続々々・メガネのつぶやき

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バンクーバー五輪3日目雑感

 平日になると、リアルタイムでの観戦は難しいですなぁ。
 それでも、夜の録画放送で見ることができたものから。まずはノルディック複合男子。ジャンプの結果はこちらで、総合結果はこちら。ジャンプは日本人選手を含めて一部しか見られなかったので割愛します。距離は残り1周半のところでトッド・ロドウィック(アメリカ)を先頭に、ジョニー・スピレーン、ビル・デモング(アメリカ)、ジェーソン・ラミーシャプイ(フランス)、アレッサンドロ・ピッティン(イタリア)、マリオ・シュテヒャー(オーストリア)、小林範仁の7人が一団になりレースが進みます。そのまま最終周回に入り、最初の長い登りを終えた後の下りで仕掛けたのが小林。ワックスがベストだったおかげもあってか一気に後続を引き離し、一時は金メダルの可能性すら見えましたが、その後の登りでスピレーンに追いつかれ、さらにスパートをかけたスピレーンに離されてしまいます。小林はここで足を使い切ってしまい、後続の5人にも追い抜かされて最終的には7位でのゴールとなりましたが、ジャンプ12位からの巻き返しで「距離の小林」を改めてアピールするグッドレースでした。
 話し戻ってメダル争い。一時はスピレーンがだいぶ後続を引き離し、このまま金メダルかと思われましたが、ラミーシャプイ、ピッティン、ロドウィックの3選手がひと塊のままスパートをかけて猛追。最後の直線に入ってもなお逃げるスピレーンを外からラミーシャプイが残り100mのあたりで捕らえ、そのままトップでゴール。見事金メダルを獲得しました。銀メダルは逃げたスピレーン、銅メダルはピッティンがもぎ取りました。しかし、ラミーシャプイから4位のロドウィックまでがわずか1.5秒差という大接戦で、非常に見応えがありました。
 その他の日本人は、渡部暁斗が21位、加藤大平が24位、高橋大斗が27位でした。高橋はジャンプ13位から大きく順位を落としてしまいましたが、渡部、加藤はそれぞれ27、28位からわずかではありますが順位を上げており、団体でのメダルへ向けて悪くない印象です。ライバルは上位7位までに3人が入ったアメリカが筆頭で、その後がオーストリア、フランス、ノルウェーといった感じでしょうかね。


 続いては、スピードスケート・女子3000m。結果はこちら。金メダルはマルティナ・サブリコワ(チェコ)。銀メダルのシュテファニー・ベッカート(ドイツ)に2秒以上の差をつける快勝で、内容も頭からしっかりとしたラップで入りながら、最後までガクッと落ちることがないラップを刻んでいたので文句なしですかね。銀メダルのベッカートと銅メダルのクリスティーナ・グローブス(カナダ)は確か同じ組でのレースだったと思いますが、ベッカーとの残り3周からの追い上げが見事。最後の1周は31秒台、これはなかなかできるもんじゃないかと。グローブスも地元の声援に応える見事な滑りでした。
 日本勢は穂積雅子が6位入賞、石沢志穂が15位、名取英理が27位でした。穂積はトップとは4.83秒差、3位のグローブスとは2.52秒差という大健闘。しかし、インタビューでは悔しさを涙とともに滲ませていて、満足はしていなかった印象です。5000mでは昨年の世界選手権で2位に入っていて(私は知らなくて、3000mが勝負だと思っていた)、この日のレースを見る限り調子は悪くなさそうなので、悔しさを全て吹き飛ばすようなレースを期待したいですね。


 続いては男子モーグル結果はこちら.金メダルはアレクサンドル・ビロドー(カナダ)。予選ではキルボ・コラ(フランス)の快走に合い2位止まりでしたが、決勝では1.3ポイント近くも跳ね上げる激走を見せ、トリノ五輪金メダリストで連覇を狙ったデール・ベッグスミス(オーストラリア)を抑え、カナダとしては3度目の自国開催にして悲願の金メダリスト誕生となりました。ターン、エア、タイムの各ポイント別に見るといずれもトップの数字ではないんですが、しかしいずれもが3位以内という高いレベルでの融合が図られていて、特に第1エアのフルツイストからミドルセクションを下りていく部分までが完璧と言っていい内容。前日ジェニファー・ハイルが銀メダルに終わり、プレ五輪を制していたビロドーにかかる期待はハンパなかったと思いますが、期待通りかそれ以上の見事な滑りでした。ベッグスミスもほぼ完璧と言ってよかったと思いますが、あえて敗因を挙げれば、これまでにないほどの高速決着になり、ターンとエアで勝ってきたベッグスミスにとっては辛い設定だったかなと。銅メダルのブライオン・ウィルソン(アメリカ)もエアでは上位2人を上回る見事な内容でした。
 日本勢は遠藤尚が7位入賞、西伸幸が9位、附田雄剛が17位、尾崎快が予選敗退(24位)でした。一部マスコミでは「低調」という言葉が使われていましたが、私は決してそう思わないですね。もちろん、本人たちのインタビューを聞くと「まだ、もう少しやれたのかな?」という印象もありますけど、19歳の遠藤が7位、25歳の西が9位、23歳の尾崎は怪我などもあり予選敗退に終わりましたが、スピードでは世界トップクラス(7.13ポイントは予選ではトップスコア)であることを証明できたわけで、女子の伊藤、村田と合わせて、これからが非常に楽しみという方の気持ちが圧倒的に強いです。


 その他は見ていないので簡単に。バイアスロン・男子10kmスプリントの井佐英徳は68位。3ペナルティはまずまずだと思いますが、世界のレベルは高いですね。リュージュ・男子1人乗りの小口貴久は3回目31位、4回目32位。こちらも世界の壁は高いです。