続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

M−1グランプリ 本戦雑感

 敗者復活戦はマイ採点を載せましたが、本戦はどうしようか悩みました(だって、1回戦〜準決勝までどれも見てないんだもん!)。ただ、どうせ偉そうに書くんなら、その勢いで得点も出しちゃいなよ!と何処かで誰かが囁いてきたので、載せます。そして、これだけ遅れて出す事を逆に活かして、大井競馬場で見たときの感想、録画で見直したときの感想と2つ載せたいと思います。
ダイアン(619点)
(現地 92点)
 去年は文字通りの惨敗を喫したダイアン。ただ、今年は準決勝で一番のウケをもらいここにやってきたとのこと。果たして、去年より間の使い方が効果的で、4分しかない中であれだけ間を設けて、かつ終盤にしっかりとピークを持って来れたことに、少なくない驚きと大きな笑いをいただきました。トップだけにどうしても「基準点」がそのまま点になってしまうわけです、その点は可哀想としか言いようがないですが、これが基準になることに、今年のM−1のレベルの高さを感じましたね。


(録画 88点)
 うーん、冷静に見るとやっぱり前半のエンジンのかかりの遅さが目立っちゃってましたねぇ。M−1で勝つためには、後半2分間のテンションで頭からやらないと辛いかもしれません。いろんなブログ等を見てると、「ダイアンはダウンタウンのやり方・流れをそのまま受け継いでいる漫才」という評価があるようで(ダウンタウンのやり方・流れ=ゆっくりと運び、ボケが「センスあるわぁ」という一言でボケ、それにがなる感じでツッコミを入れるやり方、だそうです。ざっくりいうと。)、そういう意味では、確かに前半のあのペースで例えば10分間やれたら、別の面白さがあるんだろうなぁという感じでしょうか。去年よりは抜群に良かったと思いますが、このスタイルでM−1を取るのは厳しい気がします。



笑い飯(637点)
(現地 89点)
 初っ端からWボケに走るのかと思いきや、完全に予想をスカされた西田さんの「いつも変わってくれるもんな」からネタを挟んでの「さっきやらしたるって言うたやんけ!」の一言に大爆笑。このままの勢いで乗り切れれば、と思って見てましたが、中盤の車上荒らしの下りがあまりにも闘牛士から飛びすぎたシチュエーションだったせいか一息ついてしまいました、私が。最後のWボケのシーンへのフリだったとしても、ちょっと残念。なので、最後のWボケにも乗り切れず、私はこの時点で「決勝はないな」という風に思ったので、この点数です。


(録画 88点)
 出だしのスカしが、笑いの量的に言えば全然会場に受け入れられてなくて、そこで掴みきれなかった分、最後のWボケも爆発するまでにはいたっていなかった感じ。なんだかんだ言って、お客さんはやっぱりWボケを待っていたんだなぁとしみじみ思いますが、私はオール巨人さんのコメントに全面同意ですね。もう7年も連続で決勝に来て、そこまでの6年勝てなかったわけですから、何か次の手を考えなければいけないですよ。車上荒らしを省いてすぐにWボケにいってたら、もう少し点数が上がった気はしますけどね。あとは、ダイアンと18点も差がつく内容ではなかったかなぁと。



モンスターエンジン(614点)
(現地 86点)
 正直に言うと、モンスターエンジンの漫才を見るのはこれが初めて。なので、スタイルとか雰囲気とか全く分からないままスタートしたわけですが、そういう人を取り込めるまでのデキにはなかったのかなぁと。ツッコミの大林さんがちょっと緊張していたのか、数回噛んだりテンポに乗り切れなかったりしたのも痛かったですし、序盤の勢いを最後まで持っていけなかった感じは否めませんでした。この時点で3位という評価は、致し方ないでしょうね。


(録画 86点)
 ダイアン同様、もっと長い時間でこのネタを作ってくれたら、相当面白いだろうなぁという印象を受けました。それこそ、4分しかないのに「よってここに表彰します」のくだりや、腹から手が出てくるまでの描写をあそこまで長くやることがM−1に臨むにあたってプラスかマイナスかと言われれば、私はマイナスだと思います。ただ、M−1出場3回目にして決勝進出という事実は揺るがないわけで、この結果を受けてこれを突き詰めるのか、M−1仕様にマイナーチェンジを施すのか、今後が楽しみではあります。しかし、現地で見たとき以上に大林さんの突っかかりは気になっちゃったなぁ。



ナイツ(640点)
(現地 91点)
 まあ、面白い漫才を見せてくれることは分かっていました。レッドカーペットにおけるダイジェスト版であれだけ笑わせてくれるんですから、4分になってボケが増えれば当然笑いも増すわけですから。ただ、逆にいうと同じテンションで、同じリズムで見続けていると、たった4分しかないんですが僅かな、ほんの僅かなマンネリを感じてしまったんですよね。そういう点では、競馬で言うと「安定して先行力のあるトップホースだが、G1でものすごい逃げやものすごい差しを見せた馬に惜しくも敗れる」というタイプなのかなぁという風に思いました。人によって好き嫌いが激しい下ネタを持ってきたのも、個人的には評価を下げた要因の一つでした。


(録画 91点)
 まあ、現地で見たときと同じ感想ですね。「ハハッ」とか「アハハ」ぐらいの笑いはあるんですけど、「ワッハッハ」まで行かないところに物足りなさを感じてしまいます。もちろん、この安定感は素晴らしいと思いますけど。



U字工事(623点)
(現地 92点)
 栃木弁での漫才という、一見飛び道具なコンビかと思わせておいての正統派漫才。まあ、関西弁だって方言な訳ですし、今年一年かけてこのスタイルとテレビで浸透させたこと+思った以上に滑舌と発声がいいことで、何のためらいや戸惑いもなく4分間楽しませてくれたことは、もう少し評価されても良かったのかなぁと。「ごめんね、ごめんねー!」のネタも、先に小さく謝らせておくというフリをした上でやっていたので、そこまで無理矢理感もなかったかと。例年なら余裕で最終決戦進出レベルでしょう。


(録画 93点)
 現地で見たときより面白かったです。手数がさほど多くなく、もっと長く見たいという点ではダイアンやモンスターエンジンと同じ印象を受けるところもあるんですが、それでいて間延びした感じはなく、このサイズでも十分に笑えましたからね。やっぱり、例年なら余裕で最終決戦進出レベルですよ。しかし、(皆さんかいてますけど)オール巨人さんが83点の低評価で、しかも手を上げて何か言いたそうだったところは気になりました。いずれ自身のブログに書いてくれると思うので、それを待ちましょう。



ザ・パンチ(591点)
(現地 86点)
 まあ、これは皆さんが書かれている通りで、「緊張しすぎだろ、浜崎さん。」という評価でいいでしょう(笑)。他のコンビと比べても手数の少なさや間をうまく使えなかったことが、相当レベルの高い大会になったことでくっきりと浮き彫りになってしまいました。あとは、松尾さんがネタ終了後にどこまで本気か分からないですけど「2本目もたっぷり練習したんですけど」と言っていましたが、出し惜しんでる場合じゃないだろうと、もっといい「死んで〜」フレーズがあっただろうと、そういう気持ちも残りました。


(録画 80点)
 よく見たら、松尾さんも相当緊張してましたね(笑)。むしろ、終わった後の今田さんとのくだりの方やナベさんのコメントの方が相当面白かったし。これからもレッドカーペット中心に頑張ってください、としか言いようがないです(苦笑)



NON STYLE(644点)
(現地 98点)
 完璧。4分間の漫才を終えた後に真っ先に浮かんだ言葉がこれでした。つかみにまさかの顔芸を持ってくる構成、ボケにツッコんで、そのツッコミに対して石田さんがさらにボケてもう一丁突っ込むというある種斬新なスタイル、スピード感がありながら、一切つっかかったり流れが止まることがない技術、息切れしない体力、何の文句もつけようがありませんでした。敗者復活戦の会場も驚くぐらいのテンションになり、終わって点数が出たときの歓声は、いまだに耳に残っています。終わった後、一緒に見に行った方から、こんなに素晴らしい漫才が身内から全く評価されていないという事実を聞いて、愕然としたくらいです。


(録画 96点)
 98点はあの会場で見たときの雰囲気に気圧された自分がいたので、ちょっと下げました(笑)。ただ、4分間という限られた時間の中でできることを全てやりきっている技術と構成は、完璧ですよ。この高得点は、納得です。



キングコング(612点)
(現地 91点)
 個人的には、第8位に終わるほどデキが悪かったとは思わないんですが、オール巨人さん、中田カウスさんの(愛のある)厳しい評価と、それを受けたときの2人の表情を見る限りは、見る人が見たら納得の結果なんだなぁということなんでしょう。NON STYLEがあれだけの漫才を見せたあとだけに、一見しただけでは見落としそうなアラが目立ってしまったということも言えるのかもしれないですし。期待していただけに、残念は残念です。


(録画 88点)
 序盤の梶原さんの挙動不審を3本とも言葉で拾わなかったことが最後まで響いたかなぁ。お口チャックマンの後の数秒も含めて、ツッコミで笑いを取りきれなかったことが痛かったと思いますね。他にどんなネタがあったかは分かりませんが、カウスさんの言うとおりネタのチョイスに失敗した感じはありますし、冷静に見れば審査員の低評価も納得です。



オードリー(649点)
(現地 98点)
 敗者復活戦をぶっちぎりで抜けてきたオードリー。そのときと同じネタをやったんですが、より研ぎ澄まされた印象すらあって、こちらも完璧と言っていい内容だったと思います。春日さんのまさかの噛みですら味方になるぐらい(もちろん若林さんの完璧なフォローがあってこそですけど)、場の空気もつかめていましたしね。U字工事同様、こちらも今年1年かけて春日さんのあのキャラクター+漫才スタイルを浸透させてきたことが、ここに来て完全に花を開いたということなのかなぁと。


(録画 97点)
 ネタの優劣はNON STYLEと双璧で、1点差をつけたのは会場の受けを評価してのもの。ネタ終わりの今田さんとの絡み、審査員のコメント、笑い飯の脱落コメントまで含めて、会場の評価で言えば文句なしの首位通過でしたからね。しかし、何度見てもあの春日さんが噛んでからの若林さんのフォローは素晴らしい。あそこで流れを途切れさせなかったことは、語り継がれてもいいレベルのものですよ。



 ここから最終決戦。


ナイツ(0票) 91点
 SMAPだったかぁ。個人的にはドラゴンボールを期待していたので…って言うのは個人的すぎる理由なので割愛。もちろんこれも面白いんですが…ってのも割愛。


NON STYLE(5票) 97点
 やっぱり完璧。しかも、私は1本目よりこちらの方が好きでした。まとまりすぎという評価もあるかもしれませんが、ここまで高いレベルでまとまっているという評価は、相当な褒め言葉だと思いますけどね。


オードリー(2票) 96点
 ここまで趣向の違うネタを2本持っていたとは、恐れ入りました。ただ、1本目ほど終盤に向けての盛り上がりがなかったかなぁと。その分、私はNON STYLEを上にとりました。



 というわけで、私もトップはNON STYLEでした。フリートークとかキャラクターを考えると、この結果を受けて「テレビ的」に売れるのはNON STYLEよりもオードリーだろうなぁとは思いますが、私はこの日の漫才だけを見た時に「ノンスタ強かったなぁ」という印象を強く受けました。この点はそれこそ十人十色な意見があるでしょうが、それもまた一興ですよね。では、また来年。
 はー、疲れた(笑)。