続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

新人戦の3試合から膨らませる妄想

 トップチームについては今年に入って2度ほど妄想をぶっ放しましたが、U-18も新チームが始動し、1/25、1/29、そして2/5と東京都クラブユースサッカーU-17選手権大会(通称新人戦)を戦いました。この大会自体は2/11に西が丘で3位決定戦を残していますが、とりあえずこの3試合のうち2試合見ることができたので、またいろいろ妄想してみようかなと思います。誰か、これを叩き台にもっと話を膨らませてちょーだいな!が本心なんですがw


 まず、3試合(リオFC戦は前後半で大きな交代があったので、それぞれ)のスタメンをそれぞれ並べてみます。背番号はまたそのうち替わるので省略。

対リオFC戦 前半
――――岩田――アモス―――
二瓶――――――――――福森
――――小泉――野沢――――
吉田――浅野――徳田――武井
――――――大野――――――

対リオFC戦 後半
――――斎藤――矢島――――
金―――――――――――天野
――――川上――伊藤――――
鴨池――浅野――徳田――青木
――――――大野――――――

対トリプレッタFC戦
―――――岸――斎藤――――
二瓶――――――――――福森
――――川上――野沢――――
吉田――柳澤――五勝出−青木
――――――大野――――――

三菱養和
―――――岸――斎藤――――
川上――――――――――伊藤
――――小泉――野沢――――
吉田――柳澤――五勝出−青木
――――――馬場――――――

 もちろん、まだどのポジションもいろいろな組み合わせを試している段階ではありますが、DFラインでは吉田、中盤では野沢が軸として使われていくんだろうな、という点は確信に近いところ。吉田はトリプレッタFC戦、三菱養和戦ともに他のDFラインの選手が新2年生だったこともあってか、声でチームを引っ張っていく姿勢が十分見えましたし、堅実な守備とタイミングのいいオーバーラップはある程度計算できるレベルにあるかと。クロスボールの質とサイド深くで詰まった時のアイデアにまだまだ向上の余地がありますが、そこは今後の成長に期待。一方の野沢は昨年から主力としてプレーしてきたので、軸になってもらわなければ困る、やってもらわなければ困るレベルの選手。その視点から言えば、特に三菱養和戦のパフォーマンスはやや不満。これは後ほど書きますが、チーム全体がトップに倣ってポゼッション主体の戦い方へ移行するという話が漏れ伝わる中、今はまだそれを噛み砕いている途中であることは(彼に限らず)理解できます。けれど、前から書かせてもらっているとおり、もう少し自分の判断でメリハリのあるボールの受け方−DFラインに下がるなり、ボランチの相棒と縦の関係になって高い位置で受けるなり−にトライしてほしかったなと。野沢については目線を1つ上げて見続けていこうと思っています。やれる選手ですから。


 そんなこんなを前置きにして、それぞれポジションごとに。GKは馬場、大野、新1年の3〜4人体制。私はもろもろのタイミングなどで馬場をより多く見てきましたし、1対1の対応や瞬間的な反応は馬場の方が上かな?という印象がありますが、大野も見劣る部分があるわけではありません。で、スタメンを取れるか取れないかは、守備の部分にプラスアルファして攻撃の部分−ビルドアップに加担できるか、ショートパスとロングフィードをしっかり使い分けられるか−でしっかり貢献できるかどうかも大事な気がしています。また、新1年で昇格が予想される*1伊東は長身でリーチが長く、ここ2、3年の東京U-18GKの系譜とはやや趣が異なる選手。そういった別のベクトルの選手が加わることで競争は活性化しやすくなるので、新1年生ではありますがいきなりの台頭に期待する部分もあります。
 DF。CBは徳田、浅野、五勝出、柳澤、SBは右が青木と武井、左が吉田と鴨池、そこに新1年生がどう加わるかというラインナップ。SBは吉田と青木がファーストチョイスになるでしょう。吉田は前述したとおり、今年のDFリーダーとして多いに期待。青木はU-15時代にはバリバリFWとしてプレーしていたそうで、オーバーラップしての攻撃の迫力はさすがのレベル。守備も昨年後半に継続して使われていく中で徐々に間合いの詰め方や身体のぶつけ方が様になってきており、継続して成長してくれればこれ幸いかと。それに対し、CBがどうなるのかは全く読めません。それは、先ほどから書いているとおりポゼッション主体でビルドアップを大事にする戦い方にシフトすることを踏まえて、チームがCBに求めるプライオリティーとその組み合わせがまだ見えてこないから。それに、先ほど挙げた4人の「ビルドアップ力」と「対人の強さ」をそれぞれ考えた時、上手いことそれがイコールしないんですよね。あくまで個人的なイメージだけで具体的に言うと、ビルドアップ力は「五勝出>浅野>柳澤>徳田」という序列ですが、対人の強さは「徳田>五勝出>柳澤≧浅野」という感じで、それぞれ一長一短がハッキリしているという印象なんですよ。あえてトータルすれば五勝出が一歩リードというか、三菱養和戦を見てもセンスの高さを窺わせるプレーをしていたので、私は彼が中心になってやってほしいと思っていますが、決定的な軸と言えるほどではなく。とにかくビルドアップ力を重視するコンビになるのか、それとも役割分担をハッキリさせるのか。そのバランスをどこに取り、どういうペアリングを選択するのかは、今年のU-18の浮沈を握るポイントの1つだといっても過言ではないと思います。いきなり新1年生で昇格が予想される大西とかの抜擢も、あるか?


 MF。ボランチは野沢の軸は不動で、相棒に小泉、川上、輪笠の新2年勢、そして昇格が予想される新1年生の佐々木らの誰が名を上げることができるのか。この3試合では小泉と川上がそれぞれ試されましたが、三菱養和戦で試合途中に川上と小泉のポジションを入れ替えた点などを見ると、現状は川上がファーストチョイスとして考えられているのかなと。これまでの川上の本職はSHで、サイドに散らしたり前方のスペースへフィードしたりすることはできても、DFラインからボールをしっかりと引き出せるようなポジショニングや、近い目線のところで相手の脅威となるような縦パスや楔のパスを出せるというレベルにまでは到達していません。ただ、利き足が違うペアリングというのはボランチに限らずCBでもそうですが、こちらからすれば2人でしっかり前方180度の視野を確保できる―同じ利き足同士だと、どうしても死角が出てしまう―上に、相手からすれば身体の向きや視野の取り方を1つに絞りづらくなり、主にロングフィードの際にボールと選手を同一視野に収めづらいクロスのボールが両方から飛んできたりするなどパスコースの限定が難しくなるという脅威を与えることができます。その視点で見れば、野沢・川上というペアリングは面白いのかなと。もちろん、小泉がボランチではダメと言うつもりは全くなく、リオFC戦では上手くバランサーとして振舞いながら、野沢との縦関係が早くもしっくりきていた印象を受けたのでチャンスは多いにあるでしょうし、輪笠も身体の強さができてくればテクニックでは十分やれます。また、鴨池をこのポジションで使う手もあるでしょうし、U-15むさしで段違いの存在感を放っていた佐々木が上手くハマっても驚きはありません。いずれの選手をとってもボールを奪い「きれる」タイプの選手がいない点はどうしても気になりますが、そこはないものねだり…なのかな?
 SHは何もなければ左二瓶、右福森で固定して、ここを攻めのストロングポイントにしたかったんですが、アンオフィシャルな情報によると、福森が小さくない怪我を負って手術しなければならないそうで…。昨年は当時の1、2年生が数多くの出番を得た年で、その中でも最も多く試合に出場して、豊富な運動量とクレバーなプレー、終盤にはプレイスキッカーとしてもチームの武器になっていた福森が数ヶ月戦列を離れるというのは痛手以外の何ものでもないかと。とにかく焦らずに、でも一日も早く戻ってきてくれることを願いつつ、では右SHに誰が収まるのかという話になると、候補は伊藤、金、岩田、天野あたりが挙げられますが、岩田は後述しますけどFWの軸として不動でお願いしたく、天野もユースファン界隈では「絶対FW!何はなくともFW!」という声が多数聞かれるので、ここは伊藤や金の踏ん張りと成長に期待したいところです。伊藤は三菱養和戦では前半右SH、後半左SHとポジションを替えてプレーしましたが、前半は押し込まれる展開の中に埋没気味で、時折青木との好連携が見られましたが単発止まり。ただ、後半チームが息を吹き返したのに呼応して一気にボールに絡むシーンが増えました。しかし、まだ関わっている「だけ」、ボールサイドに顔を出している「だけ」で、効果的なフォローアップになっていないシーンが2、3度見られたのがちと残念だったかなと。自分の武器は何で、自分が力を発揮できる場面はどこで、それを如何に味方にアピールして呼び込めるか、二瓶や福森との差はそこにあるのかな?という印象があり、まずはそこの勝負になりそうです。もし、それができたのならば、一気に止められない選手になる可能性は多いにあるかと。金はリオFC戦で初めてぐらいのレベルで長い時間見ましたが、ボールを持った時の姿勢やドリブルのフォームなんかを見て、ツイッターで「クリスティアーノ・モクチャン」ってつぶやいたぐらい、R・マドリーの某氏のそれに似てたなぁと。もちろん格好だけではなく、縦へのスピードとグッと方向を変えられるキレや筋力は見どころ十分。二瓶とキャラクターが被るため、同時に起用した場合に「両SHがゴリゴリのドリブラーってどうなのよ?」という面は首をもたげますが、スタートからにせよ途中からにせよ攻めなければいけない、どうしても点が欲しい場面ではやってみて面白いペアリングかと。ただ、彼らのブレイクをおいそれと待っていられないのも通年リーグの怖いところで、計算できるという意味では、三菱養和戦のようにサイドでもプレーできる岩田を補填して凌ぐ試合も増えそうな気もしています。天野は…正直まだ彼のキャラクターがピンと来ていなくて。それは、試合数をほとんど見ていないのにこんなこと書こうとしている自分が悪いわけですが、1、2試合フルに見ることができたところで判断したいなと。


 FW。岩田、斎藤、アモス、天野、岸、矢島に新1年生として深川、むさしからそれぞれ1名ずつ上がってくるとか来ないとか。となると、計8人。で、先ほど少し書きましたが、個人的には軸は岩田でビシッと定めてほしいところ。何か際立って1つが上手いとか強い、というタイプではありませんが、FWに求められるスキルを高いレベルで満遍なく兼ね備えていて、このメンバーの中では一番安定感があり計算できる選手であり、パーナトーを選ばない選手というのがその理由。トップで言うと、ルーカスのような役回りと言えばイメージが湧きやすいでしょうか?それで、そのパートナーですが、ざっくり言うとポスト役寄りがアモス、斎藤、矢島、アタッカー寄りが天野、岸と分けられるかと思います。ただ、岩田により前を向いて仕事をさせたいという勝手な思い込みがあるので、個人的にはアモスや斎藤に期待。特にアモスは、三菱養和戦で途中出場ながら高い位置での起点として機能し、攻めの流れをさらに1段加速させる働きぶりで、そこまで役割があまり整理されないまま所在無さげに漂っていた岸が、前を向く仕事に専念できたことで突如として息を吹き返すところにまでプラスを波及させた点は大いに評価されていいでしょう。まだ90分の中で安定して力を発揮するところに不安を残しますが、前への強さを残しながら受ける仕事をこなしてくれるようになれば、これはチームにとってデカい事だと思っています。斎藤も随分と印象が変わったなぁ〜と言うぐらい体つきに以前との違いが見て取れ、厚みが増しているのは好印象ですし、矢島もリオ戦では長身を活かしたプレーに可能性を見て取れたので、ドンドン岩田、アモスと切磋琢磨してもらいたいです。
 また、ポスト役がガッチリ決まることは、天野や岸にとっても大きなプラス。というのも、前述した4人は器用に立ち回ってもらいたいのに対し、天野や岸には一撃必殺仕事人!的なプレーを追求して欲しくて、そのためには天野や岸への戦術的な指示をなるべく減らしてあげることがその道筋になると感じているから(語弊を感じたら申し訳ないですし、そうじゃないよ!という異論はいくらでもお受けしますが)。現代サッカーは1人が複数のポジションをこなせることが当たり前というか、そういった選手を多く抱えることで戦術的な柔軟性をチームにもたらすことができる側面が強調されていますが、しかしいつの時代もスペシャリティーを持った選手に強烈な憧れとシンパシーを覚えるのもまた事実。天野は前述したとおりまだピンと来ていないところがありますが、おぼろげなイメージではスペシャリティー側なのかな?と認識していますし、岸のスピードと裏へ抜け出す能力は天性のものがあり、それが極限まで伸びた時の彼を見てみたいというのが正直強く感じていまして、違うベクトルへの成長を促がすためにも、まずはポスト役がガッチリ決まると最高かなと思っています。新1年は誰が来るのかわかってから。蓮川、平山、榎本あたりなのか?


 最後にチーム全体のお話を少し。長きに渡ってU-18を指揮してきた倉又さんが育成部部長として役割を変え、トップチームもポポヴィッチ監督を招聘して、城福−大熊と繋いできた流れをさらにブラッシュアップさせる1年となる中、この試合終了後にお馴染み、Jスポーツの土屋さんが本吉監督から「チャレンジングな1年になると思う」という言葉を引き出していました。トリプレッタFC戦がどういう試合だったかは分かりませんが、三菱養和戦に関して言えばGKが可能な限りロングキックを蹴らず、DFラインからしっかりとビルドアップしてボールを大事にし、緩急をしっかりとつけてゴールに迫る攻撃をしようという意図は見て取れました。今はまだトライ&エラーの時期。ビルドアップの形もいわゆる「擬似3−4−3」という形を取るのか、それともSBを絡めて4−4−2の形は大きく崩さずにやるのか、それとも別のシステムをオプションやそれ以上にするのか不透明で、それこそ全てが新しいチャレンジの真っ只中と言っていいでしょう。
 ただ、ポゼッション主体のサッカーはしばしば悪い意味での「軽さ」や「自己満足」がチームを覆ってしまうことがありますし、「異質」とも評される東京U-18の伝統−ひたむきさや頑張るのではなく「頑張れる」チーム−を失ってはいけないとも思っていて、どうやってそこの折り合いをつけながら新しいスタイルを築いていくのかについては、U-15で数年前からしっかりとポゼッションの種を撒いていたとはいえ、本当に期待と不安が半々。クラブライセンス制度開始による育成部門の立ち位置の変化や(東京においてはあまり影響がないようにも思うけど)、プレミア復帰をどのレベルのプライオリティーとするのかも含めて、今年ほどチームマネジメントが難しい年は少なくとも私は記憶にありません。それでも、私たちファンができる一番は、1試合でも多く試合に足を運んで声援を送り、彼らの成長を見てあげること。今年からTOKYO MXの「F.C.TOKYO魂」でもユースの結果が紹介されるようになり(できれば1、2分時間を取って、映像が流れればベストだけど…)、U-18から昇格した選手が多くなってきたことなどから、1人でも多くこれまで以上にU-18、U-15を身近に感じられるようになればこれ幸い。って言ってる自分がどれだけ足を運べるのかは全く未知数なわけですが(苦笑)、可能な限り足を運んで、可能な限り拙いレポを書けたらなぁと思っています。長々と、失礼致しました。

*1:すでにB戦には新1年生が出ているようですが、私はまだ見れていなくて、オフィシャルの発表もまだなので「予想」とつけています