続々々・メガネのつぶやき

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17年Jリーグ観た記 其の35 J1 新潟-大宮

  ともに勝ち点8。ともにシーズン途中で監督を交代。置かれた立場は非常に似ていて、この試合で欲しいのはただ、勝ち点3のみ。それを手にしたのは。

 

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短評

 キックオフ直後のファーストプレーでいきなり新潟がペナルティエリア内に侵入するも、試合の主導権を握ったのは大宮。伊藤新監督になりボールを保持するところを強調しているとのことだが、大山や横谷が中盤で基点となり、彼らに入ったところで前線がポジションチェンジをしながらボールを受けることを繰り返す中、新潟守備陣はボールの取りどころを定められない。

 しかし、まだ単純なパスミスも多く、労せずに新潟がボールを取り返すこともしばしば。で、いざ攻撃に転じた新潟は単純明快「矢野へのロングボール」がメインアタック。対面が和田だったこともあってほぼほぼボールを収められていたし、SB原との絡みも悪くなかったが、クロスからチャンスを作れたシーンは1、2度。また左サイドはホニがやや孤立気味で、こちらも1度、チアゴ・ガリャルドが上手く絡んで山崎のシュートまで繋がるシーンはあったが、それっきり。

 すると27分、右からのサイド攻撃を新潟が一度しのぎ切ったかに見えたが大宮が二次攻撃を仕掛け、江坂が大山との大きなワンツーを決めてエリア内に侵入すると、キーパーの股下を冷静に撃ち抜いてネットを揺らし、大宮が先制。さらに33分、最終ラインからの縦パスがズレ、キム・ジュフンはクリアではなく繋ごうと試みるもコントロールを誤り、ボールは江坂の足下へ。そのままペナルティエリアの外から右足を振りぬいたシュートはゴール右へ突き刺さり、大宮が突き放す。

 新潟はここでロメロ・フランクに代え成岡を投入し、システムも4-1-4-1に変更して対策を試みるも、2失点目が効いたのか残る10数分、少しずつ寄せが甘くなり、大宮が気分よくボールを繋ぐ展開が続き、前半は大宮ペースで終了。

 後半も距離感がいいのは大宮。ハーフタイムに指示は入ったはずだが、新潟は依然相手を捕まえきれない場面が目立ち、岩上が2度、いい形のクロスを入れて新潟は冷や汗をかかされる。

 このまま大宮ペースのまま試合は進むかな?と思って見ていたが、ここで奮起したのが矢野。後半も矢野めがけてのロングボールが多用されたがことごとく競り勝ち、迎えた60分。最終ラインからのボールを矢野が難しい体勢ながら見事にフリックし、ホニが抜け出す。ここはDFが先にボールを触ったが、流れたボールを拾った山崎が胸トラップからのボレーを見事に叩き込み、1点を返す。

 すると、新潟は一気に盛り上がり、大宮は一気に揺らぎ、様相は一変。新潟は矢野へのボールのほかにホニが個人技で相手の脅威になり始め、基点が増えたことでボールを持っていない選手たちの動きがガラッと良くなる。一方大宮はボールがつなげなくなり、クリアに逃げる場面が増え、セカンドボールも拾えず防戦一方。

 このまま新潟が同点に…という流れだったが、途中投入の鈴木が決定機を逃したり、大宮GK松井が好セーブを見せたりとスコアは動かず。アディショナルタイムには20mのFKをホニが狙うも壁に跳ね返され、タイムアップ。大宮が貴重な勝ち点3を得ることに成功した。

 

MVP:矢野 貴章(新潟)

 前もどこかの試合で敗れたチームからMVPを選んだことがあったと思うが、当ブログはそんなスタイル。

 しかし、矢野の頑張りには頭が下がる思い。競り合いが強い選手をセンターではなくサイドに置き、長身ではない相手SBと競り合わせる狙いはしばしば見られるが、この試合は狙いがどハマり。また、競り合い以外でも1対1の仕掛けで推進力を出し、守備でも献身さを発揮。正直、矢野が不在だったと想像すると、この試合はもっとあっさり大宮のものになっていてもおかしくなかった。

 

MWP:成岡 翔(新潟)

 戦術上の理由により39分から投入。どのような狙いを持って投入されたか、これを書いている時点では監督コメントがでておらず分からないが、長いボール一辺倒に頼らず、ショートパスでももう少しアクセントをつけて欲しかったと仮定するならば、ボールをあまり引き出せていなかったし、受けた後のアイデア・精度も今一つと、少々不満の出来。守備では頑張っていたと思うが・・・。