続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

誉めそやす

 というわけで、J2にドップリ浸かっている今日この頃ですが、意識してJ2の各チームを見渡して見ると、おっ!と思わされる選手が結構いたもので。今日は2本立てで、ここからはそんなおっ!と思わされた選手を、各チーム1人に絞って挙げてみたいと思います。年齢問わず、キャリア問わずなので、いまさらそこかよ!っていう人も中にいると思いますが、「今までは知らなかったけど…」というよりは、「今の各チームの中において目立つ」という目線で選んでいるので、そこは多めに見てくださいまし。それぞれ「チーム名 ポジション 氏名(出場試合 ゴール)」という形で紹介します。


徳島  DF 三木隆司(19試合 0ゴール)
 平塚−大分−名古屋−徳島と歩んできて、気がつけばもう33歳。大分時代に森重(東京)や深谷(大宮)、上本(C大阪)ら若手を従えていた時の印象がかなり強く、徳島へ移籍して以降(というか、その前の名古屋時代から)どうしてるのかよく分かっていませんでしたが、ここ2年もほぼフル出場なんですねぇ。で、今年もここまでフルタイム出場と頑健そのもの。プレーぶりも、大分時代に3バックの真ん中をよくやっていた頃そのままに、巧みなカバーリングとラインコントロール、抜群のキャプテンシーで存在感を示しています。人に強く前に出られるエリゼウとのコンビも良好で、今季好調の徳島を下支えしているのは三木で間違いないでしょう。再び、自らの手でJ1挑戦の切符を掴み取れるか、注目です。


栃木  DF 渡部博文(17試合 4ゴール)
 専修大卒2年目で、昨年は柏でわずか2試合の出場に終わり、今季は出番を求めて栃木へレンタル移籍をしてきたとのこと。開幕前のイメージとして、栃木のCBは昨季の主力であった大久保と、水戸から移籍してきた大和田がファーストチョイスなのかな?というものがありましたが、蓋を開けてみれば、今季DF登録で一番出場しているのがこの渡部。185cmという恵まれた高さを生かしてのエアバトルは攻守両面においてチームを助け、4ゴールはリカルド・ロボに続きチーム2位タイ(同じくチェ・クンシクが4得点)。しかし、高校時代はボランチを主戦場としていたことを活かしたビルドアップやフィードなど足下の技術もあり、攻撃的DFとして一気に台頭してきた印象です。後半戦も、攻守両面でチームに貢献し、悲願のJ1昇格が叶うか、注目です。DF那須川もいい選手。


千葉  DF 竹内彬(18試合 6ゴール)
 06年に国士舘大から名古屋に入団し、08年にはコンバートされた右SBでストイコビッチ監督の信頼を得て出番を増やしましたが、09年に田中隼麿が、10年に千代反田がそれぞれ加入すると出場機会を奪われ、今季千葉へレンタル移籍してきました。プレシーズンで茶野や福元を押しのけCBのスタメンポジションを掴むと、クレバーなプレーでDFラインをしっかりと統率。そして何より、5/15岡山戦でのプロ初ゴールを皮切りに、あれよあれよと今季すでに6得点。FKやCK、ミリガンのロングスロー時における「ニアやミドルでオーロイつぶれてからの、ファーに竹内」が確固たるプレーパターンの1つになるなど、攻撃でも存在感をいかんなく発揮しています。いざとなればSBでもそん色なくプレーできるユーティリティーさも持っており、千葉が昇格するためには前の深井、中の佐藤、後ろの竹内は欠かせない戦力でしょうね。


北九州  MF 関光博(18試合 0ゴール)
 町田JFC→國學院久我山→駒沢大と、東京都内における結構なエリートコースを歩んでいてビックリ。というのはさて置き、駒沢大卒業後ロッソ熊本(現ロアッソ熊本)に4年在籍して、09年に北九州に加入。09、10年は主にSHとしてプレーしており、10年唯一の勝利となった東京V戦で貴重なゴールをあげた選手として記憶に残っている方もいると思いますが、三浦泰年監督が就任した今季は右SBにコンバートされました。で、これが大当たり。当初は守備の緩さも垣間見られましたが、徐々にそれも減ってきましたし、「守備時は4バック、攻撃時はボランチ+CBの3バック」という独特なスタイルの中、守備時は右SB、攻撃時はボランチに入ったりWB的になったりと色々なポジションを取りながら、自陣では丁寧なパス回しの一員として、敵陣では元SHらしいサイドアタックやインサイドカットなどを見せ、攻撃の貴重なアクセントとなっています。東京がしてやられた1戦でも、得点した池元と上手く絡んで、東京守備陣をかく乱させていましたしね。これで彼がゴールを取るまでになったら、本当に北九州の昇格も、あると思います!


札幌  DF 岩沼俊介(18試合 0ゴール)
 前橋育英高校時代からボランチとして複数のチームの目に留まり、その中から札幌を選んで入団したのが07年。しばらくサテライトやブラジル留学で汗を流す日が続いたものの、左SBとしてコンバートされてからは09年に5試合、10年に19試合とじわじわ出場機会を増やし、今季はここまで不動のレギュラーとして全試合スタメン出場。ボランチ時代から中長距離のパスやクロスに定評があったようですが、なるほど今季はその資質をいかんなく発揮しており、良質なクロスを送るシーンが目立ちます。FWに高さで勝負するタイプがいないため(チアゴはすでに退団)アシストこそ増えていきませんが、中の選手との更なるコンビネーションアップや、自身のクロスの質向上を図っていけば、今後ますます注目に値する選手になれるかなと。


鳥栖  MF 早坂良太(19試合 6ゴール)
 静岡大学から08年にJFLのHonda FCへ加入し、2年間で58試合16得点の実績を引っさげて10年に鳥栖に加入とのこと。その10年も36試合4得点とまずまずの結果を残していたようですが、私は今季が初耳ぐらいのレベルだったので、シーズン序盤に得点ランクトップに立った時には「誰だ!?」と驚いた記憶があります。2トップの1角としてプレーすることもありますが、主戦場は右SHで、たとえば豊田が前線でポストプレーした際に飛び出していくとか、あるいは左SH(主にキム・ミヌかな?)からのクロスに対して逆サイドからつめるといった上手いフリーランニングからのゴールが多い印象で、相手DFからしたら捕まえづらい厄介な存在でしょう。このところ10試合で1得点とゴールは止まっており、それと比例するように鳥栖のゴール数も減少傾向にあります。もう一度上位に絡むために、彼のゴールが待たれます。


愛媛  FW 齋藤学(19試合 7ゴール)
 小学生の頃から横浜Fマリノス一筋。ユース時代から知る人ぞ知る、というプレーをしていたようで、06年にはU−17代表にも選出され、08年には2種登録ながら7試合に出場し、09年にトップ昇格と順調に歩を進めてきました。が、コンスタントに出場期待を得ることは叶わず、09年は11試合、10年は5試合止まり。今季は意を決して横浜を飛び出し、愛媛にレンタル移籍してきました。そこで、開幕からバルバリッチ監督の全面的信頼を得て出番を得続けると、持ち前のスピードを活かしたドリブルや繊細なボールタッチで一気に開花。ここまで7ゴールですが、いずれもが記憶に残るものばかりで−中でも湘南戦のエリア内での3人抜き、栃木戦のループは出色でした−、しかも東京Vで3ゴールというのは、いかにもマリノスユース出身らしい…ってのはさすがにこじつけでしょうか(笑) U−22代表選出も当然で、これからの成長がますます楽しみな選手の一人ですね。DF関根もいい選手。


東京V  FW 阿部拓馬(14試合 8ゴール)
 横河武蔵野FCから法政大を経て10年に入団。昨季は20試合3得点で、そのうち2得点を現場で見たため(西が丘での岐阜戦で、途中出場2ゴール)名前が記憶には残っていました。今季も序盤はベンチから出たり出なかったり、という存在でしたが、6/19富山戦でスタメン起用されると、その試合で2ゴールと結果を残し、それ以降9試合で8ゴールと一気に爆発。得点率(得点数を90分あたりに換算したもの。いわゆる「1試合何ゴールか」という数字)0.75は5ゴール以上上げている選手の中ではトップで、阿部の躍進とともに東京Vが一時手のつけられない状況となったのは記憶に新しいところです。上背はないものの体幹が強く、スピードがものすごく速いわけではないものの、スピードを上げるところ、使うところの判断が上手く、DFからすればここを潰せば…と一筋縄ではいかないタイプだけに、今後もコンスタントにゴールが期待できそう。名門を救えるか。


湘南  MF 永木亮太(17試合 3ゴール)
 昨年は特別教化指定選手として11試合に出場し、今季晴れて正式に入団しましたが、ここまでボランチのポジションをガッチリキープ。背格好はどこにでもいる感じですが非常にクレバーなプレーが出来る選手で、ダブルボランチでも3センターハーフのアンカー、セントラルハーフいずれかでも、相棒がハン・グギョンでも坂本でも菊池でもアジエルでも、全くそん色なくプレー可能。低い位置でのビルドアップにしっかりと関与でき、長短のパスでリズムを作り、前線の選手が上手くタメを作ってくれれば躊躇なく飛び出していけます。象徴的なシーンが、先週末の大分戦での同点ゴール−アジエルがタメを作っている間にフリースペースへ飛び出していき、パスを受けて冷静にシュートを決めた−のシーンですね。昨年の中町(福岡)を髣髴とさせ、いる時には感じないけど、いないと「やっぱり彼がいないと…」と思わせる独特な存在感があります。湘南を昇格争いに踏みとどまらせることができるか。


熊本  FW 長沢駿(18試合 6ゴール)
 清水ユースから07年にトップ昇格。しかし、その後4シーズンでリーグ戦は7試合の出場にとどまり、今季熊本へレンタル移籍でやってきました。すると、高木監督の信頼を得て開幕戦からスタメンに座り続け、ここまで6ゴールと結果を残しています。191cmながら足元の柔らかさに定評があり、その一方で本人が「どちらかというとヘディングが苦手」と認めるぐらい空中戦での強さはありませんでしたが、今季はそこが求められる役割の大部分であり、それを自覚してプレーできているせいか、ひ弱さがあまり目立たなくなった印象を受けます。しかし、リーグ最多の8引き分け、ワースト2位の15得点という数字を改善するためには、まだまだやるべきことがあるはず。もっとガツガツしたプレーヤーになってほしいです。


草津  FW 萬代宏樹(18試合 5ゴール)
 福島東高校時代から名前を知られる存在で、地元オブ地元の選手として仙台に入団したのがもう04年の話ですか。時が経つのは早いものです…というのはともかく、07年には40試合14ゴールと結果を出しながらも、しかし強大なインパクトを残すまでには至らず、その後磐田、鳥栖と渡り歩き、今季鳥栖から草津期限付き移籍。今季もまだ完全にスタメンの座を確保したとはいえませんが、ここまでチームトップタイの5ゴール。しかも、ラフィーニャがG大阪へ引っ張られたことで、今後ますます彼にかかる期待は大きくなるはず。持ち味である裏への飛び出しと、上背を活かしたポストプレーやヘディングでチームを押し上げられるか。MF熊林と相当悩みましたが、期待もこめて彼を選んでみました。


大分  GK 清水圭介(19試合 0ゴール)
 滝川第二高校時代は年代別代表に選ばれるなど将来を嘱望されていて、07年に大分へ入団。しかし、09年にレンタル移籍した北九州時代を含め4年間で試合出場は08年天皇杯の1戦のみだったようです。しかし、10年第30節に柏戦で完封したことを機に下川誠吾(現ヴィッセル神戸アカデミーコーチ)からポジションを奪うと、その柏戦を含めた残り9試合でわずか6失点と結果を残し、今季はここまで不動の守護神として活躍中です。19試合で24失点、うち完封6試合は決して特筆した数字ではないかもしれませんが、田坂新監督の下で試行錯誤しながら成長しようとしているチームの中にあって、そのセービングと気の強さで度々ピンチをしのいでいる姿は印象的。まだ22歳で伸びしろも十分ありますし、個人的には今J2で注目すべきGKの3指(清水、川北(愛媛)、関(横浜FC))に入ると思っています。


岡山  MF 金民均(16試合 2ゴール)
 韓国ではU−20代表にも選ばれ、09、10年は大邱FCで主力としてプレーしていたようですが退団。今季練習生として岡山に来て、4/20に晴れて正式入団しました。本職はトップ下ながら、チーム事情でボランチとしてプレーすることもしばしばですが、フィジカルの強さがあり、しかしキープ力やパスセンス、飛び出しの際のタイミングやスピードを持ち合わせていて、十分に怖さを見せられています。当然トップ下(2シャドーの1角)に入れば、キープ力や飛び出しの怖さがより増す印象もあって、今季の外国人選手の中で一番の当たりと言っていいかもしれないぐらいインパクトが強い選手です。というか岡山は、DF澤口、MF千明、FWチアゴ、久木田と面白い選手が結構いますねー。


水戸  MF 島田祐輝(13試合 3ゴール)
 駒澤大卒業後入団して今年が3年目。これまで2年間で30試合とまずまず出場機会はあったようですが、柱谷新監督となった今季序盤はベンチを暖める機会が多くなりました。が、柱谷監督がサイドアタックを強調するスタイルを取り始めたところで出番を掴み、今季2度目のスタメンとなった6/12富山戦でゴールという結果を残し、その後はSHのファーストチョイスとなりました。とにかく、ボールを持ったら9割方縦に勝負させていただきます!ってぐらい分かりやすいプレーをするんですが、その走りっぷりは見るものにワクワク感を与えるもので、今の時代には珍しい「一芸に秀でた」選手。もちろん、それだけでは生き残れないのが今のサッカー界ではありますが、それでもこういう選手がこのスタイルでどこまで結果を残せるのか、というのは興味が多分にありますね。


京都  FW 久保裕也(17試合 5ゴール)
 まだ17歳、高校3年生。というわけで、今も2種登録選手の身分ではありますが、今や押しも押されもせぬ京都のエースストライカー。前を向いた時のアイデアとテクニックはすでにプロでも通用するレベルにあり、シュートもパンチ力十分。5/8徳島戦のミドルシュートは凄かったですし。ポストプレーはまだまだ向上の余地がありますが(今野には何もさせてもらえなかった)、しかし真ん中の狭いエリアでもボールを呼び込め、そこでしっかりと収めようとする意思は感じられ、そこも好感度高し。同年代のアタッカータイプ(宇佐美、宮吉、宮市など)とは若干プレースタイルが異なりますが、しかしこういう真ん中でプレーできる選手がいてこそサイドのプレーヤーも輝くわけで。あくまで個人的な意見ですが、「ネオ・柳沢(敦)」を目指して頑張ってほしいなぁと思っております。


横浜  GK 関憲太郎(19試合 0ゴール)
 前橋育英→国見(2年生の時に転入、平山と同級生)→明治大から08年仙台に入団するも、その後2年間は出場機会ゼロ。で、10年に横浜FCへレンタル移籍するとシーズン終盤にじわじわ出番を得て、レンタル期間延長。そして、今季はここまでフルタイム出場と着実にプレータイムを増やしています。178cmとGKにしては小柄ですが、前に出ることを一切怖がらず、そのタイミングと反射神経の良さで数多くのセーブを見せています。また、コーチングも的確とのことで、これからますます経験を積んでの成長が期待できます。


鳥取  DF 戸川健太(19試合 0ゴール)
 ヴェルディユースから明治大を経て03年にヴェルディへ入団。年を追うごとに信頼と出場機会を得て、J2時代07年、08年は不動のCBとして活躍するも、08年に横浜FCへ移籍。その後3年間プレーするも怪我などあって満足な出来とは言えず、今季から鳥取に加入しました。この移籍には松田監督(ヴェルディの下部組織を見ていた)の意向があったのかな?と思いますが、その期待に応えてここまでフルタイム出場。しかも、警告ゼロ。ヴェルディ時代はどちらかというとカードをもらっていたような印象が何故か残っていたのでこれには驚きですが、そこはキャリアを重ねて成長しているということで。鳥取はここまでチームで20失点ですが、これは上から数えた方が早く、その堅守の柱として後半戦にも期待したいところです。


富山  DF 平出涼(18試合 0ゴール)
 1人だけ身贔屓となることをお許し下さい(笑) FC東京U−18から10年にトップ昇格。その年は天皇杯で2試合出場するにとどまり、今季へ富山レンタル移籍。すると、持ち味である的確なカバーリングや守備的なポジションならどこでもこなせるユーティリティーさが安間監督の3−3−3−1にハマり、ここまでフル出場(東京戦は契約で出場できないため除外)。攻撃面でも正確なフィードを武器に高い貢献度を見せ、ここまでは「武者修行」の甲斐が出ているといっていいでしょう。ゆくゆくは東京守備陣を支えてられるタレントだと信じているので、残り19試合もしっかりとプレーしてもらって、逞しくなって帰ってきてもらいたいものです。


岐阜  FW 佐藤洸一(19試合 4ゴール)
 四日市大学から岐阜へ09年に加入し、ルーキーイヤーにいきなり43試合16ゴール(得点ランク2位)と結果を残したストライカー。ただ、その頃はそこまでJ2を見ておらず、また昨季は35試合5得点と勢いが止んでしまったために、さほど記憶に残っている選手ではありませんでした。で、今年も19試合4ゴールはやや寂しい数字かもしれませんが、チームゴール数の約1/3をたたき出している、と目線を変えれば大エース。どのエリア、どの距離、どの角度からでもゴールを狙い、右足、左足、頭問わずゴールを狙える選手で、この間の東京戦でもヘディングと右足のミドルでそれぞれ塩田をヒヤリとさせました。岐阜がここから巻き返すためには守備の構築も必要ですが、彼が2年前の彼を思い出すことも絶対必要。奮起に期待です。



 最後に、今回挙げた19選手でチーム組んでみました。

――――――阿部――――――
―――斉藤――――-金-―――
岩沼――――永木―――-関(光)
――竹内――三木――渡部――
――――――清水――――――
SUB GK関(憲)、DF戸川 平出、MF早坂 島田 FW長沢 萬代 久保 佐藤

 なぜか3−5−2にしてみました(笑) 4−4−2でも全然良かったんですが、上位チームの選手を優先したらこうなった、みたいな。こういう見方も、また面白いものです。