続々々・メガネのつぶやき

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17年Jリーグ観た記 其の23 J2 福岡-東京V

 しぶとい戦いぶりで勝ち点を積み重ね、上位に位置する福岡。この日迎えたのは、開幕当初の勢いにややかげりが見えつつある東京V。福岡が勢いをさらに増せたのか、東京Vが流れを変えられたのか。

 

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短評

 福岡は相手に合わせてか3バックでスタート。さらに、攻守の切り替えを強調し、失った後引かずに前からプレッシャーをかけ続けることで、東京Vはリズムを掴めず。

 一方の福岡の攻撃対東京Vの守備で見ても、福岡の前線3枚(ウェリントン、ウィリアン・ポッピ、石津)が流動的に動き、中にこだわらずボールを受けられていたことで、東京V守備陣が焦点を絞れず、最終ラインでなんとかしのぐ展開が続く。

 ただ、福岡に決定機があったかと言われると、14分に中をワンタッチパスで崩して石津がフィニッシュしたシーンのみ。また、東京Vも福岡のアグレッシブさをついぞ打ち破れず。前半は盛り上がりどころが少ないまま終了。

 後半、東京Vが勢いを持って入り、立ち上がり10分弱はリズムを掴んだように見えたが、長続きしない。また、今季の好調を支えてきたカウンターも繰り出せず、もたもたしている間に再び福岡のペースに。

 そして82分、途中出場のジウシーニョが駒野に浮き球のパスを送ると、駒野が丁寧にクロス。このボールをニアサイドに入り込んだウェリントンがヘディングで合わせ、均衡を破る。

 東京Vは反撃を試みるが、この日は最後まで攻撃陣が沈黙。福岡がこのまま逃げ切り、今季2度目のクリーンシートで勝ち点3を積み重ねた。

 

MVP:冨安 健洋(福岡)

 この日、きっちり要所を締めた福岡守備陣の中でも安定感・存在感が光ったのが冨安。

 主にアラン ピニェイロを見る形が多かったが、ほぼ前を向かせることがなく、空中戦でも渡り合い、終わってみればピニェイロはシュートゼロで途中交代。シーズン全体で見ても、ここまで9試合にフル出場し、イエローはわずかに1枚。昨季まではいささか残っていた線の細さも解消されつつあり、いまや守備陣の軸と言っても過言ではない。

 まもなく発表となるU-20日本代表にも名を連ねると思われるが、ここで一気に全国区となっても驚かない。

 

MWP:アラン ピニェイロ(東京V

 そんな冨安に、ほぼ完璧に抑えられたピニェイロ。今季ここまで10試合で6ゴールと数字を残している一方、シュートゼロに終わった3試合はいずれも敗戦と、まさにチームの勝敗に直結する選手。

 また、チーム全体が「いい守備からいい攻撃」を目指す中、この試合はピニェイロ自身がどうこうと言うより、チーム全体がやりたいことを出来なかった部分はあるが、そんな中でも個でチャンスを作ることを求められる選手。そう考えれば、この出来は不満の一言だった。