続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

2009年の展望みたいな妄想・放言

 全チームのことをスパッと語れるほどの知識はないので、思ったことをダラダ〜ラと綴っていきます。では、北から順番にどうぞ。
モンテディオ山形
 チーム創設10年目にして、念願のトップカテゴリー昇格を果たした山形。巷では降格候補に推す声が多いようですが、石川竜也石井秀典、レオナルド、小林亮の4バックが怪我なく1シーズン戦えるようなら面白いかなぁと。石井、レオナルドのCBコンビはJ1でも通用すると思いますし、場面によっては石川が高い位置を取って残りの3人で3バック的に守る、といったような臨機応変さも見て取れますしね。園田拓也佐藤健太郎宮本卓也長谷川悠あたりがJ1レベルに慣れて戦力値を増す&アンドレ・シルバとキム・ビョンソクがJのやり方に慣れるまで守備陣が耐えてくれるようだと、後半あっといわせる存在になる可能性はありますよ。宮沢克行財前宣之古橋達弥といったJ1レベルを知るベテランの存在も鍵になりそうです。
 そのほか注目するならば、やはり小林伸二監督。複数のJ2チームをJ1へ昇格させた最初の監督であらせられ、相手をしっかりと研究して対応できる目や、若手をためらいなく起用する度胸は素晴らしいものがあると思います。その小林監督が「個の成長なくしてはJ1の定着はないと考えています。個人をしっかり伸ばすというところに着眼して、今シーズン戦っていきたい」と語っている点はおっ、と思いましたね。J2に比べればまだスケジュールに余裕があるJ1へ上がり、量的にはJ2より上のトレーニングが積めるはず。それが早々に質に繋がってくるようなら楽しみは増しますね。
 とにかく、J1昇格組にとっては「どれだけ序盤に貯金と自信を得られるか」がポイント。そういった意味では、アウェーですが第1節 磐田戦で勝ちを拾いたいところですかね。


鹿島アントラーズ
 前人未到のリーグ3連覇に挑む今年。FUJI XEROX SUPER CUPを見る限りは、憎たらしいほどに「泰然自若」としていますし、準備万端な印象を受けました。(唐突ですが)「当たり前のことを高いレベルでやれるチームは強い」というのが持論な私にとって、今の鹿島は「強い」と認めざるを得ないサッカーを見せていて、さらに年齢構成も主力の30歳前後、25歳前後、20歳前後にうまく散らばっていて、磐石な印象を与えさせます。今季獲得した4人にJ1経験者がいないことからも、それは窺えるかと。
 その上で、注目したいのは「今年はリーグなの?ACLなの?」という点。やろうと思えば二兎追えるだけの選手層を有しているようには見えますし、昨シーズン両立して戦った経験は活かされるでしょうけど、浦和もG大阪もありえないぐらいガタが来たのも事実。当然序盤は目の前の一つずつを乗り越えていくことが一番の近道になりますが、終盤極限に近づいた時にその時の流れをどう判断して、どう舵を切るのか、オリヴェイラ監督がどうターンオーバーさせながら、フレッシュさ(最も鹿島に似合わない言葉かも(笑))を保って1年間やりくりできるかは見ものですね。曽ヶ畠、岩政大樹マルキーニョスが潰れるようなことがあると厄介(他チームにとってはしめたもの)なんですけどね。
 最後に一つ。小笠原が戻ってくるまでに多用されそうな「ボランチ・本山」ですが、相手からすれば(個人的には)ここが一番の突っつきどころかと。


浦和レッズ
 自滅により一敗地にまみれた昨シーズン。ただ、キャンプなどの情報を見聞する限りは、今季自滅することはなさそう。それどころか、一見ごく普通のトレーニングに見える内容に対して、選手が口々に「楽しい」「充実してやれている」というコメントを発していることに笑いすら覚える今日この頃ですが、「普通に戻る」ことがこれほどまでに劇的に感じるチームもないですよねぇ。
 で、今季は4バックをベースに戦う模様。これにより、時折見られた「サイドをあっさりと破られ失点」というシーンへ減るでしょうけど、SB専門の選手が少ないのもまた事実。現状は平川忠亮細貝萌野田紘史林勇介高橋峻希あたりを試しているようですが、いずれも一長一短ある様子。であるならば、やはり今季も守備面に置いて鍵になるのはサイドになりそう。SHに入りそうな梅崎司エスクデロ・セルヒオ山田暢久原口元気が少しでも下がって守備することを怠ると、一気に機能不全を引き起こす可能性はあるかと。東京としたら、まだ熟成しきってないであろう第2節に戦えるのは、ある意味ラッキーかもしれませんね。
 攻撃陣は高原直泰エジミウソン田中達也、ポンテが「額面通り」働けば、普通に点は取れるでしょう。あとはどう組み合わせるか。バランスがいいのはCFタイプのエジミウソン+誰かという形なのかなぁと思いますが、エジミウソン&高原は昨シーズン不発に終わることが多かっただけに、エジミウソン&ポンテ、あるいはポンテを左サイドハーフに入れて、エジミウソン&田中というコンビで来るのかなぁというのが今のところの見立て。日本代表のためには高原の復活が待たれるところですが、東京ファンとしては、高原に眠っておいてもらいたい気持ちもあります(笑)


大宮アルディージャ
 樋口監督を1年で解任し、チャン・ウェリョン監督を新たに迎えて再スタートとなる大宮。ただし、この「博打」が吉と出るか凶と出るかは、まさに五分五分かなぁというのが正直なところですね。
樋口前監督は、それまでリアクションサッカーだった大宮スタイルをポゼッションサッカーへと一変させるべく指揮をとり、時折その変化の一端を強く覗かせる試合も見せていました。しかし、チャン・ウェリョン監督は「奪ってから時間をかけずに前線にボールを運ぶ」、「短い時間でフィニッシュの回数を増やすことを目指す攻撃の徹底」を早期から植えつけるべく練習しており、「攻守の切り替えの速さ」も求めています。戦術的には、わずか数シーズンの間に「リアクション→ポゼッション→スピーディ(ショートカウンター)」というものすごい振れ幅で動いていて、それでいて核たる選手の変更はほぼ皆無となると、嵌れば一気の上位進出も考えられる一方、嵌らなければ真っ逆さまに落ちてdesireしまう可能性をはらんでいます。さらに、ここ数シーズン不発に終わっていた攻撃陣は、J2で実績を挙げてきた石原直樹藤田祥史を加え、さらに2年目の市川雅彦や復活待たれる橋本早十も好調をキープするなど明るい材料がある反面、ここ数シーズン安定していた守備陣は、レアンドロを放出し、マト、パク・ウォンジェと外国人選手を新たに加入させましたが、それこそコミュニケーションの部分や、外国人2人のJへの慣れが遅れてしまうとなると、一転不安要素になる危険性もあります。
 とどのつまり、どの部分を切り取ってみても「丁半博打」に打って出たように見えるのが今季の大宮。さぁ、あなたは「吉」どちらだと思いますか?

ジェフユナイテッド市原・千葉
 昨シーズンはまさに「ジェフの奇跡的な残留」でした。それもこれも、マイナスからスタートしてしまったせいなんですが、去年の今頃と比べると、ポジティブな面しか見つからないほど今年のオフは順調に過ごせている印象です。
 メンバーを見渡すと、19名もの選手を放出した一方、補強は5人(+深井を完全移籍で獲得)止まりと一見無茶な感じに見えますが、これは完全に余剰人員(主力級の選手もいますけど)の整理という形のもので、残った選手のやりくりで(最低)各ポジション2名の戦力は確保しているので、全く問題ないでしょう。その上で、恐らく今年もミラー監督はターンオーバーを積極的に活用してくるはずですが、注目すべきは「システムをその都度いじるのかどうか」。例えば4−4−2は動かさずに人だけ動かすのか、システムごと動かすのかで、ターンオーバーの意味合いは相当変わってくるところ。もちろん理想なのは、システム1つにすることでチームに共通理解が図られやすくなる前者なわけですが、去年は後者のターンオーバーが結構あった気がするんですよね(違ったらすいません)。ただ、昨シーズン半年間指揮したことで選手の特徴はしっかりと把握できたでしょうし、システムごと変えるターンオーバーがうまくいかないことが多いのは、リバプール時代に学んでいるはずなので、人を動かすターンオーバーでやってくるでしょう。
 となると、ポイントは「序盤戦で上位にどれだけ離されずについていけるか」でしょう。ターンオーバーの最大のメリットは選手の消耗度を減らすこと。そのメリットが最大限活きてくるのは、他チームが消耗し始めるころ=中盤から終盤にかけての時期。と考えれば、ターンオーバーさえうまくいけば、必ずといっていいほど終盤のジェフは強敵になるはず。その時上位陣を差し切れるか差し切れないかは、序盤戦どの位置につけられるかによってくるんですよね。第1節から続くG大阪、千葉ダービー、川崎の3連戦は相当に注目すべきでしょう。


柏レイソル
 石崎前監督との3年間に別れを告げ、高橋新監督の下新たなスタートを切る柏。その今季は、石崎前監督時代のプレッシングを踏襲しつつも、場面によってしっかりと「攻撃ではポゼッションし、守備ではリトリートする」ことをやっていくとのこと。
 攻撃面においてはフランサという抜群のボールホルダーがいて、フランサが中盤まで下りて来た時に追い越していける李忠成がフルに働ければ、問題はボランチのキープ&展開力がどこまでのものか、という点になるかと。その大きな役割を担うはずだったアルセウの怪我は痛手で、杉山浩太栗澤僚一がどこまで仕事をしてくれるかは浮沈の大きな鍵になりそう。さらに懸念されるのは、ポゼッションサッカーの中で菅沼実太田圭輔といった「縦へ強い選手」が埋没しないかどうかでしょうかね。どうしてもJのクラブでポゼッションサッカーを目指しているチームからは、「ポゼッション=パスを回しつづけないとダメ」みたいな強迫観念が感じられちゃうんで。いいんだよ、時には縦に走らせても!守備陣は古賀正紘小林祐三近藤直也のCB争いが熾烈とのこと。三者三様の持ち味があるので、誰が出てきても怖いのは怖いかな。そして、SBも右は蔵川洋平村上佑介、左は大谷秀和石川直樹、GKも菅野孝憲南雄太といった感じで、同レベルの選手を2枚抱えているのは好印象ですね。
 と考えると、攻撃面の停滞がなければ、あるいは大量補強のユース世代の台頭や「秘密兵器」澤克昌の大ブレイクなんかがあれば、「去年の天皇杯ファイナリスト」という肩書きが伊達ではなかったことを証明できそうなシーズンになる可能性があるかなぁと。台風の目に押しておこう。


川崎フロンターレ
 東京は明日。昨シーズンは2位で終えた川崎。これで、06、08年のリーグ戦&07年のナビスコと、3年連続で(何かしらのタイトルの)銀メダルを獲得したことになり、今年こそ念願のタイトル奪取に燃えるシーズンになるでしょう。
 ただ、今年はACLが加わるタイトなスケジュールになります。それでいて、選手は28名。その数自体取り立てて少ないとは思いませんが、実質戦力となりそうなのは20名弱で、若手の台頭がなければ、シーズン終盤息切れを起こす可能性、もっと言えば、何かのタイトル奪取という目標に対して、ACLが足枷になってしまうことも起きかねません。関塚監督以下コーチ・スタッフ陣が、どこにプライオリティーをおいてシーズンを進めるのかによって、ハッピーにもアンハッピーにもなりそうな危うさを秘めていることは理解しておいた方がいいかもしれませんね。
 とは言いながらも、ベスト11人の顔ぶれだけ見れば、やはり強烈の一言。チョン・テセはお膳立てさえ揃えば余裕で二桁取れる選手ですし、ジュニーニョレナチーニョヴィトール・ジュニオールのブラジルトリオもそれぞれの持ち味があって怖い存在。特にヴィトール・ジュニオールは今季から中村憲剛谷口博之とともにCHを任されるケースも増えるようで、これがうまくいけば、「前線4人+後ろ6人」がぶつ切りになることが多かった昨シーズンの悪癖は影をひそめることになりそう。そこに山岸智村上和弘森勇介)の両SBがさらにうまく絡めれば、攻撃は手がつけられないことになることもあるかと。守備面は寺田周平がフルシーズン働けるようなら、CBは伊藤宏樹井川祐輔含め3枚でなんとかなりそうですし、川崎移籍後成長が目覚しいGK川島永嗣の存在も頼もしいところ。ただ、攻撃陣以上に1人の怪我や出場停止がダメージになりそうなのは否めず、依然不安を残す部分ではありますね。


横浜Fマリノス
 ここ数シーズン、名門復活を目指しながらも中位にもがき続ける横浜FM。昨シーズンも途中で監督交代せざるを得ないなど、一向に浮上の気配が見えません。が、ここに来て木村浩吉監督と(確か)複数年契約を結び、「育成型クラブ」として進むことを決めたとのこと。これがうまくいくならば、今季はともかく来季以降楽しみが増えてくるかなぁと。
 で、今季。正直言って、「いい状態の選手は位置を変えてでも起用できるようにする」という木村監督の言葉を額面通り受け取るのなら、あまりあれこれ考えることが得策ではない(徒労に終わる)ような気もするんですが(笑)、そうはいいながらもメンツを一瞥してみて思うのが、「FW大丈夫なの?」という点。渡邉千真はその期待値が大きいとは、いえ半信半疑な部分もあり、ハーフナー・マイクは武者修行で成長した面があるとはいえ、J1レベルにおいては厳しいだろうという面があり、坂田大輔は献身的なプレーでチームに貢献はしていたものの、昨シーズンはゴールの仕方を忘れたかのような成績。大島秀夫の放出を嘆く結果にならなければいいんですけどね。あ、(DF登録だけど)キム・クゥンファンを使う手もあるのか。あと攻撃陣では「山瀬功治の復活なるか」でしょう。もはや怪我が代名詞にもなるぐらい次々と痛めていますが、100%なら代表でも中心になれる選手。山瀬のいぬ間に大ブレイクした狩野健太とともに2シャドーとしてシーズンフル回転できれば、FWの厚み不足を感じさせないようになると思うんですが、果たして。守備面は中澤祐二、松田直樹栗原勇蔵の3バックで不動も、河合竜二が怪我で開幕から数戦出場できない様子。3バック+河合の4枚が昨シーズンリーグ3位の失点の少なさを作っていると思うので、戻ってくるまで小椋祥平金井貢史長谷川アーリアジャスールがその穴を埋められるかが気になるところですかね。
 最後に、今季はあまり高望みしない方がいいと思いますけどね。勝負は来年かと。


アルビレックス新潟
 06年は上位に躍進したものの、昨シーズンは残留争いに巻き込まれた新潟。鈴木監督も4年目になり、どこかで思い切ったことをしないと…と思っていたなかで、今季は4−4−2から4−3−3への転換がある様子。さらに、予想されるメンバーを眺めてみると、なんだかそれなりに戦えそうなメンバーが揃った印象すらあります。
注目はやはり3トップでしょう。昨シーズンのチームトップスコアラーであるアレッサンドロと貴重なサブだった河原和寿が移籍したものの、大島秀夫ペドロ・ジュニオールチョ・ヨンチョルとマイナスを補って余りある補強に成功し、矢野貴章を加えた4人で3トップを構成していくとのこと。(3トップに限ったことではないですが)うまくコンビネーションを取れるようになるまでは時間がかかるでしょうけど、ガチッと嵌り始めたらちょっと怖いかなぁというのが正直なところです。
 ただ、やはり気になるのはスタメンとサブとの実力差。どのチームにも少なからずある問題ですが、個人的には新潟(と大分)はその不安が格段に高い印象で、GK北野貴之がいない時、黒河真矢でいいのか?とか、永田充千代反田充に次ぐ3番手のCBは?とか、マルシオ・リシャルデスがいないときのゲームメーカーは?といった具合に、代えの利かない選手が多いですよね。内田潤もそうかな。同じ境遇の(と思っている)大分は、できる限り固定したメンバーで戦いきって、昨シーズンの躍進を得ました。新潟もそれができるか。中途半端に若手を抜擢したりなんてことをすると、バランスが崩れておじゃんになりそうな気もするので。やるなら、金崎や森重みたいに使い続けることでしょうね。


清水エスパルス
 ここ2年間は「出遅れ→豪快なまくり→微妙にポジティブな印象でシーズン終わり」という流れの清水。今シーズンについても、その出遅れ癖が出なければしっかりと上位に迫れそうな陣容は揃った感じがあります。
 パッとメンバーを見る限り一番のウリだと思われるのが選手層の厚さ。どのポジションも、いわゆるスタメン図に表したときに括弧がつく=同レベルの候補がいる状況で、千葉のミラー監督はさぞや羨ましがってると思います…ってのは妄想が過ぎましたが(笑)、とにかく誰を使うか迷うほどの選手層を誇っています。ただ、裏を返せば(特に攻撃面においての)「決定的な選手」「困った時に任せられる選手」がいないのかなぁと。鹿島には小笠原やマルキーニョス、G大阪には遠藤、(良い時の)浦和にはポンテ、川崎には中村、といったタイプの選手が、清水には見当たりません。昨シーズンの大分や名古屋にもそういうタイプの選手はいないと言えばいないわけですが、そういうチームはチームとしての戦術の拠り所(大分なら堅い守備、名古屋なら徹底したサイド攻撃)があるわけで、正直清水にはそれも見当たりません。チョイスする言葉として正しいかは分かりませんが、「器用貧乏」なチームというイメージがあるんですよね。今季誰かがそういう存在になれればいいんですが、あまりにメンバーが豊富すぎて、きっと(怪我や出場停止がなければ)34試合すべてに出れる選手はいないでしょう。そうなると、結局は誰もそういう存在になれないまま、また5、6位でシーズンを終えそうな気もしないではありません。


ジュビロ磐田
 昨シーズンはついに入れ替え戦に臨まなければならないほどになった磐田。残留と「血の入れ替えが必要」という言葉を残してオフト前監督は去ったわけですが、後任は柳下コーチの昇格という気の抜けた人事に留まり、今季から4バックへと移行するにもかかわらずSBの補強がなく、懸案だったボランチの補強もなし。それどころか、即戦力は那須大亮のみで、ポテンシャルを秘めた選手が多いと言え、正直「あんた、勝つ気、ある?」といわれても仕方ないフロントの体たらくぶりが目立つオフだったかなぁと。
 強いてポジティブな面を挙げれば、4バックにすることで中盤の両SHに西紀寛太田吉彰村井慎二松浦拓弥といった攻撃的な選手をすんなり置ける点でしょうか。特に(現状左サイドを任される)駒野と組むことになりそうな西にかかる期待は大きいはず。ここ数シーズンは怪我に悩まされていますが、100%でプレーできればまだまだ怖い選手。前田遼一ジウシーニョの2トップはサイドからのボールに十分対応できる選手で、うまくクロスが嵌れば得点シーンが増えそうな気はします。
 ただ、それでもやっぱり不安が先立つのはボランチが全く定まっていない点。ロドリゴ犬塚友輔成岡翔上田康太(怪我で開幕は無理)が候補にはなりますが、いずれも全幅の信頼を置ける選手ではないでしょう。特に守備面の不安が大きく、4バックとの連携面もシーズン当初は大きな不安材料。この点も含めて、昨年からの大きな上積みが必要なのに、それが全く感じられない点を踏まえると、(ファンの方には申し訳ないんですが)断トツの降格候補です。


名古屋グランパス
 期待と不安が入り混じった「ミスター」ストイコビッチ監督の就任が思いっきりプラスに出た昨シーズンの名古屋。タイトルにこそあと一歩届きませんでしたが、昨年がベースとなる今季は何かしらのタイトル奪取も十分視野に入るレベルにあると思います。
 補強も的確。ヨンセンを放出してまで迎えたダヴィは札幌にいたからそこまで騒がれていませんけど、今のJ屈指のストライカー。1人で何とかできる力を持っているので、頻繁に下がってボールを受けに行く玉田圭司にとっても気兼ねなくコンビを組めそうなタイプですし、ヨンセンにはなかったスピードは大いに魅力。そして、本職ではなかった竹内彬を使うことが多かった右SBに田中隼磨を獲得。サイド攻撃がウリの名古屋に、サイドでのクロス、運動量が持ち味の田中はピッタリ嵌りそうな気がしますし、1列前でも使えるユーティリティさもあるので、マギヌンと小川佳純におんぶに抱っこだったSHにとってもプラスの補強といえるでしょう。
 ただ、SHと同様に昨シーズン懸案事項となった中村直志吉村圭司に次ぐ3番手のボランチについては、山口慶がいるとはいえ不安材料のままですし、田中を獲得したとはいえマギヌン、小川は代えの利かない選手。また、玉田の代わりになる同タイプの選手もいませんし(杉本恵太はちと違うかな。別の持ち味ありですが。)、左SBを一手に担ってきた阿部翔平が、怪我で開幕からしばらくアウト。代役としてはルーキーの平木良樹か、田中を左に入れて竹内を右にする手が試されているようですが、どちらにしても戦力ダウンは否めないところ。そして、極めつけはACLによる金属疲労。前述のとおり代えが利かない選手が多い中で、ACLの戦いで主力が傷つくようなことがあると、一気に苦しくなるでしょう(昨季の終盤証明済み)。巻佑樹津田知宏花井聖あたりがどれだけ成長できるかは、かなり大きなポイントになりそうです。


京都サンガF.C
 若干苦しんだ時期があったものの、無事J1残留を果たした京都。エレベータークラブからの脱却を図るための第1歩を踏み出した、といったところでしょうか。そして、豊田陽平ディエゴイ・ジョンスと各ポジションに核となりえる選手を補強し、J1定着、その上を目指すための第2歩目を歩むシーズンとなります。
 正直、システムについてはいくつものバリエーションがあるため断定しづらいところですが、気になるのは「ディエゴの使いどころ」と「4バック時の両SBの人選」ですかね。例えば1トップだった場合、ディエゴはトップ下かボランチになりますが、柳沢敦の存在を考えれば、柳沢をトップ下において、ディエゴボランチということになりそう。ただ、個人的にはディエゴボランチの位置まで下がってしまうことが良いとは思えないんですよね。もちろん、攻撃時だけシジクレイを1ボランチにした4−1−4−1のようにすることで攻撃については問題が解消されますが、守備時にボランチに入って目立てる存在じゃないでしょう(全くダメとも思わないですけど)。じゃあ、柳沢を削ってまでトップ下に、というのももったいない話。使いどころを誤ると、思わぬ機能不全を起こす可能性もあるだけに、どう使いこなすのか気になるところです。
 そして、両サイドバックの人選についてですが、候補としては増嶋竜也渡邉大剛中谷勇介あたりになるんでしょうけど、いずれもかっちりはまる感じではないんですよね。渡邉に関しては、もう一列前で使いたい選手ですし。CB+シジクレイが空中戦に強いので、最後中で守ればいいという部分はありますが、それでもサイドを崩され続けるのは気持ちのいいものではなく、誰になるにせよ、できれば固定して回りとの連携で守れるようにならないと苦しいのかなぁと。
 それでも、去年程度の守備力をキープした上で、柳沢が去年のパフォーマンスを維持し、豊田がJ1でも通用し、ディエゴがかっちりQシステムにはまり、パウリーニョが復活すれば(実はここが一番の注目だったりする)、残留争いに顔を出すことはないのかな?というのが率直な印象です。


ガンバ大阪
 去年はアジアを制覇し、マンチェスター・U相手にも善戦以上のものを見せてくれ、満身創痍のなか天皇杯を制した一方、水本裕貴、バレーの突然の移籍やACLでの疲労が祟ってか、リーグ戦ではまさかの8位フィニッシュ。今オフは、リーグタイトル奪取へ向けて高木和道パク・ドンヒョクレアンドロチョ・ジェジンといった大型補強を敢行。反撃へむけて体制が整ったかに見えました。しかし、開幕を控えた今現在は、不安ばかりが目立つ形。二川孝広、チョ・ジェジン、レアンドロが開幕に間に合わず、加地亮も間に合うようですがぶっつけ本番。加地が戻った上で昨年の4バックを形成できれば、FUJI XEROX SUPER CUPのようなひどい有り様にはならないでしょうけど、マイナスのスタートになることは疑いようがなく、どれだけ早く上げてこれるかが大きな注目点になりそうですね。
 そして、こういうときこそチャンスなのが寺田紳一平井将生下平匠倉田秋武井択也といった若手の面々。ただ、昨シーズンから出番は巡ってくるものの、主力との実力差は歴然。事あるごとに西野監督から公然と「もっとやってくれないと困る」といった発言は出ているものの、スタメンはおろかセカンドグループにも割って入れない現状は、やはり不満でしょう。彼らの中から一人でも多く戦力になる選手が出てくれば怪我の功名となるんですが、果たして。

ヴィッセル神戸
 2年の歳月をかけてソリッドな守備と切れ味鋭いショートカウンターを作り上げてきた松田前監督を解任し、カイオ・ジュニオール新監督を迎えて新シーズンを迎える神戸。確かにここ2シーズンとも10位にとどまり、更なる上昇を目指すために心機一転、というのは分からないではないですが、個人的には「3年1サイクル」という持論がありまして、もう1年任せてみてからでも遅くなかったのかなぁ?という気はしてます。もっと言えば、大宮と同じぐらい「丁半博打」に打って出たなぁとさえ思いますよ。
 それは、補強の面にも表れています。攻撃の中心だった大久保嘉人レアンドロを一挙に放出した一方、宮本恒靖アラン・バイーア我那覇和樹アルセウを補強。一応センターラインを強くしたように見えますが、大久保&レアンドロが共にいなくなったマイナスのほうが大きいでしょう。それこそ、キーンとベルバトフを一挙に放出し、そのお金で他を補強したものの躓いたトッテナム・ホットスパーと重なるんですよねぇ。4−4−2から4−2−3−1へ変えようとしている点までソックリ(苦笑)。まあ、トッテナムよりは守備がしっかりしているので極端に悪く考える必要はないのかもしれませんが、ここまでドラスティックに変えようとしているのに、フロントが妙に高い要求を求めている(ように見える)点が、フロントと現場の揉め事と言う形で出てこないかは心配ですね。


サンフレッチェ広島
 稀に見る強さでJ2を優勝した広島。その圧倒的な攻撃力と、「人もボールも動くサッカー」を体現できている点を評価して、復帰1年目から上位に絡んでくるんじゃないか?という評価が結構多いですが、私は不安を強く覚える派の一人です。
 というのも、J1からJ2へ落ちた理由=守備力の改善が今ひとつなされていないという印象があるため。ストヤノフは千葉でJ1レベルを体感しているのでそれほど気にはなりませんが、森田剛平、槇野智章、森脇良太、西川翔吾といったその他のDFがJ1レベルにあるかは至って不安。GKも下田崇が怪我により昨年1年間を棒に振り今季もどうなるか微妙ですし、佐藤昭大もまだまだ全幅の信頼を置けるほどではないかと。ボランチ森崎和幸青山敏弘がどれだけ助けられるか、また、SHの服部公太ミキッチがどれだけ3バック横のスペースを連動して消せるかという点も気になるところで、攻撃ばかりに目が行く中で、守備陣が耐え切れず1−2とか2−3で敗れたり、2−2で引き分けたりという試合が続いていくようだと、気付いた頃には…という状況に陥っている可能性があるでしょうね。攻撃に散るか、攻撃で咲くか。


大分トリニータ
 俗に言う「カメナチオ」でリーグを席捲し、ついにはナビスコカップでタイトルをも手にした大分。今季も即戦力の補強はなく、「継続は力なり」を地で行くシーズンになりそうです。
 というわけで、ここで改めて取り上げる点もないんですが(苦笑)、強いてポイントを上げるならば、「深谷友基の不在」と「4バック、やるの?」という点でしょうか。深谷については5月一杯は厳しいという情報ですが、それまでは藤田義明か緊急補強した坪内秀介が代役として立てられるはず。ただ、藤田も坪内も深谷ほど人に強いタイプではなく、ストッパーとしてどれだけやれるかはなんとも言えないところ。深谷が戻ってくるまで耐えられるかは気になりますね。そして、もう一つの4バックについてですが、家長昭博が残留し、金崎夢生との併用を図るのなら、3−5−2ではちょっと厳しいか?というところから生まれた発想のようですが、実際それをやるのか、やるならどのタイミングでやるのか、「魔術師」シャムスカ監督の腕の見せ所がまた一つ増えましたね(笑)



 あー、疲れた(笑) まあ、書きたい事を書いてるので、いろいろ反論はあるでしょうけど、軽く流してください。最後にこういうことをやる時恒例の順位予想で締めます。

1位 浦和
2位 鹿島
3位 FC東京
4位 川崎
5位 名古屋
6位 柏
7位 G大阪
8位 大分
9位 千葉
10位 清水
11位 横浜FM
12位 京都
13位 広島
14位 山形
15位 新潟
16位 神戸
17位 大宮
18位 磐田

 優勝争いは普通に浦和と鹿島でしょう。その中で、ACLがない浦和が上かなぁと。東京の3位は希望的観測です。川崎、名古屋はACLが響いてこの辺が無難。柏は台風の目宣言したので(笑) G大阪は序盤の躓きを取り戻せない方に賭けてみます。で、またACLを取ると(笑) 大分、千葉、清水、横浜FM、京都は残留争いにも優勝争いにも絡まないところで、広島以下が残留争いを演じるという見立て。で、降格は全く補強のなかった磐田と、丁半博打が裏目に出ると思っている大宮、神戸で。