続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

府中牝馬S(G3)

 今日から思い出したように、久々に重賞予想を書き始めてみようかと。結果を振り返ったり収支をつけたり…は来年に回すとして、まずは、15%でも当たるかどうかお試し再開ということで(苦笑)

 なお、馬券は3連複3連単のみで、フォーメーションで15点になるよう買います。

◎ 05.トーセンビクトリー

○ 07.アドマイヤリード

▲ 04.クイーンズリング

☆ 10.クインズミラーグロ

△ 01.ヴィブロス

△ 03.デンコウアンジュ

△ 14.バンゴール

△ 08.ロッカフラベイビー

  本命はトーセンビクトリー。前走クイーンCではアエロリットに逃げ切りを許すも2着。そんな前走を筆頭に、これまで重賞で5走していますが、1800mは[1.1.1.0]に対し、根幹距離は2戦とも着外。そもそも、全6勝中4勝が1800mと、典型的な非根幹距離タイプ。なのに、推定人気は前走先着しているクロコスミアやオープン初挑戦となるワンブレスアウェイより下とくれば、ここから入らない手はないかと。

 血統的にも、先週東京芝はキングカメハメハを筆頭にキングマンボ系が好走連発し、毎日王冠でも父キングカメハメハ×母父サンデーサイレンスのダイワキャグニーが7人着ながらあわや馬券圏内という4着。同じ配合であるこの馬も、今の馬場は向いていると見ていいでしょう。

 ○アドマイヤリードの前走はどう頑張っても届かないレースで度外視可能。程よくクッションが効いて差しが届く馬場ですし、戸崎Jが変に溜めすぎなければ今回はしっかり伸びてくるかと。

 ▲クイーンズリングは前年の勝ち馬。この馬も非根幹距離の方が走るタイプで、前に行く組の中でしっかり脚を伸ばせそうなのはこの馬と見ます。☆クイーンズミラーグロは目下重賞5戦連続3着以内。勝ち味には遅いですがあまり人気にならないタイプで、今日も推定7、8番人気なら。

 △は4頭。ヴィブロスはさすがに叩き台なはずで、ちょっとパワーがいる馬場に適性があるかも若干疑問なので押さえまで。逆にデンコウアンジュはこういった馬場で差し込んでくるタイプ。バンゴール、ロッカフラベイビーはキングカメハメハ産駒ということで。馬券は3連複

3連複フォーメーション ◎-○▲☆-○▲☆△ 

 

現実逃避の夢物語 ~監督人事篇~

 「ピンチはチャンス」という言葉。私自身はネガティブよりな人間なので「いや、ピンチはピンチだろ」と苦笑いを飛ばすことが多いわけですが、こと現在FC東京が置かれた状況は、無理やりにでもこの言葉を用いるべき場面、と言えるかもしれません。

 この2年間で、残念ながらいろいろなものが崩壊しました。もはや、土台すらなくなったと感じている方もいるでしょう。しかし、このオフの動き方次第では、いろいろな人の覚悟――そうやすやすと使っていい言葉ではないと思うが――が行動に繋がれば、「リビルディング」に向けて幾ばくか明るい未来を感じ取ることができる…かもしれません。

 そのために、フロントは一にも二にもここ一連の失敗を自戒し、次の一歩を改めて言葉で示し、その考えに沿った新監督・コーチ陣、あるいは選手を整える必要があります。今オフ、私は少なくない選手の入れ替えがあると思っていますが、その動きがある前にまずは新監督を決め、フロントと監督がしっかりと意識をすり合わせたうえで動かなければ、元の木阿弥でしょう。

 そんな中、マスコミでは来季の新監督ネタが頻繁に踊るようになりました。やれドイツの鬼軍曹、やれ日本でもお馴染みの韓国の方、やれ3連覇達成監督、やれ3冠達成監督。飛ばしも含めてでしょうけど、いろいろな名前が取り沙汰されています。

 実際、フロントがどのような決断をするかは行方を見守るのみですが、私自身は希望(妄想)として、そろそろ(FC東京に限らずJ1クラブが)「下部カテゴリーで一定の成果を残した監督のヘッドハント」をしてもいいのでは?と常々考えています。

 

 

 現在、J1の18クラブで指揮を執っている監督の前歴を羅列すると、以下のとおりになります(間違っていたらごめんなさい)。

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 外国人監督&新潟・呂比須監督を除くと、就任する前年に他のJクラブを率いていたのは甲府・吉田監督、清水・小林監督、G大阪長谷川監督の3人のみで、そのほかは軒並み内部昇格かつ下部組織指導経験者。そのほとんどがシーズン途中の就任だったことは考慮すべきでしょうけど、いささかフロントが安易な選択に逃げているように見える側面もあります。

 もちろん、内部昇格が一律ダメだ、なんて言いません。内部昇格した監督が、前監督が築いてきた流れを踏まえながらも一手加えてさらにチーム力を上げるケースはしばしば見られますし、下部組織の監督・コーチ、あるいはトップチームのコーチとしての研鑽が、トップチームの監督になった際に成果として現れることも往々にして見られるので。

また、世界的に見ても「下部組織からの昇格」はケースが増えてきている印象。要因としては、世界的に選手獲得にかかるコストが膨大になり、これまで「育てて売る」ことにこだわってこなかったクラブも含めて育成部門が大きく見直されているなか、育成部門が整備されてカテゴリーが増えた分、指導者が必要となった=指導者の枠が増えていること、そして、育成部門の枠でキャリアをスタートさせる指導者が増えてきたことが挙げられるでしょうか。

特にドイツではその傾向が顕著。詳しくは皆さんご自身で調べていただくとして(苦笑)、特筆するならば若干28歳でU-19監督からトップチームに引き上げられ、昨季CL出場権を手にしたホッフェンハイムユリアン・ナーゲルスマン監督でしょう。また、今季はシャルケに就任したドメニコ・テデスコ監督が、若くして指導者となり、下部組織から引っ張り上げられた監督として注目されています。

 

 一方で、世界的に見てベーシックな監督人事のもう1ルートは「他チーム、特に下位・下部カテゴリーで成果をあげた監督の引き抜き」。日本に比べて各国とも「メガクラブ→ビッグクラブ→スモールクラブ(ここまでがトップカテゴリー)→2部以下の下部カテゴリー」の序列がはっきりしているなか、下部カテゴリーから指導者キャリアをスタートさせ、日々研鑽を積みながらしっかりと結果を残し、徐々に上位カテゴリーのクラブにひっぱりあげられていくケースはこれまでも、これからも頻繁に見られていくでしょう。

つい最近で個人的好例を挙げるとするならば、今季ローマ(イタリア)の監督に就任したエウゼビオ・ディ・フランチェスコ監督。選手としてもローマに在籍し(中田英寿さんともプレー)、イタリア代表としても12試合1得点を記録し、05年に引退。その後、指導者としてはレガ・プロ(3部に相当)のクラブからスタートし、11年に当時セリエBだったペスカーラで名を上げ、続くサッスオーロでは紆余曲折を経ながらも、12-13シーズンにはセリエB最優秀監督に選ばれ、15-16シーズンにはセリエA6位と躍進。その指導力を買われ、今季いよいよビッグクラブであるローマに辿り着きました。

 どのようなルートを辿るにせよ、大事なのは監督自身が「野心」を持っていられるか?そして、そんな環境をその国のリーグ全体で醸成することができるか?だと思っていますが、そんな中、日本もようやくJ3まで整い、現時点でJクラブが54ある状況にもかかわらず、いつまで経ってもトップカテゴリー監督への道が「内部昇格>>>引っ張り上げ」という図式が続くことが良いことだとは思っていません。それこそ、日本独特の「大学」の指導者界隈まで目線を広げれば、もっと裾野は広がってもいいはずで(昨季、明治大学からJ3盛岡の監督に就任した神川明彦さんのような例がどれだけ続くか)。まあ、大学で指導されている方のうち、S級ライセンスを持っている方がどれだけいるのかは分かりませんけど。

 

 

 と、ここまでやや蛇足が過ぎましたが、話冒頭に戻って、私は来季の監督に「下部カテゴリーからの引っ張り上げ」を希望(妄想)しています。現に、J1でチャレンジしてほしい、チャレンジさせてもいい監督が複数いるとも思っていて。その方を3名挙げてみます。

 まずは高木琢也監督(長崎)。当ブログや私のツイッターでしばしば名前を出していますが、今季も手腕を発揮中。それっぽく横文字で表現すれば「ソリッドでオーガナイズされたチームを作る」という評価になりますが、それ以上にスカウティングの確かさがお気に入りで。そのあたりを、宇都宮徹壱さんがコラムにされているので、御一読を。

 

 コラム内で、解説者時代のことも少し触れられていました。指導者の条件として「自らの哲学・イメージをしっかりと具体化できる能力」の重要性がこれまで以上に求められていると感じているなか、高木監督の解説は非常に耳馴染みが良く、端的に状況をコメントできていた印象で、それが指導者になってもいい方向に出ているのかなと。

 とすれば、戸田和幸さんは指導者としても面白そうだなぁ…とか、A田豊さんはちょっとなぁ…ってのは話が逸れるのでやめますが、高木監督のJ1初挑戦は、なにとぞ東京で…と夢見る日々はまだまだ続きます。まあ、長崎が昇格できたら素直に称賛するのみで、その夢は諦めますが(苦笑)。

 

 続いてリカルド・ロドリゲス監督(徳島)。今季から徳島を指揮し、現在7位と昇格プレーオフ圏内を視界に捉えているその結果以上に、「しっかりとボールを持ち、失ったら激しく行く」「『ボールを持って攻撃的なサッカーをするチームだけれど、勝てないね』ということでは意味が無い」という哲学を明確に持ち、戦術的にも3バック・4バックを無理なく兼用できる幅の広さを見せ、若手の登用も躊躇なく行うその内容に、高く評価する声が聞こえてきます。

 おあつらえ向きに(?)、今月発売された「月間フットボリスタ第49号」に、岡田明彦強化部長とともにインタビュー記事が掲載されていて(聞き手は川端暁彦さん)、非常に読み応えがありました。FC東京の現状と比べれば羨ましいほどフロントと現場が噛み合っている印象しか伝わってこず、「やっぱり、とっくによほどのことが起こってたやん!」と某GMに文句の一つも言いたくなるところですが、今の最先端を行く「ポジショナルプレー」の哲学をもし今の東京に注入してくれた…と妄想すると、夢は膨らみます。

 

 最後に、中田仁司監督(横浜FC)。長らく徳島の強化部長兼テクニカルアドバイザーを務めていて――いみじくも、その後任は前述した岡田明彦さん――、監督歴は(ウィキペディアによると)05年9月~12月まで名古屋(ネルシーニョ監督の解任による代行)、15年9月~11月までと、16年6月~現在まで横浜FCの2クラブしかありません。

 しかし、シーズン頭から初めて指揮を執ることとなった今季、現在4位とプレーオフ圏内に位置し、まだ自動昇格も目指せる状況にチームを引き上げています。そんな中田監督の良さは「修正力・臨機応変さ」。データを拾うと、今季16勝中1点差勝ちが11勝で、かつ今季50得点中後半の得点が31得点、特に61分以降に22得点と、「90分を通したゲーム運び、しぶとさを見せている」と評することができるでしょう。

まあ、これだけならほかにもありそうですが、前半リードしていた試合がここまで34試合中8試合しかなく(それ以下は草津、金沢、岐阜、愛媛のみ)、その成績が7勝1敗。つまり、全16勝中9勝は「前半リードしていなかった」展開でのもの。こうした数字を残していることは、ハーフタイムでの修正力、あるいは試合途中での臨機応変な判断が巧みであると言っても過言ではないでしょう。私が見た中での最たる試合が、第9節の千葉戦。当ブログで短評を書きましたが、ハーフタイムでの修正は鮮やかでした。

 

 

 いずれもJ1昇格を伺っているチームのため、今から声をかけることが難しいことは百も承知。また、契約がどうなっているか分からないので、今から声を掛けられるかどうかも不明です。もしも、かの3冠達成監督を就任させられたなら、人事としては一定の成果を得たと評価はされるでしょう。

ただ、何度目かの仕切り直しとなる今オフ、私はこういったチャレンジングな人事をやってみても面白いんじゃないか?と思っています。また、繰り返しになりますが、東京ではなくともJ1のチームがこうした下部カテゴリーで成果をあげた監督(前述した以外でも、山形・木山隆之監督、水戸・西ヶ谷隆之監督なんかは面白そう)を引っ張り上げるところが見てみたいですし、東京に関しては岡山・長澤徹監督を引っ張りなおしてくる、なんて人事も夢があります。

 いずれにせよなんにせよ、リビルディングの第一歩となる(はずの)来季の監督・コーチ人事がどうなるか、今はただフラットに眺めていようと思います。ん?今季について?…どもならず(苦笑)

よほどのことが起こったので

おそらく、よほどのことがない限り(それこそ体制の変更とかがない限り)、トップチームについて新たなエントリをあげることはないです。

re-donald.hatenablog.com

 

およそ2カ月前、当時のFC東京の現状を憂いた上記エントリを書いた際、文末にこんなことを書きました。そしたら、立石GMからまさかの「よほどのことがなければ…」発言。というわけで今日、大したことも思いついていないまま新たなエントリを書き始めているところです(苦笑)。

 

 

 前回のエントリを書いて以降(6/25アウェイ磐田戦以降)、東京が行った公式戦は12試合。その成績は、4勝3分5敗。前回のエントリ以前が10勝3分9敗とかろうじて勝ち越しだったわけですが、以降はまさかの黒星先行で、得失点も12得点18失点。事態は好転するどころか、よりマイナスに傾いています。

 とはいえ、この間全く見どころがなかったわけではありません。7/8ホーム鹿島戦では、営業部を始めとしたフロントの頑張りにより42,000人超を集めた味の素スタジアムが、石川直宏の――今になって思えば決意を持って行った――試合前の煽りから始まり、ゴール裏ファンの大きな歓声を中心に、久々に「ホーム」たる場所としての雰囲気を醸し出しました。結果は引き分けに終わりましたが、内容も見どころのあるものだったと感じています。

 また、サマーブレイク明けには3-1-4-2を本格導入。4バック時に大きな問題として見えていた「ビルドアップ時のどん詰まり」は、3バック+高萩(+インサイドハーフどちらか)に役割が整理されて比較的スムーズになり、どん詰まりのせいで生じていた「サイドバックの中途半端さ」は、物理的にウイングバックとして高い位置で振る舞わせることにより、かつ、室屋&小川の運動量豊富さにより解消。また、橋本は水を得た魚のごとく躍動し始めてゴールも積み重ね、山田、柳、ユ・インスらJ3で研鑽を積んできた選手たちも光るプレーを見せるなど、監督・コーチ・選手は「窮余の策」としてはほぼベストな回答を見せてくれました。

 

 が、そんな上げ潮ムードも一瞬限り。真夏の世の夢に終わります。引き金は「太田(&東)の起用」と「キーマンの離脱に対する篠田監督のリアクション」。

3-1-4-2導入後の2試合は左ウイングバックに小川を起用しましたが、3戦目となった多摩川クラシコでは太田を起用します。しかし、どうしてもボールを保持されてしまい、自陣で5-3-2の形で守りを強いられる中で、太田とインサイドハーフとの意思が噛み合わずに左サイドは前半から狙いどころにされてしまいました。それでも川崎側の決定機逸にも救われる形で1失点で食い止め、攻撃では後半盛り返して中島の先制点をアシストするなど意地を見せてくれましたが、どうしても「サイドバック」として振る舞う動きが、一人浮いてしまっているように見えました。

 さらに1つ飛んで神戸戦。ネルシーニョ監督のスカウティングがハマったことも相まって、前半はボクシングの判定風に書けば、ダウンもとられていないのに「10-8で神戸」と言えるほど、メタメタに押し込まれました。左インサイドハーフに東が起用されたこの試合、前半の大苦戦の要因を私はやはり左サイドの守備に見ていて、特に東に対しては試合後、こんなツイートをしたほど憤っていました。

 ただ、試合後に知人と少しやり取りした中で、こんなツイートがありました。

 これは言い得て妙で。マッシモ・フィッカデンティ(現鳥栖)監督の4バック+3センターハーフの守り方で、相手のサイドバックの上がりに対する策をものすごくシンプルに表現すれば、以下の図のとおりだったのかなと。

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 対して、篠田監督が3-1-4-2にしてから、3バック+3センターハーフ+両ウイングバックにしてほしい(と私が勝手に見ている)守り方は、以下の図のとおり。

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「ブロックのマッシモ」に「プレッシングの篠田」とチーム全体の守り方に明確な違いがあり、そこから派生しているところではありますが、端的に書くと、インサイドハーフが見るのか、最終ラインのサイドが見るのか、決定的にやり方が違います。

そんななか、付け焼き刃として急に始めた篠田(安間)式の守り方より、2年かけて、時には息苦しいと感じていたかもしれないほどの反復と緻密さで積み重ねてきたマッシモ式の守り方のほうが太田には染みている、あるいは東も意識の中にまだ刷り込まれていたであろう…と考えると、マッシモ式の守り方がどうしてもにじみ出てしまう、咄嗟に出てしまうことを全否定するのは、ちょっと言いすぎたなと思う部分があります。

ただ、そうは言っても「プロなんだから、今言われたことをしっかり認知してやってくれよ」と太田、東個人に思う部分があり、また、立ち上がりから右サイド(室屋&橋本)は篠田(安間)式の守り方ができていた(やろうとしていた)のに左サイドはそうではなかった=チームとしても練習で狙いを徹底しきれていない証左でもあり。この神戸戦の前半は、短期間で志向が揺らいでしまったことのマイナスが明確に表れた事案であったと言わざるを得ない、と考えます。

 

 さらに、浦和戦では室屋がハムストリングを痛めて離脱。3-1-4-2になってから一気にメインキャストとして、キーマンとして存在感を爆上げしていた室屋の代わりは存在せず、右サイドのエネルギーは大幅に失われてしまいました。また、高萩が日本代表に選ばれて不在となったルヴァンカップ準々決勝の2試合では、(私は試合を見ていませんが、もろもろの評判を見聞きすると)梶山が代役たり得ず。結局のところ、前述した太田や東の振る舞いに対する不満も含めて、思っていた以上に篠田(安間)式の3-1-4-2が「人の適性を選ぶ」システム・やり方であったことが浮き彫りとなりました。

 もちろんどのチームにも、どのやり方にもキーマンはいて、そのキーマンが欠けてしまうことのマイナスがどでかいことは火を見るよりも明らか。また、怪我は不可抗力な部分でもあるので致し方なく、高萩の代表選出は喜ばしいことで、かつこれが初選出ではなかったので、選ばれることは想定し得えたはず。となれば、無理に3-1-4-2にこだわる理由はなくなり、別の手段を講じてもおかしくないどころか、それが普通の考えのように思います。

 なのに、直近の4連敗を顧みると、篠田監督は3-1-4-2にこだわる采配を連発。特に横浜戦では1枚目の前田→永井はともかく、2、3枚目が米本→中島、橋本→ウタカで、最終的に2トップ2シャドーが大久保、永井、中島、ウタカという蛮勇な顔ぶれになり、けれど3-1-4-2はそれとなく守るという無理筋な采配。もう残り10分もない段階だったのでシステムがどうこうではない部分があり、同点、逆転を目指すためにリスクを負って…と書けば見栄えは良いですけど、あまりにも美しくないこの采配は、さすがに苦笑いせざるを得ませんでした。

 どうにかして、今の苦境を脱したいと思って始めたはずの3-1-4-2。それまで不満に感じていた部分がある程度解消できていたので、その決断は悪くありませんでした。また、5試合負けなしと結果もついてきました。そこは正当に評価しなければいけないでしょう。

ただ、シーズンはすでに半ばを折り返しています。今からトライ&エラーを繰り返してこの3-1-4-2を仕上げていくほどの時間的猶予はなく、また、皆さんはどう思っているか分かりませんが、私は今さら3-1-4-2を仕上げてほしいとも思っていません。言い方を変えれば、ここでまた4バックに戻したところで「はい、篠田またブレた~」と批判することはなく、もっと酷く言えば、篠田体制が来季も続かないだろうと私は考えていて、今季限りだという前提に立てば、もはや戦術面の良し悪しをつついたところで意味がないだろう、と。なので…というのは個人的理由が過ぎますが、いずれにせよ、なにか1つにこだわって、貫いて勝利を目指そうとするにはもはやいろいろな面で限界が生じていると思っていて、それよりはその試合で使える手駒の100%を出そうとするアプローチを取ったほうがいいのでは?と感じています。

 

 

 天皇杯も終わりました。ルヴァンカップも終わりました。リーグ優勝なんて夢のまた夢で、ACL圏内も現実的には難しい状況。さて、ファンはここから何を見ていけばいいのでしょうか?その答えは各々違うと思いますが、私は…ここにきてあえて抽象的に「意地」と「相応しさ」を感じたいなと。

もはや、勝て!とは言いません。その分、試合に向けての準備、その準備をピッチで表現すること、バラバラにならないこと、劣勢にも抗うこと、その他、プロフェッショナルとしての姿勢を「意地」という言葉に置き換えますが、とにかく残り試合全てで「意地」を見せてほしいし、私なり「意地」を感じられたら救いがあるなと思います。

 また、今の味の素スタジアムはとかく雰囲気がよくありません。大人がお金と時間を費やして足を運ぶに相応しい、あるいは子どもたちが夢を見に、いろいろ楽しみにしてワクワクするに相応しい、はたまた日本のトップカテゴリーを戦うに相応しい舞台であると、胸を張って言うことができません。それらがすべて、監督・選手・コーチ・フロント・スタッフのせいだとは言わないですが、前半に書いた鹿島戦のような雰囲気を取り戻すためには、やはり試合内容の向上が大きな要因であることは間違いありません。

 今季のリーグ戦ホームゲームは残り6試合。うち、3試合が9月に行われます。なんとか、切になんとか、意地と相応しさを取り戻す戦いぶりを見せてほしいと願って、今日は締めたいと思います。