続々々・メガネのつぶやき

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17年Jリーグ観た記 其の19 J2 湘南-岐阜

 1年でのJ1復帰へ好スタートを切った湘南。対して、大木イズムが随所に見られ、ここに来て連勝と結果もついてき始めた岐阜。良い流れをさらに次へ繋げられたのはどちらか。

 

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短評

 試合は9分と早い時間に動く。齋藤のコーナーキックをファーでジネイがヘディング。このこぼれ球にいち早く反応した菊池が右足で押し込み、湘南が先制する。

 試合はこのあと、「中をこじ開けたい岐阜の攻撃」対「中を閉じる湘南の守備」でがっぷり四つに。しばらくは湘南が粘り強く応対し、岐阜はただ回している展開が続いたが、残り15分くらいからは徐々に岐阜におっ、と思わせるシーンが増え始めた。

 残り10分を切る頃には古橋、田中の両ウイングがタッチライン沿いにあえて張り付くポジショニングで湘南の横幅を広げさせた上で中も、というやり方で湘南は自陣に釘付けに。個人的には岐阜にポジティブさをより見つけられる前半だった。

 ただ、チョウ監督は「想定内。むしろカウンターからもう1点欲しかった」とコメントし、大木監督は「腰が引けている。何でいつも通りやれないの」と注文をつけたハーフタイムコメント。いやはや、サッカーは難しい(苦笑)

 後半立ち上がり、岐阜はさらにボール回しの基点を外に求め、狭いエリアに人数をかけて崩そうと試みる。湘南も杉岡を中心に1対1でやられない守備は出来ていたが62分、最終ラインの田森から、ここまでの流れを踏まえると意表をつくフィードが前線に送られると、反応したのは左サイドバックの福村。素晴らしいランニングで裏を取り、ヘディングでしっかり合わせてネットを揺らし、岐阜が同点に追いつく。

 ラスト20分は両チームのゴール合戦。71分にコーナーキックからヘニキが泥臭く押し込み岐阜が勝ち越すが、79分に岡本が30m級のミドルを叩き込み湘南が同点に。82分には奈良輪がエリア内でハンドボールを犯し、これで得たPKを庄司が冷静に決めて岐阜が再度勝ち越したが、85分に石原のクロスをジネイが決め、湘南がまたも追いつく。

 このあとも両チーム攻め合うが、これ以上スコアは動かず。6つのゴールが生まれた熱戦は痛み分けに終わった。

 

MVP:庄司 悦大(岐阜)

 この試合に限った話ではないが、山口時代同様、中盤でボールを司る庄司の存在感は目を見張るレベル。シシーニョ、永島との3センターハーフはここまで8試合不動だが、この3人の中でも冷静さとパスの正確さは高いレベルにあり、この日はより高い位置で攻撃に絡めていた。

 とにかく追い越す動きが目立つ岐阜の攻撃だが、それを可能にするのは出し手のボールの質や「失わない」という信頼感があってこそ。そのことを体現する庄司の存在は、無くてはならないものだと言うほか無い。

 

MWP:ジネイ(湘南)

 先制点に絡み、貴重な同点弾をゲット。これだけ見ればなぜMWPに?と思われるだろうが、個人的にはその他のプレーが不満で。

 特に、岐阜のボール回しを警戒して5-4-1で守っていた中、奪ったあとにボールを受けてタメを作り、後方からの押し上げを促してカウンターに繋げるプレーがジネイに求められていたと思うが、ボールを受ける場面で(主に)ヘニキに封殺され、カウンターに繋がらないシーンを多数作ってしまっていた。

 それが出来てていたら湘南が勝っていたかは分からないが、少なくとももう少し岐阜を困らせることは出来ていたはず。操作せられなかった点をより重く見て、厳しい評価を。