続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

塗り替えよう、エンディングを

 

 

 今年の男子サッカー界は、クラブワールドカップ天皇杯を残すのみ。Jリーグは、最終節&プレーオフに多くの悲喜交々を伴って、全日程を終了しました。

 しかし、高校生年代はこれからがクライマックス。かたや、冬の高校サッカー選手権。組み合わせも決まり、「さて、どこを見に行こうか?応援しようか?」と思いを巡らせている方も多いはず。

 かたや、JFAプレミアリーグ。WESTはヴィッセル神戸U-18とサンフレッチェ広島ユースが同じ勝ち点で並んで最終節を迎え、EASTは清水エスパルスユース、FC東京U-18、青森山田高校の3チームに優勝の可能性が残されています。

 そんなFC東京U-18。まあ、今年はほとんど試合を見ることができませんでした。上半期は「見に行かなかった」、下半期は「見に行けなかった」と個人的事情は異なっていますが、ユースカテゴリーを追いかけるようになってから、おそらく一番試合を見ていない年だった気がします。

 そんな私だから、旺盛なことは書けません。けれど、明日迎える最終節に向けて、思うところはあります。そんな思いをダラダラ書き連ねてもいいんですけど、あえてテーマを一つに絞るならば…「選ばれし、11人は?」となります。

 

 2017年当初。今季のプレミアリーグEASTの日程が発表された時、U-18を追いかけている方ならすぐに「ラスト3、昨季と全く同じやん!」となったでしょう。それもそのはず、全18節のうち、第16節がホームで横浜・Fマリノスユース戦、第17節がアウェイで鹿島アントラーズユース戦、そして、第18節がホームで青森山田高校戦。この3節は昨季も今季も、ホーム・アウェイまで含めて全く同じ日程になりましたから。

 よくよく調べると、プレミアリーグは少なくともここ3年、前期の試合の並びを後期もそのままあてる(ホームとアウェイだけひっくり返す)マッチメイクをしているので、試合順が前年と変わらないこと自体は、それほど驚くべきことではないのかもしれません(それより前は面倒なので調べていない)。

 しかし、昨季も今季も第16節の横浜・Fマリノスユース戦は3得点を奪っての勝利。第17節の鹿島アントラーズユース戦は厳しいドロー。そして、第18節の青森山田戦を前にしての順位は2位で、優勝の可能性を残している――足取りまで2年連続でほぼ一緒になろうとは、想像だにしていませんでした。

 

 これは、もっと大きな目線-シーズン全体の流れ-で見ても、同じことが言えることに気がつきました。

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 開幕の清水ユース戦(場所も同じ、味の素スタジアム西競技場)でガツンとかまされ出鼻をくじかれるも、そこから巻き返して勝ち点を積み重ねていく。しかし、青森山田、横浜・Fマリノスユース(ともにアウェイ)に往復ビンタを張られ、前期のうちに3つの黒星を喫する。

 それでも、ネジを巻きなおして迎えた夏のクラブユース選手権で見事優勝を果たし、後期は最終節まで負けなしで突っ走る。秋のJユースカップこそ、昨年は優勝、今年はベスト8と明暗が分かれたが、ちょっとにわかには信じがたい、それこそ冒頭で書いた通り「デジャヴかよ!」と言いたくなるほど、似通った道のりをこの2年間歩んできました。

 

 ここでふと、「2年連続で前期に勝ち点を伸ばしきれず、後期になってエンジンがかかる原因とは、何ぞや?」と考えてみました。が、結構な時間考えたけれど、結局明確な自答を得るには至らず。恐らく「今季、試合を見てないから」に尽きるわけですが、1つ推測できることがあるとすれば、「セカンドチームとの兼ね合い」が挙げられるでしょうか。

 来季どうなるかは分かりません。けれど、今季は昨季以上にU-18組にJ3での出場機会が与え「られてしまった」感は否めず。その是非はちょっと横において、現実として「毎試合メンバーが変わること」を強いられました。

 何を持ってベストメンバーとするかは判断が分かれますが、J3開催がなく、是が非でも勝利が欲しい第1節のメンバーを基準にして、「前節から何人スタメンが変わったか?」を調べてみると、以下のような結果に。

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 前期は、明らかな乱高下状態。こっちからスタートしてあっちに行って、また次の試合はこっちに戻ってきたのにその次はまたあっち。いくらこうなることを想定してやっていると言っても、やはり厳しい部分は生じてしまうと容易に想像できます。

 後期もスタメンが動いていないわけではありません。しかし、例えば9~11節はほぼ同じスタメンだったし、ここ3試合もJ3との兼ね合いがありながら、ほぼ同じメンバーが中核を担うにまで「固定」が進みました。それだけで勝ち点が伸びるほど簡単な世界ではありませんが、やはり前の試合で学んだこと、経験したこと、手ごたえ、反省点、それらをすぐ次の試合に活かせるのとそうでないとでは、選手たちにとっては小さくない差があるとは思います。

 

 そんな中で迎える最終節。昨季のラスト3は、16節・17節と全く同じスタメンで臨んだのち、18節で少しメンバーをいじってきました。結果こそ出ませんでしたが、私は戦術的な理由だったと思っていて、そこに納得感はありました。

 今季。先ほども書いたとおり、ここ3試合(15~17節)はほぼ同じスタメンで臨んでいます。2勝1分と結果も残しています。その一方で、何人かスタメンの変更を示唆するような記事も目にしました。

 ここまで全員で、本当に全員でシーズンを戦ってきました。期待通りにプレーできた選手もいれば、怪我などもあって満足にプレーできなかった選手もいて、周りの期待以上に伸びてきた選手もいるなか、J3も終了し、この1試合に集中できる環境が整った明日の試合。佐藤監督がどんな11人をピッチに送り出すのか、私には予想がつきません。

 逆に言えば、昨季の悔しさをU-18に携わる全ての人が脳裏に、胸に、感情に残した中でスタートし、1年間遮二無二戦ってきた末に選ばれる11人は、佐藤監督が示してくれる今季の「総決算」となるわけで。まずは試合前、スタメンを知るところに1つ注目を置いておきたいと思っています。

 

 そんな11人が、ベンチメンバーを含めた18人が、そして、FC東京U-18が超えるべき、いや、超えなければいけない相手が青森山田。今季が昨季に酷似していることはこれまで書いてきたとおりで、昨季は青森山田の意地にほんのわずか屈し、ハッピーエンドを迎えることはできませんでした。

 けれど今季、エンディングまで同じである必要性は、どこにもありません。昨季とは違い、勝てば優勝…ではありませんが、やっぱり、勝って終わりたい。開幕節の清水ユース戦後、「ついに始まった、真の『掛け持ち』との戦い」というタイトルでエントリをあげました。「終わりよければ全てよし」という言葉は正直好きじゃないし、大人の事情を高校生に繋げることは絶対に良くないこととは知りながらも、掛け持ちを一手に担ってきたFC東京U-18の今季が敗戦で終わってしまうのは、引き分けで終わってしまうのは、やっぱり見たくない。

 舞台は小平グランド。13時キックオフ。勝って、笑って、喜んで。今季こそはハッピーエンドであってほしいと強く願っています。