続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

当てはめてみる

【お断り】
 このエントリは、FC東京U−18に関して、いつにも増して中の人の妄想が爆発しております。というか、妄想でしかありません。
 実際のU−18は、新体制の下で新人戦を、以下に書き進めるものとは全く違うシステムや戦術で戦っており、(アクセス数などから見て、そんな人はいないでしょうけど)万が一ここに書いてあることを鵜呑みにしてU−18の試合を見に行くと、「全然違うやんけ!」という事態に陥ります。仮に、実際見に行かれて憤慨等の負の感情を覚えましても、中の人は一切責任を負いかねます(笑) そのことを御了承いただいた上で、興味のある方は読み進めてみてください。


 今季、トップチームはイタリアからマッシモ・フィッカデンティ監督を招聘し、中盤逆三角形型の4−3−3をメインシステムとして戦っていこうとしています。一方U−18は、昨季から継続しての4−2−3−1をメインシステムとして新人戦を戦っています。それで、「トップチームの4−3−3を、U−18がやったらどうなるんでしょか?」という妄想の火種が数日前にムクムクと湧いてきまして(仕事からの現実逃避とも言える)、どうせなら妄想100%で形にしてしまおうか、というのが本日のエントリの趣旨でございます。
 色々妄想を膨らませるにあたり、着眼点をどこに置こうかな?とまず考えましたが、結論としては「緩急」にしました。その詳細はそれぞれで述べるとして、まずは「チーム緩」の妄想イレブンを。なお、新1年生はまだ確実な情報を得ていないので(U−15深川、むさしから上がってくる選手はなんとなく聞こえていますが)、このイレブンからは除いています。

―――――――佐々木―――――――
渡辺龍――――――――――――佐藤
―――――長澤―――高橋―――――
――――――― 高田 ―――――――
田宮―――大西―――渡辺拓――相原
―――――――山口康―――――――

 こちらは緩急の「緩」、要約して言うと「ある程度ポゼッションも大事にしながら、ショートパス主体で崩していこうぜ」という面を重視して選んだ11人です。最前線にはキープ力があり、下りてきて受けることもできれば、ターンして前を向いて勝負も出来る佐々木をゼロトップ風に配置し、両サイドには「インバーテッド・ウインガー」(いわゆる「逆足のウイング」)として、右利きの渡辺(龍)を左、左利きの佐藤を右に置いて、中へカットインしてのシュートを積極的に狙わせるとともに、逆サイドにボールがあるときに絞ってプレーさせることで中盤との距離感を詰めて、密なプレーもできるように意識付けをさせたいなと。
 中盤はそれぞれがボールを持てて、運べて、捌ける長澤、高橋をCMFとして並べました。若干守備力に不安が残らないでもないですが、(能力差を差し引いた、ベタな表現として)チャビとイニエスタのようなイメージを持たせてプレーをさせてあげたいところ。2人とも、そういった気の利いたプレーが出来るタイプですし。そして、アンカー…じゃなくて「レジスタ*1のポジションには高田を抜擢。このポジションの候補として、普段U−18を見られている方なら高橋や安部をパッと思い出すかもしれませんが、高橋は上で書いたとおりもう1つ前で使いたいので候補から外し、安部は分かりやすく表現すれば米本タイプの選手だと思っているので、これまたもう1つ前で使いたい。では誰が?というところで、高田ですよ。去年、高田についてこんなことを書いたのですが、私は高田がレジスタをこなせる素質――攻撃面での視野の広さ、ショート・ロングのパスの使い分け、守備面でのカバーリング能力、(高橋や安部と比較しての)高さなど――を、今のメンバーの中では一番持っていると思うんですよね。まあ、ここは異論があるかと思いますが(苦笑)、CMFとして使いたい選手が多く揃っている中で、レジスタにバチッとハマりそうなのは高田かなぁ?と思った次第です。
 最終ラインは昨季からコンビを多く組んでいる大西、渡辺(拓)のCBコンビはできれば固定して、「チーム緩」のSBは、守備での貢献度を最低限求めた上で、ウイングが中へ絞ることによって生まれるサイドのスペースを瞬時に使える=前への推進力があり、クロスや自身も絞ってのシュートなど攻撃面で大きく寄与できる田宮、相原の2人にしたいなと。GKは意外と迷いましたが、足下の技術が及第点以上で、陣形が密になるが故に生じかねないポジショニングの齟齬をコーチングでしっかりと解消できそうな山口(康)で。響く声と戦況を見極める眼を持っていますよ、この選手。


 続いて、「チーム急」です。

―――――――西元―――――――
蓮川――――――――――――菱山
―――――安部――下平―――――
―――――――高田―――――――
山岸―――大西――渡辺拓―――柳
―――――――伊東―――――――

 「チーム緩」との大きな違いは、3トップの役割分担。「チーム緩」は下りてきてボールに絡む、中に絞って攻撃に絡める3人を置いたのに対し、「チーム急」は言うなればトリデンテ(=三叉の矛)。あえてウイングはサイドラインに背をくっつけるぐらいに開いて相手SBとの1対1を意図的に生み出し、そこで勝負させる。それに適したスピードアタッカーが蓮川、菱山と揃っているのであれば、同時に使ってみようじゃないかという発想。言い換えれば、「必要以上にこねくり回さず、ダイレクトに攻めてしまおうぜ」というのが「チーム急」のコンセプトです。最前線もポジショニングが巧みで、裏抜けもできる西元を配置して、意識的に相手最終ラインの裏を狙う。あるいは、意識的に「縦ポン」も戦術に組み入れる。そのことで、イタリア風というよりはオランダ風な3トップに仕立ててみたいなと。南や岩本もこの形ならウイングで十分に仕事してくれると思いますし、山口(智)も「チーム急」のCFなら何かハネそうな気がします。気がするだけかもしれませんが(笑)
 その分、CMFはスペースに、人に食らいつけて、身体をねじ込んでボールにアタックできる安部、下平を並べるのがベターでしょう。安部は(これは私の妄想ではなく現実として)今やチームに欠かすことのできない戦力で、佐藤監督が今強調している「球際」「食いつき」の部分では、このチームで群を抜いています。下平も、昨季はほぼAチームに絡めませんでしたが、中盤センターにドンと置いておくことによる安心感の確保はなかなかのものがありますから。城ヶ瀧、渡部を起用するのであれば、「チーム急」よりは「チーム緩」でしょうかね?あ、渡部はレジスタとして高田のバックアップとして面白いかもしれません。ロングフィードのイメージがもっとつけば、よりそんな雰囲気が出るかも。
 最終ラインの大西、渡辺(拓)は、上でも書いたとおり固定。で、SBは「チーム急」とは逆で、攻撃面での貢献度を最低限求めた上で、ウイングが前へ前へ…となることで自陣にも生まれてしまう相手SHとの1対1でしぶとさを発揮でき、片方のSBが上がったときに形成すべき3バックの1角として、CBとしてのプレーも可能な山岸、柳を置きましょう。左右どちらも遜色なくこなせる小山は、もちろんスタメンを張る実力はありますが、貴重な貴重なバックアッパーで。GKは行って来いの展開になって、ともすればカウンターを浴びるシーンも想定し、リーチがあって反射神経もある伊東で。もちろん、石原も伍した実力を持っていますし、松嶋もビッグセーバーの風情を感じる選手なので、割って入ることは十分可能でしょう。


 というわけで、一応新2、3年の名前は一通り出して…ないんですね。パッとお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、そう、大熊健太です。何と言いましょうか、良くも悪くも「ポジションレス」な選手なんですよね、大熊って。どこのポジションに置いて、そのポジションに適した仕事をさせるのではなく、まずどんな役割を与えるを明確にして、その上で、どのポジションでやらせるかという順序でピッチに送り出せば、私たちが想像もつかないプレーを見せてくれたりするのかなぁと。その目線で言えば、「チーム緩」では、積極的に下りてきてボールに絡みながら、機を見て前を向いてボールを呼び込むポストワーカースタイルを、「チーム急」では、90分間フルにと表現してもいいくらい、ひたすら相手最終ライン(CB)と駆け引きをしながら裏抜け一発を狙うフィリッポ・インザーギスタイルをやらせてみたら面白いのかなと。ともかく、昨年の蓮川のように何かひょんなきっかけで大化けする可能性を持った選手だと思うので、(これは妄想ではなく)密かに注目しておこうかなと考えております。


 はい、妄想はここでおしまい。現実に戻りまして、お断りにも書いたとおり、現在U−18は通称「新人戦」を戦っております。現在2次リーグ戦っており、2戦2勝。そして、今週末は同じく2戦2勝のヴェルディユースと、公式戦では久々となる「東京ダービー」がよみうりランドヴェルディグランドで行われます。トップチームの移籍絡みで因縁というか、変な感じになってしまいましたが、まあそれはそれとして。U−18同士のピュアな競争原理に基づく真正面のダービーを、ぜひとも1人でも多くの方に見ていただければこれ幸い、という言葉を締めに使いたいと思います。そんなこと言ってる自分が、見に行けるか微妙なんですが(汗)

*1:世の中のどの媒体も「アンカー」って書いている気がしますが、最後の一人になったとしても、私はフィッカデンティ監督がこのスタイルを指揮する限りにおいては「レジスタ」と呼び続けますw