続々々・メガネのつぶやき

主にFC東京、サッカー、当たらない競馬予想の3本立て。思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

09−10 その23 リバプール−リヨン

 CL第3節です。バルサ−ルビン、インテルディナモ・キエフとも悩みましたが、今季まだリヨンの試合を見ていなかったので、こちらをチョイスしました。バルサ−ルビン、インテルディナモ・キエフも興味深い結果になったようですが、こちらも…
リバプール 1−2 リヨン
スコア:41分 Y・ベナユンリバプール
      72分 M・ゴナロン(リヨン)
      91分 C・デルガド(リヨン)


 正直、引き分けが妥当だったかな?というような膠着したゲーム内容ではありましたが、最終的には現状の勢い、チーム状態の差が出てしまったゲームになりました。
 それは、試合前から明らかとなります。それが、リバプールのケガ人の多さ。依然アクイラーニは復帰できず、代表戦で怪我を負ったトーレスは欠場、ジェラードも強行出場しましたが24分でアウト、G・ジョンソンも理由は分かりませんがこの日は欠場と攻守(攻撃寄りですが)のキーマンを欠く状況で、代役もトーレスのところはエンゴグ、G・ジョンソンのところはこれがデビュー戦となるケリー、ジェラードのところがF・アウレリオと苦しい台所事情を隠せません。一方のリヨンは、直前のソショー戦でターンオーバーをして主力の何人かを休ませて(負けてしまいましたが)ここに望んできました。
 そして、試合の入りが良かったのもリヨン。攻めては右のゴブ、左のエデルソン&シソコがそれぞれ対面するインスーア、ケリーの両SBとのマッチアップにことごとく勝利し、クロスやカットインからチャンスを演出すれば、ミドルゾーンでもシェルストレームピャニッチが上手く相手をいなしながら、パスありドリブルありでコンダクトできていて、L・ロペスがあまり目立てなかったことで(それでも惜しいヘディングが1つありましたけど)先制点こそ奪えませんが、いつ点が入ってもいいような展開だったと思います。ただ、リヨンの攻めも良かったんですが、この時間帯のリバプールの守備が酷かったのも事実で、とにかく1対1での対応が淡白で、チャレンジしても交わされ続ける始末。加えて、プレスも個人が頑張っているだけでチームとして連動性がないためチャレンジした後のスペースのカバーがなく、そこを悠々と使われ続けたことが押されっぱなしの原因だった印象です。唯一、マスチェラーノだけは何とかフィルター役になれていましたが、それも基本「後追い」だったため、結局マスチェラーノ本来の持ち場のスペースも空いてしまってましたしね。レイナと両CBの頑張りがなければ、前半のうちに試合が決まっていてもおかしくないような流れでした。
 攻守入れ替えて見ても、リヨン優勢でした。リヨンは無理にチャレンジせず、パスコースやスペースを消す守備の形を取ってきました。こういった形に対しては、如何に少ないスペースを見つけて楔のパスを打てるか、あるいはドリブルで切り込めるか、もしくはサイドから効果的なクロスを入れられるか、この3点が攻略の鍵になると思いますが、リバプールは30分過ぎまではどれ一つできずじまい。楔のパスについてはエンゴグが相手を背負いきれず、ビシっとした縦パスが入ったのは1、2本ぐらいで、結果横パスが多くなってしまったことでリヨンの守備網にビシビシ引っかかる形に。ドリブルもカイトやベナユンが稀に突破できただけで、網を破りきれず。サイドからのクロスに関しても、インスーア、ケリーの両SBが守備の対応に追われ続けたことでそもそもオーバーラップできる回数が少なく、これまた1つ2つあったか無かったかぐらいのレベル。これでは、点を奪うのは難しいだろうなぁ…と思って見ていました。
 しかし、意外にも先制点を奪ったのはリバプールマスチェラーノがいい形でボールを奪うことができて、そこからカウンター気味の攻撃を仕掛けて点を奪ったわけですが、このシーンでリバプールが良かったのは、エリア内に5人もの選手が入って行けたこととでしょうかね。ここまでは、どうしても攻めがノッキングしてしまうことで後方からのサポートや追い越す動きが足りなかったんですが、このシーンでは前線の選手はもちろんのこと、右SBのケリーまでもがエリア内にいましたからね。一方リヨン側がまずかったのは、ボールホルダーへのチェックとファーサイドのカバーの2点だったかと。最終的にクロスを入れたのはF・アウレリオだったと思いますが、アウレリオは全くのノーマークだったんですよね。対応すべきは右SBのレベイエールでしたが、CBのクリス1人で対応しきれるレベルだったリバプールの選手の後方からの飛び出しに引きずられてバックしてしまい、アウレリオをフリーにしてしまったのが痛かったですね。また、前半は(数少ない)サイドからのクロスやセットプレーのボール対応で、ファーサイドを空けてしまう(見切れない)シーンが4つほどあって、漏れなくこのシーンもそう。ファーサイドでは完全に数的不利の状況を作ってしまい、ベナユンはフリーでシュートが打てていまいしたからね。この後ロスタイムにもう1つファーで相手をフリーにしてヘディングを打たれていて、これはロリスが超ファインセーブを見せて事無きを得ましたが、もしこれが決まっていたら、試合の結果は逆になっていた気もします。


 そして後半、試合は一気に膠着しました。お互い全くチャンスがなかったわけではありませんが、得点の匂いは一気に薄れました。で、これ!といった要因があったようには思えないんですが、強いて挙げれば、リバプールの守備がリヨンの攻撃を上回っていたことがそうなのかなぁと。守り方を変えたという印象はありませんでしたが、とりあえず無謀なチャレンジは減り、行ったとしても1対1でぶっちぎられるシーンはほとんどなく、完全な受身にならなかったことが大きかったかと。一方のリバプールの攻め、リヨンの守りですが、こちらもカイト、ベナユンが非常に広い範囲に顔を出し、そこからパスにせよドリブルにせよ、相手の嫌がる動きを見せられてはいましたが、ビシッとしたフィニッシュまでは行けず(行かせず)の状態。ここは、普段「3人目」として相手を崩しているカイトやベナユンが「1人目(2人目)」となってしまうことで、やや攻撃が正直というか、意外性を持たせられなかったことで、リヨンの守備陣が何とか対応できていたのかなぁと。
 しかし、試合はまたも突然動きました。72分、右からのCKをレイナがフィスティングするも、そのボールが一番遠いところでフリーになっていたレベイエールの下にこぼれ、これを上手くトラップしたレベイエールがシュート。これはレイナに弾かれますが、こぼれた先にいたマクンがダイレクトシュート。これまたレイナが超人的な反応で逆サイドへ弾きますが、再度こぼれたのはリヨン、ゴナロンの前。これをゴナロンがヘディングでゴールに流し込み、同点に追いつきました。まあ、レイナとしては精一杯で、弾いた後のボールが二度ともリヨンの選手の前だったのは、不運としか言いようがないところ。まあ、厳しく見ればレベイエールをフリーにしすぎたと言えなくもないですが、これは非常に狭いエリアでのゾーン&マンツーマンを採用するリバプールのセットプレー時の守り方では対処しきれない部分で、レベイエールに直接ゴールを許したんであれば問題でしょうけど、それはなかった(GK含めて守れた)わけですから、私はここは不運だったとしか言いようがありません。ただ、クリスのアクシデント(不可抗力ながら、カイトの膝がテンプルにまともに入った)のため投入された新鋭のゴナロンが結果を出した、そこに2枚目のカードとして投入されたゴミスも関わっていたことで、リヨンに流れが一気に傾きました。何とか逆転は阻止したいリバプールも、失点時のセットプレーでケリーが負傷して守備で2枚目のカードを切らざるを得なかった、加えて、3枚目の交代がここまで貢献度特大だったベナユンに代えてヴォロニンという、ちょっと解せないものだったこと(何に対してかは不明も、ベナユンが下がる際にブーイングがこだましていた)で、流れを引き止め切れません。
 それでも、リバプールはどうにかこうにかしのいでいて、「このまま引き分けか…」と思ったロスタイム、アタッキングサードに入るか入らないかのポジションでボールを受けたゴブに対してインスーアがチャレンジに行くも、ゴブが巧みなトラップでインスーアを外し、追い越してきたピャニッチにパス。受けたピャニッチはエリア内にドリブルに行き、シュクルテル(アッガーかも)と1対1になるも、さらに後方からゴブが追い越す動きを見せ、ピャニッチはゴブにタイミング良くパス。ゴブがすかさず入れたクロスは、リカバリーに来たシュクルテル(アッガーかも)の足先わずかのところを抜け、残るDFとGKの間をゴミスの潰れにも助けられて抜けていき、最後はファーサイドでフリーになっていた(これまた途中出場の)デルガドが落ち着いて流し込んで逆転ゴールをゲット!このシーンではインスーアがあまりにも簡単に外されてしまったことが全てでしょう。その結果、1つずつポジションがずれることになって、ファーサイドまで見きれなかったわけですから。で、試合はこのまま終了。リヨンが見事にアウェーで勝ち点3を奪うことに成功しました。


 リヨン。試合展開を考えれば、勝ち点1でも上々だったはずなので、勝ち点3は望外ながらも嬉しいでしょうね。で、今季初めてフルに見たわけですが、戦い方そのものは昨シーズンから大きく変わった印象はありませんでした。もちろん、ジュニーニョベンゼマという強烈な個が抜けた影響がないわけではありませんが、ゴブはここ数シーズンの中で最もコンディションが良さそうですし、シェルストレームがもう一皮向けそうな気配も感じましたし、ピャニッチ、エデルソンも十分にこのレベルで戦える選手であることが確認できたのは、個人的な収穫でした。守備陣は手駒的に不安が付きまとうところですが、トゥラランにすっかりCBとしての風格が漂っているだとか、この日は特例だった「CBゴラロン」が今後も使えそうな点を踏まえれば、ギリギリ何とかなりそうな気も。折り返しのホーム戦までのスケジュールが比較的軽い(ニース、ブローニュ、サンテティエンヌ)ことを考えれば、次も万全の布陣で望めそうなだけに、フィオレンティーナの結果次第では次でGL突破をほぼ決めることができるチャンスが巡ってきましたね。
 リバプール。深刻です。かなり深刻です。もちろんジェラード、トーレス、G・ジョンソンを欠けば苦しくなるのは当たり前なんですが、それを差し引いても深刻。攻撃に関して言えば、(上では全く触れませんでしたが)一番深刻なのがビルドアップの拙さ。未だシャビ・アロンソを失った穴埋めができておらず…というよりは、タイプ的にルーカスとマスチェラーノシャビ・アロンソの代わりが務まるはずもなく、この日もお馴染みの「CBをワイドに開かせて、そこにボランチ1枚を落として、両SBを押し上げる」形のビルドアップをしようとはしていましたが、効果的だったとは言い難い内容でした。解決策としては、ジェラードをボランチとして使うか、アクイラーニの復帰を待ってボランチとして起用する2つしかないと思いますが、いずれにせよ「タイトルを狙う位置」からこぼれないようにするために残された時間はそう多くなく、2人ともコンディションが整わない中でも同じやり方を続けるのかどうか、この後マン・U、アーセナル、アウェーのフルアム、そしてジェルランでのリヨン戦と厳しいスケジュールが続く中、ベニテス監督には重大な決断を下すことが迫られている気がします。