続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

17年Jリーグ観た記 其の7 J1 磐田-仙台

 開幕戦はゴールレスドローに終わった磐田。守備での手ごたえは得た一方、攻撃面での物足りなさはいくつかのメディアが指摘していたが、ホーム開幕戦で攻撃開花となったか。一方仙台は、札幌との「大事な」一戦をものにし、連勝を目指す一戦。

 

f:id:re-donald:20170305102533j:plain

 

短評

 まず主導権を握ったのは仙台。今季から取り組んでいる3-4-2-1、特に両ウイングバックが攻撃の基点となり、2シャドーが流動的に動くやり方に上手くアジャストできず、磐田がボールの取りどころを見つけられない。

 しかし、15分も経とうとすることには、ウイングバックに対してサイドバックが飛び出して対応することを徹底し、守備のバランスが改善。そうすると面白いもので、中盤でボールが引っかかるようになり、磐田が反撃を開始。それに対し、仙台は前で奪いに行くのか、一旦引いて5バックを作るのかが全く定まらず、磐田も陣形が整う前に攻めきろうと心がけたことで、磐田が立て続けにチャンスを作るが、シュートが枠に飛ばず。とはいえ、全体的に見ればお互い切り替えが早く流動的で、其の中で磐田が優位に立って前半終了。

 後半になると仙台が重心を自陣に下げ、はっきりと5バックで守ることを徹底したためにお互い攻撃が自陣から始まることが一気に増え、試合は攻守がはっきりする展開に。ただ、膠着したわけではなく、磐田は少し中村が下がり気味にポジションしながらゲームをコンダクトして、仙台はワンサイドに相手を寄せておいてからのサイドチェンジを中心に、お互いの攻撃が守備を上回ってゴール前に迫るシーンは減らず、見ていて飽きはこない状況。

 その均衡を破ったのは仙台。セットプレーのこぼれ球を石原が拾い、エリア内で粘ってキープした末に奥埜へボールを落とすと、奥埜がエリア外から右足一閃。右ポストを叩いたボールがネットを揺らし、仙台ベンチ前の歓喜の輪が広がった。

 追いかけたい磐田は選手交代で勢いをつけたかったが、全く好転せず。終盤は大井を前線に上げてパワープレーを試みるも、これも奏功せず。仙台が磐石に逃げ切って、開幕連勝を果たした。

 

MVP:石原 直樹(仙台)

 今季、仙台が3バック、1トップ2シャドーに取り組むに至った経緯は分からないし、システムのアイデアが渡邊監督の頭にあって取りにいったのか、それとも石原を獲得できたからこのシステムに踏み切ったのかも分からないが、とにかくこのやり方を広島で経験し、2年連続二ケタゴールを挙げた実績はダテではなかった。

 攻撃では2シャドーが広島時代よりも広範囲に動く中、それでも前線のターゲットとしてボケないようなポジショニングが巧みだったし、守備でも切り替えの早さや献身的なプレスバックでチームに貢献。正直、2シャドーは誰でも出来る人がやればいいと思うが、1トップは石原でなければ困る!と早くも思わせるパフォーマンスだった。

 

MWP:川又 堅碁(磐田)

 まず断っておきたいが、プレー内容自体は及第点に足るものだった。裏抜けもポストプレーも出来ていて、今季の主力の1人であることは十分に証明してくれた。

 しかし、シュート5本いずれもが枠外の空砲(1本、ポストがあったか)。川又の(が求められている)レベルからすればもっとキーパーを脅かして欲しかったし、特に前半の2本はゴールネットを揺らさなければいけなかった。

 それが出来ていれば結果が逆になった可能性は大いにあったし、川又自身常々「FWは点を取ってナンボ」と語るなか、それが出来なかった結果に対して、今日はこの評価で。