしまい、観戦していた某氏から発せられた「ユウガ、行っていいぞ!」という虚空への声に従ってアタックしたシーンは見ものだったw