続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

J1第15節 浦和2−0東京 私的雑感

 いきなりやってきた酷暑でしっかりと熱を蓄えた「死の埼スタロード」。上からの熱を抑えても、照り返しで僕らの体を蝕むあの感じを、誰か何とかしてくれませんか?
 と、いらんところにイチャモンを付けたくなるくらい不完全燃焼だった試合。「サラッと先制して、相手の攻撃を凌いで、カウンターで追加点」というのは浦和の十八番ですが、それをコンプリートさせてしまったというか、自分達で浦和のその試合運びを助けてしまった感は否めません。中でも「アタッキングサードでの迫力不足」は目を覆いたくなるほど。本当はこういうものに個人の責任を持ち出したくはない(チーム・コンビネーションでどう崩すのかという見方が正しいと思うので)んですが、それでもあえて言わせてください、

平山、梶山、しっかりせい!!!

 と。賛否両論あると思いますが、私はここ数試合の平山のプレーの「目に見える右肩上がりっぷり」に大きな期待を抱いている人間の一人で、この日もどんなプレーで東京ファンを熱狂させ、浦和ファンを落胆させてくれるのか楽しみにしていました。が、終わってみれば大ブレーキ。とにかくポジション取りが(100%悪い意味で)中途半端で、「そこはボールホルダーがドリブルで入っていけるスペースだろ!」と言うところにデンと立って道を塞いだり、「お前どこまでボールを受けに下がるつもりだよ!」というシーン続出。時折上手くポジションをとってボールを受けても、この日のフィジカルはまさに「もやしっ子」レベル。シュートセレクションの拙さや精度のなさも重なって、はっきり言って平山肯定派の私もフォローしようのない酷い有り様でしたね。今年の東京のサッカーは「どれだけ効果的な縦パスが前線で見られるか」が一つのバロメーターであり、点に結びつく大事な要因となるわけですが、「得点を要求されているFW登録のトップ下」の選手にあれだけフラフラと意味なく動かれてしまっては、縦パスなんて入れようがないですよ。また、終盤は完全にサイドを制圧していたのに、エリアに入ってボールを呼び込む動きができなかったのも大いに不満。あの時間になったらポゼッションにこだわる必要はなく、「100%FW」としてプレーしなければいけない時間帯だったはず。せっかくサイドでボールホルダーがフリーになっても、エリアの中にターゲットがいなければどうしようもないでしょうよ。そのあたりの「試合を機微を読み取る力」とか「サッカーIQ」をもっと高めていかなければ、いつまでたっても「香りがする」とか「予感がする」で終わっちゃうよ?ただ、上でも書きましたけど、私は平山肯定派の人間。期待しているからこそ、この程度では物足りないんですよ。ハットトリックしたベルディ戦や、個人的には素晴らしい動きを見せていたと思う大分戦のようなプレーだってできるわけで、試合ごとの波の荒さをなくしていけるように努力して欲しいです。
 梶山。前半立ち上がりから複数でのチェックなどで「狙われて」しまいペースを掴めず、結局そのまま低空飛行し続け90分が終了した感じ。入りが悪くて調子を掴めず…というのは梶山に限らず往々にして見られるパターンですが、攻撃の起点となる選手にあそこまで軽いプレーをされると、かなり辛いです。
 そして、城福采配についても一言。「終盤ウィングバックの裏のスペースが空いていたので突きたかったが、カボレが疲れていた。そこで川口を入れた」と試合後に会見で答えていました。その交代は間違いではなかったことはその後の内容ではっきりとしていますが、平山を90分引っ張ったのは大いに疑問でしたし、石川の投入も遅すぎた感は否めません。また、負けているチームが3人の交代枠を使い切らないまま終わるのは、個人的には絶対やっちゃいけないことだと思っていて、この日ばかりは采配にも猛省を促したいところです。
 まあ、その他いろいろありますが、要は「ポテンシャルは秘めているけど、まだトップ3に居続けられるだけの実力はない」ということなんでしょう。そういう意味では、こういう試合をしてしまった次の試合でどれだけ改善が見られるかというのは大事な点。しかも、次はさらに難敵の鹿島が相手。このまま上位陣相手に何もできず連敗するのか、それとも蜂の一刺しが見られるのか、気を落とさずに次の土曜日を待ちましょう。


P.S 藤山には、ホントに頭が下がります。