続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

Jリーグディビジョン1第6節 東京1−2千葉 レビュー…というよりは

 月曜日、録画した試合を見直しました。つとめて冷静に見ようと心がけた結果、土曜日国立にいたときより怒りや悲しさはなかったかな。でも、より危機感は増してしまいましたよ。このままじゃ、気がつけば降格圏内から足が抜けなくなるんじゃないかって。
で、今日は千葉戦そのものというよりは、千葉戦も含めた開幕から1ヵ月半、8試合を見続けてきた中で自分の中に湧き起こってきた思いを書き殴ってみようかなぁと。ホントは昨日アップしたかったんですが、体調不良のため今日になりました。


1:「ディフェンシブコーディネーター」の登用
 あくまで私の印象ですけど、ここまで勝った試合も負けた試合も、「相手のやりたい攻撃」をやらせすぎなんじゃないか?「相手の良さを消す作業」を怠っているんじゃないか?というのがあります。
 新潟戦は、開幕戦で相手の出方が分からないということを差し引いても、後半の3トップ中心の早いサッカーに対応できず敗戦。浦和戦は今季から標榜する「パスサッカー」をものの見事にやられて敗戦。山形、一つ飛んで神戸戦は、山形・神戸がそれぞれやりきれなかったおかげもある勝利。柏戦はとにかく(苦笑)惨敗。磐田戦も勝ちましたが、相手のサイドアタック、中盤の流動性にしっかりと応対したとはいえないまま終了。鹿島戦は開始15分の猛攻とお誂え向きのカウンターをやらせてしまっての敗戦。そして、千葉戦は「巻に当てた次」のマークを怠り続けての逆転負け。という感じで、相手のやりたいサッカーに飲まれてしまう試合ばっかりな印象です。
 一口に守備と言っても、「能動的な守備=チーム自身のベーシックな守備」「受動的な守備=相手の良さを消す守備」とがあると思うんです。鹿島のように、能動的な守備がこれでもかっていうほど堅いのであれば、受動的な守備をそこまで強調する必要がなく、逆に、京都のように受動的な守備のタスクをこなすことに特化してやるやり方も、間違いではないと思います。どちらに重きを置くのか、あるいは可能な限り2つのバランスをとるという選択はチームそれぞれの監督の色にもよってきますが、現状の東京はと言うと…引いて、あるいはしっかりとブロックを作って守れているわけでもなく、相手の良さを消せてもいない、いわば中途半端な状況にあると思ってます。
 で、この状況を解消するためには、とりあえず能動的、受動的いずれかに特化して、拠り所となる守備の仕方の構築が急がれるかと。奥原・有馬両コーチのいずれかがそれを出来るのなら一番手っ取り早いんですが、コーチ経験やお互いの選手時代のバックボーンを考えると、ちと難しいかな?というのが正直な印象。であるならば、フロントが第3のコーチとして、アメフトで言うところの「ディフェンシブコーディネーター」を一刻も早く連れてくるべきでしょう。城福監督自身も、攻撃のアイデアはたくさんありそうだけど、守備は…という風にも見えてきましたし。じゃあ誰を?と言われると困るところですが、ある程度ブロックやプレスのかけ方も教えられてる上で、「手の攻撃をしっかりとスカウティングできて、それに対する守備のタスクを植えつけられる(受動的な守備ができる)」タイプのコーチが個人的な理想。今パッと思いつくのは、かつて監督就任の噂も一瞬上がった、あの「人間力山本昌邦さんあたり。この方、コーチとしては一流だと思っているので。強奪できるなら、松田浩監督(栃木)あたりがいいんですけどね。


2:センターラインの構築
 結果が出ない。だから、いろいろいじる。このこと自体悪いことだとは思いませんし、いじっていく中でベストの形を見つけられれば最高だとは思いますが、ちょっと今年の東京はセンターラインをいじりすぎている印象。しかも、いじり方が微妙にハズしている気も。
 例えば千葉戦のユースケ先発起用、というよりは赤嶺ベンチ。1試合できっちり1点しか取れない中、赤嶺は磐田、鹿島戦と連続ゴール中でした。もちろん90分トータルで見れば頼むわ!という点もありますが、事実として「ゴールを奪えている」わけです。その赤嶺を下げてまで、ここでユースケを使う意味がどこにあったのか。千葉のDFラインとの相性?ユースケの調子が良かったから?あるいは赤嶺が良くなかったから?私には、そのどれもが説得力に欠ける印象しかありません。
 もう一つは梶山の起用法。つまるところ、彼はボランチなのか、トップ下(2列目)なのか。使われ方を見ると、城福監督は2列目での起用に何かを見出そうという雰囲気ではありますが、そろそろ「対外的にも」はっきりさせた方がいい気がします。同じことは今野(CBorボランチ)、羽生(ボランチor2列目)にも言えるところじゃないでしょうか。「強いチームはセンターラインがしっかりしている」とはよく言われることですが、ここまでブレブレになってしまっては、やはり苦しい気はします。
 蛇足ですが、ここ2戦で見せた4−2−1−3のような形でやるのならば、個人的な理想は以下のとおり。

――――――赤嶺――――――
カボレ―――――――――石川
――――――羽生――――――
――――浅利――梶山――――
長友――佐原――今野――徳永
――――――権田――――――
SUB:廣永、茂庭、椋原、米本、近藤、平山

 肝は梶山、羽生、今野はここでしばらく固定し、権田(帰ってくれば塩田)と合わせてセンターラインを固めることです。本当は1トップも先発は固定したいところですが、赤嶺と平山はどっちつかず過ぎて悩みますね(苦笑)。しかし、こうやって理想のスタメンを考えてみると、実は去年から人の部分では何も変わってないんだなぁと改めて思い知らされますね。「継続路線」自体は大歓迎したクチなので大きなことは言えませんが、足りない部分を補ったはずの補強が、今のところは何も効果をなしていないのかなと。で、北斗はいつ出れるんかね、北斗は!

3:左サイドの停滞
 上の理想スタメンを挙げた上で、開幕から気になりまくっているのが、長友の躍動しなさ。無尽蔵のスタミナで上下動し、効果的なクロスやオーバーラップを幾度も見せていたあの長友が、今季は存在していません。どうしちゃったの?と思ってる人は大勢いるでしょうし、私もその一人です。
 で、いろいろ考えてみた結果、結論から言えば、長友自身の問題というよりは「左サイドの攻撃そのものが機能不全に陥っている」と言えるのかなぁと。言い換えれば「カボレとの関係性」。躍動しまくっている石川&徳永の右サイドと比べてみれば、左サイドの流れのなさはガックリ来るレベルで、どこにその原因があるかを探してみたんです。その中でおっと思ったのが、千葉戦を解説していた川勝さんから発せられた「カボレがワイドに張りっぱなしなので、長友が上がっていくスペースが生まれない」という指摘。確かに、カボレはインサイドに切れ込むにしても、「ボールを受けてから」しか、そうしない事が多いんですよね。逆に今のナオは、オフ・ザ・ボールの動きで効果的に中へ入り込めていて、それによって生まれたスペースを徳永がきちんと使えていることで、右サイドの攻撃には可能性が感じられているのかなと。
 その解決策としては、「カボレにナオと同じようなことを求める」「ナオと同じようなことを出来る人を置く」「長友に多少無理目でも上がらせるようチームオーダーする」の3つのうちいずれかだと思っていて、さらに言えば長友自身のコンディションや迷いといった面を解決してあげる必要もあるわけですが、いずれにしてもハッキリさせなきゃいけないのはカボレの処遇。早々に周りも活かせる動き方を要求し続ける必要があると思いますし、正直今の動き・コンディションのままであれば、別の人を試す価値のほうが大きいんじゃないかと思ってさえいます。ただ、じゃあ誰を?と言われると非常に難しいところ。ユースケ?鈴木?大竹?北斗?…いずれも決定打に欠けるなぁ。エメルソンが残ってればなぁ…というところで、次の話。


4:補強はあり?なし?
 1のコーチの面も含めて、そろそろフロントは仕事してくれませんかね?という話。いない人の話をしても何にもならないとは知りながらも言わせてもらいますが、個人的にはエメルソンの放出を、実はいまだに根にもっていて、今頃残ってくれていれば、カボレの代わりに左ワイドを任せられたり、4−4−2の両サイドハーフも任せられたりしたのになぁという感じで。
 まあ、そんな恨み節はさて置き、補強については移籍期間云々があるのでもう少し後の話かもしれませんし、補強という外的要因がどこまで今の悪い流れを好転させられるかは微妙なところもありますが、外国人枠を残したままにしてあると言うことは…期待していいってことですよね?ブルーノも「飼い殺し」が続いていますし。


5:メンタルタフネス
 千葉戦で同点に追いつかれた際のユースケの行動(センターサークル付近で倒れこむ)については、もう何人もの方が言及されていました。ご多分に漏れず、私も同意見。あのゴールが、優勝を逃したVゴール負けみたいなシチュエーションなら、分からないではありません。でも、あの場面は、まだ同点に追いつかれただけなんですよ。何も失っちゃいないんですよ。それなのに、あの行動を見せてしまうメンタルの弱さは、ズブの素人から言わせてもらっても「ないわ〜」って感じ。試合終了後も何人かの選手は膝をつき、倒れこんでしまいましたが、倒れこむほど悔しがることになったのは結局自分たちの拙さのせいであって、言いすぎかもしれませんが、ファンにその姿は見せてほしくなかったというのが正直なところです。もっと言えば、あの試合倒れこんでいいのは巻と深井ぐらいなものですよ。
 そして、失点を喫してしまってからのガックリを引きずってしまう、周りに感じさせてしまう弱さも何とかして欲しいところ。90分間攻め続けることなんでほぼできないですし、どんなにいい試合をしていたって、どんなに完璧と思われる守備をしたって、思わぬことで失点を喫することだってあります。失点してもいいなんて言うつもりは毛頭ありませんが、やはりある程度は「覚悟」しておくことも必要でしょう。今の東京には、その「覚悟」が足りない気がしてしょうがありません。「1点取られてもいいから2点取る!」という風に考えるならわかります。でも、今は「失点が怖い。でも、2点目を取りたい」というあやふやな気持ちで試合をしている風に映ってしまいます。



 まあ、思ったことを散らかったまま書いたので、いろいろなご意見があると思いますが、今のうちに全て吐き出しておきたかったのでご勘弁ください。忌憚のないご意見は、ドシドシお待ちしております。