続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

2009年の展望のような妄想・放言 東京編

 昨日は東京を除くJ1・17チームについて書きましたが、トリはもちろん東京です。といっても、今季まだ「動く東京」を全くといっていいほど見ていない(それこそMXのFC東京ホットラインぐらい)ので、文字通り妄想・放言と捉えていただければ。


 システム面でいえば、今季のベースは中盤ボックス型の4−4−2になりそう。その上で、両SBが比較的高い位置を取り、場面によっては2バックになることもあるほど攻撃の意識を高めている様子。両SBが上がった際の守備の担保はボランチの1枚がCBのポジションまで下がって3バック気味になることで、一時的に対応し(遅らせ)、SBがその間に戻ってきて対処する形になりそうです。まあ、特に中盤は次々とポジションが入れ替わって、「誰がどこで」ということを一概に語れるか分からないぐらい(いい意味で)無秩序であってほしかったりするんですけどね。
 それはさておき、その点においては、やはりボランチに誰が入るのかがかなり大事になってきそう。これまで東京のボランチは、どちらかと言えば自分より前のスペースに対してアクションを起こすやり方が多かった印象がありますが、今季は自分の後ろのスペースをより強く意識することが不可欠になり、かつ、機を見て飛び出していく必要性もあり、これまでにないほど「グランドの縦幅」をうまく使える、カバーできる能力が求められるのかなと。現状ボランチの候補は、今野泰幸ブルーノ・クアドロス浅利悟下田光平米本拓司、(SBとの兼用で)中村北斗徳永悠平金沢浄といったあたりになり、練習試合などの起用を見ていると、今野とブルーノがファーストチョイスのように見えます。実績や個の能力を考えればこのチョイスは至極妥当なものだとは思いますが、先ほどの「グランドの縦幅」という目線で見れば、個人的には今野と中村のコンビが見てみたいですね。やや展開力に欠ける感は否めませんが、運動量、献身的な動き、カバーリング能力、前への推進力、いずれをとっても縦幅を余すことなく使えて、かつ横への可動域も広いこのコンビは、積極的過ぎるとも取れる攻撃マインドの担保にしっかりなれるんじゃないかと思います。とはいえ、相手によって臨機応変にコンビを代えることも予想されるので、ボランチの人選は城福監督の腕の見せ所の一つとしてシーズン通して注目していきたいです。軒並み高評価の米本にも近々にチャンスがありそうですし、下田も負けてられないですしね。まあ、いずれそのうち「困った時のアサリさん」が発動されそうな気がしますけど(笑)


 もう一つポジションを下げてみましょう。まずはSBから。前述したとおり、今季はベースポジションを高く取るようで、それに伴う積極的な攻撃参加も去ることながら、守備に回ったときに戻ってこなければいけない距離が格段に増します。つまりは、これまで以上の上下動による運動量と献身さを求められるポジションになりました。候補は右が徳永、中村、椋原健太藤山竜仁、左が長友、金沢、小山泰士あたりになりますが、ファーストチョイスは右徳永、左長友で間違いないでしょう。しかし、1試合に使うエネルギー量は格段に増す中で、1シーズン1人でフルにこなすことはかなり難しいはず。その点を踏まえると、中村、椋原、金沢あたりは結構な出番が回ってくることが予想され、その時に徳永&長友と同じだけの動きの量と質を見せられるかが鍵になるんじゃないかと思っています。もちろん、徳永&長友にももっともっと進歩してもらいたいと思いますが、サブの選手たちが徳永&長友をターンオーバーではない形で脅かせるようになれば、しめたものですね。
 CBは佐原がグロインペイン症候群に悩まされ、最近また太ももを痛めて離脱し、開幕は微妙。なので、茂庭照幸と佐原がベストコンビも、佐原不在時は藤山、平松大志吉本一謙高橋秀人の誰を茂庭のパートナーにするかがキーになりそうですが、茂庭が光るのは「ガツン系DF」と組んだ時。ジャーンや佐原のように、空中戦や対人プレーに強く、茂庭が「チャレンジ&カバー」のカバー役にあらかた徹することができる時に、茂庭の存在感は大きく増すと見ています。で、平松がどれほど人・空中戦に強いかはかりかねる中では何ともいえない部分はありますが、例えば開幕の新潟戦を考えたとき、相手には大島秀夫矢野貴章という長身のプレイヤーがいる点を踏まえれば、個人的には吉本に期待したいなぁと。で、第2節浦和戦は、相手FWが田中達也高原直泰とそれほど高くないので、吉本よりはスピードもありそうな平松にする、といった感じで、佐原が万全になるまでは使い分けをしてもいいんじゃないでしょうか。「DFラインからのビルドアップ」という点では、高橋もチャンスが全くないとは思わないですし。まあ、こちらも「困った時のミスタートーキョー」がありますんで(笑)
 GKはご存知のとおり塩田仁史が病気療養中で、開幕は絶望という厳しい状況。で、開幕スタメンはどうやら権田修一になる模様。U−15から各世代別代表に常に選ばれ続ける大器で、国際経験は豊富な選手。もちろん現状は塩田が不在時の代役と言わざるを得ませんし、開幕戦がJデビュー戦となるわけですが、本人は「自分のデビュー戦なんていうことは、他の人にはあまり関係のないこと。とにかく結果にこだわりたい。試合に出ることは大事だけど結局は結果。勝たないと、何も意味はない。」と、決意に満ち溢れている様子。もちろん本人も、見ている側も不安に思う部分はありますが、少なくとも私たちファンは、いいプレーに対して積極的にコールや手拍子で励まし、マイナスのプレーについては「何やってんだよ!」ではなく「次だよ、次!」という気持ちで見てあげるべきでしょう。阿部伸行廣永遼太郎の2人もどちらかはベンチに入って、グランドレベルでトップカテゴリーのゲームを体感できるチャンスがめぐってきたわけですし、権田に万が一が起こらないとも限らないので、しっかり日々のトレーニングでアピールと準備を積み重ねてほしいです。そして、塩田がグランドに戻ってきたら、万雷の拍手と期待で迎えてあげようじゃないですか。


 目線を変えて、今度は攻撃陣。今季一番のトピックスといっていい「Wトップ下」から妄想しますが、バランス抜きで一番見てみたいのはもちろん梶山陽平大竹洋平の「Wヨーヘイ」。ただ、FWを追い越す動きだったり攻守の切り替えという点を考えると、ちょっと不安が残るペアリングでもあります。それを城福監督も考えているのか、キャンプ終盤の練習試合では梶山と羽生直剛が主力組としてコンビを組むことが多かったようで、私もこのコンビが現状ベストかなぁと思います。というのも、このポジションの選手に今年求められるのが「FWを追い越す動き」だと思っているから。細かいパスワークを駆使してゴールを奪う際に、単純なワンツーなど2人で突破できる動きができればベストではあるんですが、非常に狭いスペースをかいくぐっていくにあたって、2人だけで崩せるシーンはむしろ少数なはずで、最も想定されるのが「上質なフリーランニングでフリーになった3、4人目」にラストパスが渡ってゴールを奪うシーンなのかなと。そうであるならば、やはりトップ下のどちらか(どちらも、でもいいんですが)がFWとうまく連携して相手の最終ラインにプレッシャーをかけ続けることが、ゴールへの近道になると言えるでしょう。大竹がその動きを全くできないとは思いませんが、現状は「パスの出し手」として使ってあげる方がベターで、これまた「使う方」というイメージが強い梶山との共存がいきなりはかれるかは、正直疑問。逆に「使われる方」として非常に魅力的なスキルを持つ羽生と梶山or大竹を組ませることで、戦術のベースとしての役割分担がはっきりしていいのかなぁという気がします。FWを追い越す、という意味では、鈴木達也石川直宏をここで使うという手もないことはないんですけどね。あと、田邉草民は、まずは狭い局面でもボールを失わないスキルのアップとフィジカル強化に頑張ってもらいましょう。
 そしてFW。カボレがやんごとなき事情で短期間に日本⇔ブラジルを往復せざるを得なくなり、開幕戦に関して言えば微妙なところですが、シーズン通して考えれば核になるのはもちろんカボレ。昨年は1トップ→2トップの1角→3トップの左サイドという変遷をたどりましたが、今季は2トップの1角がベースになりそう。もちろん場面によっては大きくサイドに開いてもらうのもよし、裏を鋭く狙ってもらうのもよし、ポストプレーに徹してもらうもよし、比較的自由にプレーさせたほうがいい気がしないでもないです。で、焦点は誰と組むか。候補は赤嶺真吾、近藤裕介、平山相太、鈴木、石川になりますが、昨シーズンのカボレとの愛称を考えると、平山、近藤はよほどアピールしないと厳しい状況で、赤嶺が一歩リードしているようにも思います。しかし、裏へ飛び出していくスピードに長けた鈴木、石川が全くノーチャンスかというと、全然そうじゃないでしょう。むしろ、細かいパスワークの仕上げ役という意味では、躊躇なく裏へ飛び出せるこの2人の動きは大きな武器になる面も秘めているかと。開幕戦のペアリングを含め、城福監督がどういうチョイスをするのか、楽しみですね。


 最後に、今季一番注目している選手を挙げてみますか。それは…今野泰幸、その人です。はっきり言って、昨シーズンはプロ生活の中で最も苦しんだといっていいでしょう。1月に代表合宿に呼ばれたことで、新生城福トーキョーのやり方に溶け込むのが遅れ、シーズン序盤こそチームの勢いも手伝って目立つ存在でしたが、徐々にフェードアウト。また、「激しいけど汚くない」ディフェンスがウリ(なはず)の今野が、1年に2度もレッドカードを頂戴した(まあ、2枚ともわざとではないんですが)ことも、個人的にはショックでした。思わずこんなエントリを挙げてしまうほど、今野について心配もしました。結局チームでもイマイチ弾けきらず(8月の名古屋戦のどフリーチャンスシーンでのパスや、最終節千葉戦での(厳しくみれば)判断ミスでレイナウドへ与えたPKなど)、代表でもベンチウォーマーとしての日々が続き、しっくりこないまま2008年シーズンが終わった、そんな印象を受けました。
 しかし、今シーズンは必ずやってくれると信じています。今野の持ち味は、なんと言ってもハードワーク&守備(危機察知)力。今シーズン、チームが攻撃的な姿勢を打ち出す中で、その今野のハードワーク、守備がチームを助けるシーンは格段に増えるでしょう。最終的には攻撃はうまく絡めるところまでいってほしいんですけど、とりあえずはシンプルに守備優先でプレーをしてくれれば(あるいは、城福監督がさせれば)、間違いなく良い時の今野に蘇生すると信じています。今見習うべきは、抜群に良かったころの鈴木啓太であり、マスチェラーノですよ。


 「昨年の悔しさをバネにして戦う」と口にする選手たち。「優勝を目指す」とはっきり公言した城福監督。「味スタを、今度こそ満員にする」と宣言したフロント。それは絵空事でも、希望的観測でもなく、紛れもない心の底からの決意表明であると、私はしかと受け止めました。それに対して、私は何ができるのか?それは、1試合でも多くスタジアムに足を運び、声高らかにYou’ll never walk aloneを歌い上げ、声援や手拍子で「ホーム」を演出すること。それが叶わずとも、テレビで、インターネットで、携帯で、新聞で、雑誌で、日々の東京の動きを追いかけ続け、東京の躍進を願うことかなと。2009年3月7日、この日が「東京、リーグ戦初制覇」「東京、アジア進出」への第1歩になることを祈って、久々の味スタを満喫したいなぁと思います。さぁ、明日はガッツリ並ぶぞ!(開幕戦と一部試合だけは、開門よりかなり早い時間に並ぶ人です)



P.S 隠れた目標としては、「一人でも多くの方と出会いたい」ですかね。勝手に読ませてもらっているブロガーの方、あるいは、恐縮ながら拙ブログを読んでいただいている方、もちろんそれ以外の方でも、とにかく「同じチームを応援するもの同士」でああでもない、こうでもないと語り合えたら…素敵やん。とりあえず、細身の180cmオーバーで、2007年シーズンの藤山のプロコンシャツを着ている人がいたら、それが私かもしれません、とだけ申し上げておきます(笑)