続々々・メガネのつぶやき

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17年Jリーグ観た記 其の34 J2 千葉-福岡

 特長は存分に伝えられているものの14位と結果が伴わない千葉。対して、特長がしっかりと結果にも伝わっている首位福岡。砂塵が飛ぶバッドコンディションの中、千葉がホーム負けなしを継続したのか、福岡が首位を堅持したのか。

 

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短評

 千葉のエスナイデル監督は4バック(攻撃時4-3-3)を選択。一方、福岡の井原監督は5バック(守備時5-4-1)を選択。

 立ち上がりにこのチョイスがはまったのは千葉。ピッチの中にバランスよく11人が配置され、単純に裏やサイドとなると福岡に5枚でしっかり対応されたが、町田が前を向いてボールを持つ、あるいは指宿がしっかりと足下に収めるなど中にポイントを置くことができれば相手が収縮し、一気にサイドや福岡の選手間のスペースが効果的なエリアとなった。

 このままズルズルいくと千葉のペースになりかねなかったが、井原監督はすぐに決断。16分ころに4-4-2へシフトチェンジし、スペースを守るやり方から多少でもボールにアタックするやり方に変更。すると、すぐに効果は現れ、千葉は攻撃が窮屈になり、中盤でボールが引っかかる場面が増えたことで、福岡はカウンターで千葉ゴールに迫る。ここは今季初出場となった山本(海)を中心に千葉も失点は防いだが、流れは完全に福岡へ。結局スコアは動かなかったが、前半終了時の「我々が主導権を握れていた」というエスナイデル監督の言葉はいささか強がりに聞こえた前半だった。

 後半も福岡ペース。暑さもたたったか、千葉のハイプレスにややかげりが見え、福岡の中盤の選手がわずかながら、しかし前半よりは確実に余裕を持つことが出来た。こうなると千葉にとってハイラインは諸刃の剣を越えてリスクになり、何度か縦パス一本で裏を取られる場面が見られる。

 ただ、福岡は終わってみればシュート12本に対しオフサイドも12回。紙一重の部分もあったが裏抜けは五分五分に終わり、千葉は我慢して失点は許さずに時間を過ごし、79分に町田→キム・ボムヨンの交代から3バック(攻撃時3-4-3)へシステム変更すると、千葉が一気に活力を得る。85分には菅嶋が、アディショナルタイムには熊谷がそれぞれセットプレーの流れから決定機を得たが、あと一歩でネットを揺らせず。互いに違う狙いで、しかし互いにしっかりと攻め手も見せた一戦は、ゴールレスで勝ち点1を分け合う結果となった。

 

MVP:山本 海斗(千葉)

 ハイラインスタイルの象徴ともなっていた佐藤に代わり今季初出場。今季の佐藤と言えばGKというより最後のDFとして広範囲なプレーを見せていたので、果たしてどうプレーするのかを注目していたが、「自分は自分」としっかり認識し、エリア内での強さ、反応の速さで勝負。

 枠内シュートを6本浴びたがいずれもしっかりとセーブし、勝ち点1をチームにもたらした。選択の幅が広がったという意味ではチームにとって大きい価値をもたらすパフォーマンスだったと感じる。

 

MWP:山本 真希(千葉)

 この日の千葉のサイドアタックは左サイドの清武・乾が中心。とはいえ、左に偏っていたわけではなく、例えば指宿がボールを収める場面は「左サイドに流れてキープ→右サイド側にターンして相手をひきつけ、そのまま右サイドにパス」というプレーがメインで、右サイドからも攻め手はあった。

 しかし、どうしても「収めてから」になるので上がりのタイミングがやや遅れる場面があり、上がってきて受けてからのクロスも1本いいのがあった程度。また、船山との絡みもそこまで相手の脅威とはならず、エスナイデル監督に「もっと外から攻撃できればよかった」と言わせる要因の一人になった印象は否めなかった。