続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

出場記録を眺めながら

 12月8日、慣れ親しんだ小平で浦和ユースに0−2と完敗。この試合のおよそ10日前には、自力でプレミアリーグ参入戦の切符をもぎ取ることが出来る位置にいながら、そこから大宮、浦和相手に連敗。最終的には6位にまで順位を落とし――プリンスリーグへの残留は決定したが――今季の公式戦全日程を終えることとなりました。まずは関わった全ての皆様、大変お疲れ様でした。まあ、思うところはたくさんありますが、今回は若干趣向を変えて、今季の公式戦の出場記録を眺めながらつらつらと書いていきたいなと思います。ん?U−18の出場記録がどこにあるかって?確かに、トップチームのような一覧になっているものはどこにも存在しません。だから、作ってしまいました!


https://docs.google.com/spreadsheet/ccc?key=0Aj_lUMxSgXDDdFNkbXVEN2FWek1OcVFxeFk4VDlPT1E&usp=sharing


 はい、こんな感じです。間違ってたら、誰か訂正してください。さて、今季U−18はプリンスリーグ関東1部(以下「プリンス」)18試合、東京都クラブユースU−17サッカー選手権大会(以下「新人戦」)4試合、日本クラブユース選手権大会(U−18)関東大会(以下「クラ戦」)5試合、Jユースカップ(以下「Jユース」)4試合、高円宮杯東京都サッカーリーグ2013関東3部(以下「T3」)8試合、合計39試合の公式戦がありました。それを改めて一覧にしてみると、なかなか面白い視点が生まれてくるなぁと、自分で作ってみて感じています。では、大会ごとに簡単に振り返ってみましょう。


 プリンス。前期(〜第9節)と後期(第10節〜)でこうもパッキリ分かれるかー、と改めて思わされたのが3年生の試合出場。(2大西を除く)1大野から11矢島までの10人が3年生ですが、「スタメンに平均何人の3年生がスタメンとして出ていたか?」を見ると、前期が5.1人だったの対して後期は2.7人とほぼ半減。特に、ラスト3節は1大野、11矢島の2名が名を連ねるのみでした。徐々に減っていく3年生を尻目に、チームは第11節〜第16節までの5試合を4勝1分で乗り切り、自力での3位以内(=プレミアリーグ参入戦の切符)を手繰り寄せられる位置にまでファイトバックしました。そして、その5試合はギリギリ「1大野+11矢島+もう1人」の3人がスタメンとしてプレーしていました。じゃあ、ラスト3試合も3年生を多く使っていれば勝っていた…というのは暴論かつたらればですが、それをも覚悟で言えば、最後尾の1大野、最前線の11矢島を繋ぐ3年生がもう1人欲しかったというのが本音です。
 中でも1人挙げるとすれば、今季のチームで最も腕章が似合っていたと思う5鴨池。11矢島と並んで、「声」でチームを盛り上げることが出来た選手ですが、後期はわずか2試合、21分しかプレーできませんでした。その理由はケガだと聞いていますが、実力的にもU−18日本代表に常に選出されるだけのものがあり、精神面でもチームを支えることが出来る彼の不在は、チームに小さくないマイナスをもたらしてしまったと感じています。また、最終節終了後のB戦を見てしまったが故に――3五勝出、4柳澤、6輪笠、7青木、8伊藤、10川上がスタートから出場し、9岸も途中出場。それぞれが傍目には好調期と遜色ないプレーを見せていたように見えたので――余計に「3年生が1人でも多く戦えていたら…」という思いを消せないでいます。今年の3年生、「飛びぬけたスキル」を持った選手はもしかしたらいなかったかもしれません。しかし、この10人が一堂に会した際の和は10以上だと思っていて、この10人が輪になった時の「やってくれそうな感じ」は、私の妄想を十二分に掻き立てるものだったと疑っていません。だって、右SBは下級生にお願いするとして、1大野がゴールマウスに鍵をかけ、3五勝出と4柳澤のエレガントなCBコンビがビルドアップを司り、5鴨池が左SBのポジションからチーム全体を締める。6輪笠と10川上のボランチコンビは長短織り交ぜたパスと粘り強い守備で中央に居並び、7青木は縦の矢印、8伊藤は横の矢印を主なベクトルとしながら、それぞれの持ち味を活かしてSHの位置から攻撃を仕掛ける。そんな、後ろのお膳立てを補完性抜群な9岸と11矢島が仕留める。ほら、文字にしただけで心躍りませんか?「やってくれそうな感じ」しませんか?夢を見すぎだと笑う方はどうぞ笑ってください。評価しすぎだといさめる方はどうぞいさめてください。少なくとも私は、この10人が同時にピッチに立つ姿を、1度でいいから見たかったです。実際にやってくれるところを感じたかったです。
 その一方で、一人、また一人と離脱していく3年生の穴を埋めた1、2年生の台頭も見られました。14長澤は全試合スタメンに名を連ね、出場時間1,554分もチーム最多。中盤ならどこでもこなすユーティリティさと、第9節浦和戦あたりから見られるようになった献身さは大いにチームの助けとなりました。19蓮川も徐々に出場時間を増やしながら、第9節浦和戦以降は完全にチームの主力、チームの武器になりました。2大西は守備の中心として、12田宮、13山岸の両SBはタフな上下動を繰り返し、17高橋は徐々に「戦える」ボランチへの成長を見せながら、それぞれ13試合、1,000分以上プレーし、チームのために戦いました。16伊東も1大野の不在を埋めるべく懸命にプレーし、20高田は最終盤大西とのコンビで来年も戦えることを示し、22渡辺はスーパーサブとしてゴールも奪いました。そして、15佐々木。第9節浦和戦で突然舞い戻ってきた男は、天賦の才をこれでもかと見せ付けました。もちろん、さらに成長しなければいけない点や改善しなければいけない点はありますが(ex:守備や周囲とのコミュニケーション)、今季に関してはこれでよかったと思っています。また、1年生も序盤は25南、38相原、中盤は28渡辺、30松嶋、終盤は29安部、36柳がそれぞれに一定の出番を与えられ、跳ね返されるシーンがありながら、同じくらいやり返したシーンもあったと思いますし、24大熊、27西元、32佐藤もわずかではありますがプリンスの舞台を踏むことができました。それぞれが、今年の経験をどう感じ、どう次へ繋げてくれるか、こちらは純粋な期待を抱いていたいです。
 …と言いたいところですが、来年へ向けての課題はまさにそこ。通年リーグが始まって3年、「スロースターター」と「前年の活躍・成長が次へ繋がっていかない」点が苦しんでいる要因であることは否めません。シーズンごとに必ず10人前後が入れ替わる宿命にあるクラブユースにおいて、どれだけ早くチームの形、チームの色を明確に出来るかは、重要な要素となります。もともと東京U−18は、かねてから見てこられてきた方々曰く「スロースターター」でした。春先に集中して行う1回戦総当り、計10試合の(当時の)プリンスリーグ関東を3連覇しましたが、あくまでもチームが目指すのはその後に行われるクラ戦、(当時の)高円宮杯、Jユースの3大会におけるタイトル戴冠であって、夏以降にグググッと上がっていく成長曲線を描ければ良いというスタンスだったそうです(要出典)。もちろん、2000年代後半の東京U−18はそれで上手くいっていました。また、今季の新潟のように「スタート出遅れ→大外ぶん回して一気に急上昇」というパターンもあります。ただし、Jリーグは1シーズン34試合あるからその芸当ができるであって、18試合しかないプリンスリーグプレミアリーグもそうでしょうけど)では、その出遅れが手遅れの大きな要因になりかねません。
 加えて、2011年以降毎年「3年生が厳しいかも…→でも、1、2年が埋めたぞ!来年こそは!→…あ、あれ?そんなもんだったっけ?」という流れを断ち切れていません。今年の3年生で言えば、例えば3五勝出は1年生の頃から将来を嘱望され、5鴨池、7青木、9岸、10川上、11矢島は2年生の頃に多くの出場機会を得て成長し、3年生になったら…という期待を抱かせました。全く3年生になって成長していないだなんて言いませんが(今年に関してはケガも多かったですし)、しかし、下級生の頃と比べると「もっと弾けていいんじゃないの?」と思わせる1年を過ごしてしまっている気がしています。私事ですが、中学校でサッカーをやっていましたがほぼ3年間補欠でしたし、高校に入ってから半年ほどで文武両道できずに部活を捨てた奴なので、何がそうさせるのかは分かりません。単純に「3年間右肩上がり」を描くのが難しいのか?天然芝と比較すれば腰や膝に良くないと言われる人工芝での日々の練習が成長とともにダメージも与えていて、その金属疲労が3年生になって出てしまうのか?あるいは、兄弟に例えれば、好き放題やってもあまり怒られない次男(=2年生)や三男(=1年生)の立場から、長男(=3年生)になったことで心境の変化などあってそれに上手く春先は対応できないのか?勝手に想像するならばこれら色々な要因が浮かんできますが、実際どうなのかはもちろん分かりません。
 ともかく、来季に期待するのはスタートダッシュ。いくつかすでに気になる点――正GKは?ストライカーは?退任した有馬さんの後継は?etc――がありますが、一にも二にもスタートダッシュを決めてもらって、いいリズムでシーズンを進めることができればこれ幸いかなと。


 新人戦。決勝に行けなかったのは横河武蔵野に敗れたことにつきますが、9岸は4試合で13点も取ってたんですね(笑) それで、来年もここが最初の大会になると思いますが、ここで優勝して(せめて決勝に行って)弾みをつけられれば、つけてほしいなと思います。決勝(3位決定戦)は西が丘で試合を見られる数少ない舞台ですしね。
 クラ戦。思えば、一番沈んでいた時期かもしれません。何せ、関東で敗退したのがもう10何年も前の話で、敗れた3試合のうち2試合見た記憶がありますが、いずれも完敗でしたから。この時点ですでに3五勝出、4柳澤、7青木がプレーできておらず(たぶんいずれもケガ)、9岸や11矢島も痛みと戦いながらのプレーだったとのことで、3年生が…という流れは始まっていたのかもしれません。逆に19蓮川は鹿島戦がブレイクスルーの鼻緒となった試合でしたし、28渡辺、29安部、38相原もここでの奮闘が国体に繋がった…というのは飛躍しすぎでしょうか?32佐藤はゴールも取れるよ!というプレーを見せてくれましたし。来年は、とにかく関東大会突破が最低目標。夏の群馬は酷な場所ですが、それすら愛おしいと思っている人はたくさんいるはずですし、選手たちも「全国」を肌で知れる数少ない機会を自らの手で得るために、頑張ってほしいと思います。
 Jユース。クラ戦が一番沈んでいた時期なら、Jユースグループリーグの頃が一番上がっていた時期かもしれません。水戸、仙台、柏と難しい相手に3連勝。しかも無失点。個の頑張りもそうですが、チームとしての守備意識、献身性、走力といったある意味での東京U−18らしさを表現できていたのが、このグループリーグ3試合だったのではないでしょうか。だからこそ、新潟に勝って札幌とやりたかったです。その後、新潟対札幌(1−0で札幌勝利)を味スタ西へ見に行きましたが、批判を恐れず言えばこの時期の東京のまとまり、どうにかこうにか熟成してきた戦い方を持ってすれば、十分に勝てたと思います。来年の今頃こそは、さらにしびれる戦いを目前に控えて…という場に身を置けたら嬉しいなぁと。
 T3。平日ナイターなのでなかなか見にいけませんでしたが、それでも20高田、29安部、32佐藤ははここでの経験をしっかり上でも活かしていたと思いますし、18下平、21石原、23山口、24大熊、27西元、31山口、33城ヶ瀧、34菱山、35岩本、37小山はここでの経験が必ず次に活きてくるはずです。また、表には記載しませんでしたが、U−15に所属する中学3年生――噂では、来年U−18の一員として見ることが出来るであろう選手――も数名出場しました。来年もT3でBチームは戦いますが、プリンスでは出番をなかなか得られない選手の研鑽の場として、あるいは中学3年生の貴重な経験の場として、1試合、ワンプレーを大事に戦ってほしいと思います。


 まとめっぽいことは…もうそんなに書くことありませんが(苦笑)、昨年の今頃書いたまとめは「結実」と銘打ちました。それに対して何か一言で表現するならば、今年は「未完」だったと思います。これまで書いてきたとおり、10月のチーム(プリンス4勝1分、JユースGL3連勝の頃)は完成に近づいたと言えます。ただ、「完成した!」とか「ここまできたか!」と確信できるほどの姿を見ることができたとは言えません。様々な要因で、未練タラタラな部分はあります。しかし、「未完」だったということは、見方を変えれば「伸びしろ」があるとも言えませんか?卒業して次のステージに進む3年生、来年最高学年となる2年生、経験を踏まえた1年生、それぞれの個人にたくさんあるでしょうし、チームとしても「この程度じゃダメだ」という実感に基づいてより成長しなければいけないと分かったのならば、今季は無駄にならないと思います。そんな、伸びしろを自分の力で、チームの力で埋めようとする選手たちの頑張りを、また来年でき得る限り追いかけられたらと思っています。
 そして、今年サッカー関連でブログを更新するのはこれが最後です(エントリ自体は今週末、有馬記念の予想が最後になると思いますが)。トップチームの採点を途中で挫折してしまったのは悔しさが残りますが、U−18についてはほんとにあることないこと、たくさん身勝手に書かせてもらいました。プリンスリーグ最終節終了後、3年生にファン有志が製作したのゲーフラを渡したのですが、その後とある親御さんから「読んでます」と仰っていただいて至極恐縮しておりまして。でも、それで筆を鈍らせるつもりはございません!来年も書きたいこと書くぞ!やるぞ、しゃーおらー!


東京にも雪の気配が近づき、いよいよ年の瀬、冬本番です。未完…じゃないや、蜜柑のおいしい季節になりましたね。では皆様、良いお年を。