続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

私的年間採点

 21年シーズンが終了しました。なかなかに厳しいシーズンとなってしまいましたが、終わってみればあっという間。また、FC東京は賑やかなオフシーズンとなりそうですが、それはそれで楽しみたいところ。

 

 さて、今回は「私的偏見による全選手年間採点」と評して、僭越ながらあれやこれや、各選手への(来季に向けた目線も含めた)思いをビシッと、ズバッと、端的に書いてみます。採点は10点満点の0.5点刻み。5.5がいわゆる平均点。エルゴラ風です。また、J1最終節の段階でチームに在籍している選手のみとなり、1試合(1分)でも出場していれば、名前を挙げています。あ、U-18所属の選手は省略です(森田、梶浦、安田、野澤)。

 良いも悪いも含めて書いているのでお気に召さない点もあるかと思いますが、誹謗中傷でなければご意見は大いに承ります!




GK 1 児玉 剛  5.0

 一部待望論も見聞きされたが、J1で上位を争いたいチームの守護神と呼ぶにはインパクトが足りない。波多野との違いは見せたが、それも一長一短。言ってしまえばセカンドキーパーとしても物足りない。



GK 13 波多野 豪  5.5

 成長は感じられたが、どこかこじんまり感も。今率直に思うのは、「今後、どういうスタイルのGKになりたいの?」という点。キャラクターだけではない、プレー面での「色」を来季以降示してほしい。



GK 16 阿部 伸行  -

 久々の青赤帰還も出場機会は訪れず。来季の処遇は分からないが、残る・残らないに関わらず、自身が後悔しないよう、この先歩んでほしいと願うばかり。



GK 33 林 彰洋  -

 大怪我から、今季はカムバックできず。もどかしさ、歯がゆさ、悔しさ、そうしたマイナスのエネルギーをすべて燃料にして、来季大爆発してくれることを願う。



DF 3 森重 真人 6.5

 GKも含め、チーム最多の出場時間。終わってみれば、今季も頼るべき存在は彼だった。…という評価を今季もしなければならないのが、良いのか悪いのか。来季、森重自身の衰えではない何かで、この状況が良い意味で変わることを願ってやまない。



DF 4 渡辺 剛  5.0

 忌憚なく言えば、「伸び悩み」が大きく見えてしまった1年だった。特に、判断の遅れ、ポジションのズレ、1対1の駆け引き、ヘディングの精度といった個人戦術に物足りなさを感じた。報道が事実ならば、今オフでの海外移籍が濃厚。もっとFC東京でやれること、ひいては、Jリーグでやれることあるやろ!と言いたいところもあるが、行くと決めたらならやってやれ!



DF 5 ブルーノ ウヴィニ  4.0

 大きなエクスキューズはあったが、最後まで真価を発揮できず。というか、エクスキューズが改善されたとして、その先に真価があるのか見定めるところまで行かず。特に、足元のプレーやカバーエリアの狭さはクエスチョンマークも。来季、噂されている監督とは…合わない?



DF 6 小川 諒也  6.5

 今季の、数少ないポジティブプレーヤー その1。簡単なミスや気の抜けたプレーは格段に減り、安定性が向上した。賛否両論の右サイドバック起用も、本人にとっては恐らくプラスの経験。来季のポジション争いは激しいと思うが、太田を追い越した時と同じよう、長友を実力で越えてほしい。



DF 22 中村 拓海  6.0

 今季の、数少ないポジティブプレーヤー その2。これまでのFC東京にはいなかった――強いて言えば、金沢浄さん以来――タイプで、感覚的なプレー・ビジョンを削ぐことなく、安定性や強度を高めていければ…という期待を持たせてくれた。薄らぼんやりのイメージだけで言えば、アルベルト監督が好みそうなタイプだが、果たして。



DF 25 蓮川 壮大  5.5

 主にルヴァンカップで研鑽。リーグ戦でもセカンドキャストとしてできる範囲のプレー。ルヴァンカップ準決勝で高い授業料を払った印象はあるが、それも経験のうち。オマリが去った中、左センターバックの座を狙ってほしい。



DF 28 鈴木 準弥  5.5

 夏に緊急加入。J1の強度に慣れる時間ももらいながら、怪我を負うまで右サイドバック質実剛健なプレーを見せてくれた。いわゆるクラシカルなサイドバックというイメージだけに、特徴が目立つ中村帆、中村拓との違いをアピールし続けてほしい。



DF 29 岡崎 慎  5.5

 今季は序盤から出番をもらい、いよいよ化けてくれるか?と期待したが、最終的には怪我などもあって飛躍を遂げられず。それでも、積極的に縦にボールを入れる意識の高さやその種類といった攻撃面では見どころもあった。来季は、勝負の年となる。



DF 32 ジョアン オマリ  5.5

 紆余曲折を経た契約延長だっただけに、序盤はコンディションの悪さが目立ったが、中盤は持ち味をフルに発揮し、最終ラインを引き締めた。しかし、長友との相性なのか年齢からくるものなのか、終盤は安定したプレーができなかった。それでも、在籍期間トータルで見れば、その貢献度に感謝、感謝。



DF 34 大森 理生  -

 先発出場ゼロなので、採点はなし。それでも、「0-8の悲劇」でJ1デビュー。ネガティブな経験をしないにこしたことはない、と私は考える派だが、これほどの出来事は、まさにかえっていい経験になると思うし、しなければいけない。リスタートの来季、自身を存分に示してほしい。



DF 37 中村 帆高  5.5

 2年目の飛躍を誓った今季、大怪我に泣くこととなった。それまでに見せていたプレーが個人的にはかなりの好印象だったので、なおさら辛いところもあったが、シーズン中にカムバック。その広島戦も、短い時間ながら勝利に大きく貢献。勝手に、来季への期待を膨らませている。



DF 39 岡庭 愁人  5.5

 ルヴァンカップ、J1でいずれも先発1試合ずつ。チームとすり合わせる時間が短く、本人は、自身のプレーに全く納得していないコメントを残したが、及第点は十分に与えられるものだった。正直、選手層を考えれば加入初年度即レンタル移籍で経験を積むこともありだと見ている。



DF 49 バングーナガンデ 佳史扶  6.5

 今季の、数少ないポジティブプレーヤー その3。アダイウトンレアンドロとの協調性があり、クローズな局面でのパス回しも平均点以上。そこから、筋力の強さも活かした速い球質のクロスはチームに新たな形をもたらし、夏場の連勝に大きく貢献した。来季にとどまらず中期的に見れば、岡庭同様、レンタル移籍で1年間コンスタントにプレーする機会を求める手はある。



DF 50 長友 佑都  5.5

 この帰還は、相当なインパクトを内外に与えた。代表との絡みもあって、正直コンディション的には最終節でようやく…だったし、チームとしても長友を攻撃の歯車に組み入れられず、不満が残るところもあった。ただ、来季は本人が何よりも望むワールドカップイヤー。年齢的にも、おそらく集大成。ゴリゴリの気合でチームを押し上げてほしい。



MF 7 三田 啓貴  5.0

 ルヴァンカップも含めた出場試合数だけ見ればチーム4位。怪我やコンディション不良もなく、年間通してプレーした点は評価に値する。ただ、内容は相当に物足りず。私の期待が高すぎるのかもしれないが、センターハーフにせよサイドハーフにせよ、器用貧乏さが表に出てしまった印象が強く、チーム力を押し上げる存在にはなれなかった。



MF 8 髙萩 洋次郎  6.5

 全く衰えていない、とは言わない。ただ、何人かの選手と異なり、経た年月、得た経験を新たな自身像に還元できる人間としての強さを、今季の高萩からは感じた。特に、プレスのメリハリ、相手に向かっていく角度、ボールを追い込んだ時や競り合い時の身体のぶつけ方など、ディフェンシブな面での向上が目立った印象。本人に愛想をつかされるまで、絶対に手放してほしくない。



MF 10 東 慶悟  4.5

 年間通しての評価は、三田とほぼ同じ。単発ではいいプレーもあったが(ディエゴへのクロスとか)、19年に見せた姿はもしかして幻だったのか?と思うほどプレーの強度は落ち、内外への存在感も希薄だった。挙げ句、ラストは規律違反。あえてシンボリックな存在にするが、これまでの奮闘に最大限の感謝を告げて、別の道を歩む時期に来ているのではないか。



MF 14 内田 宅哉  5.5

 怪我は不運だった。使われ方も安定しなった(右サイドバックは、正直向かないと思う)。そんな中でも、J1初ゴールを決め、どん欲にプレーしようとする意識はポジティブに捉えている。岡庭やカシーフ(や波多野)はレンタル移籍もアリだと思うが、内田はFC東京で勝負してほしい、となぜか思っている。



MF 15 アダイウトン  6.0

 今季もチーム最多の出場試合数をマーク(J138試合+ルヴァンカップ10試合+天皇杯1試合)。終盤は、攻撃と言えばアダの単騎突破ぐらいしかなくなり、厳しいマークに苦しんだが、それでもトータルで二桁のゴールをゲット。その頑健さ、勤勉さには頭が下がるばかり。目下の報道では、噂されていた中東への移籍ではなく残留の目も。残ってくれ!



MF 18 品田 愛斗  5.5

 長谷川前監督に1つ、大きな不満を述べるとすれば、「品田を、もう少し試してみてもよかったのでは?」がある。もちろん、ピンポイントで出番は回ってきて、そこでアピールしきれなかったからだと言われれば返す言葉もないが、センターハーフとしてのボールを受ける技術は、青木や安部以上。表現は良くないが、「恵まれなかった」と思う。



MF 20 レアンドロ  6.0

 Jリーグ公式サイトにおけるチャンスクリエイト数は、堂々のリーグ3位。その他、持ち味は存分に発揮した一方、ラフプレーによる長期の出場停止もあり、評価は分かれるところ。私は…それでも強力な存在だ、と考える。



MF 21 青木 拓矢  5.5

 チームとしてアンカースタイルが頓挫し、自身もチームのやり方になじむまで時間を要したが、中盤以降は徐々にその存在感を増していった。とはいえ、思ったよりフィジカルが強くなく、また、パートナーを選ぶタイプにも見えた。で、安部との相性は…60点ぐらい。頼りにはなるが、スイートスポットがめちゃ狭い印象を変えられるか。



MF 23 渡邊 凌磨  6.5

 今季の、数少ないポジティブプレーヤー その4。離脱期間の長さを差し引いてこの採点としたが、インテリジェンスが高く、90分ハードワークできて、ポジションもマルチにこなせる、現代的なプレーヤーという印象を受けた。黙して語らずタイプかもしれないが、負けん気はしっかりと表現できていたし、来季のさらなる飛躍を期待せずにはいられない。



MF 30 寺山 翼  -

 J1最終節でプロデビュー。正式な加入は23年シーズンで、西堂とともに来季どういう比重の置き方になるかは分からないが、まさに大学進学がプラスに出たタイプ。焦らずに研鑽を積んでくれたら。



MF 31 安部 柊斗  5.0

 分かりやすく、2年目の壁にぶつかった――私は、そんなシーズンに見えた。で、今安部にぶつけたいのは波多野と同じく、「今後、どういうスタイルのMFになりたいの?」という点。何を武器としてプロで生きていくのか。少なくとも、今季のプレーからはそこがうかがい知れなかった。小さく縮こまってほしくないからこそ、来季は今一度、特長を活かす方に全振りしても、と個人的には思っている。



MF 38 紺野 和也  5.5

 今季のマイベストゴールは、紺野のJ1初ゴール(第37節 広島戦)。その前触れは、広島戦の2週間前にあったが、非常にスキルがあり、思いも乗っかったエモーショナルなゴールだった。中村拓同様、アルベルト監督が好きそうな――それこそ、今季の新潟における高木善朗のような――プレースタイル。やるべきことはたくさんあるが、ディエゴをFWとして考えるなら、来季はチャンスが巡ってきても。



FW 9 ディエゴ オリヴェイラ  6.5

 本人的に満足なシーズンだったかは分からない。はた目からは加入後一番しんどいシーズンだったように見える。終盤は、ややメンタルが切れたようにも映った。けれど、終わってみればリーグ4位の13得点。結果はしっかりと残してくれた。長谷川前監督のスタイルにおいてはサイドハーフ(ウイング)的振る舞いがしっくり来たが、アルベルト監督はどう判断するか。見ものである。



FW 11 永井 謙佑  5.5

 昨季からずっと、「永井、もう肩良くならないのかな…」と思ってみていた。それぐらい、明らかに動きがぎこちない日々が続いていた。ただ、どの試合だったか忘れたが、夏場に「あれ、ひょっとして肩良くなってる?」という印象を受けた試合があり、終盤戦はかなりスムーズに動けていたように見えた(試合前の選手紹介VTRも、いつの間にか左足でのシュートシーンに代わっていたし)。まだ、終わる年齢じゃない。もう一花、期待したい。



FW 27 田川 亨介  5.0

 リーグ戦5得点はキャリアハイ。ものすごいミドルを決めたり、チェイシングからもぎ取ったゴールもあったりと、加入3年目にしてようやく目覚めたか!と思わせた序盤戦だったが、中盤以降はほぼ不発。ディエゴほど決定力がなく、永井ほど正しいスプリントができず、結局今季も「眠れる大器」のまま終わってしまった。