続々々・メガネのつぶやき

思ったことを、思ったなりに、思っただけ。

Jリーグディビジョン2 第21節 東京4−0岐阜

 まずは、なでしこめでたい!いやー、物凄い試合を見させてもらいました。プレーしている選手たちは微塵もそう思っていなかったようですが、しかし、ワンバックにヘディングを決められた瞬間に澤が頭を抱え、岩清水や熊谷が下を向いたのを見て、私は「ここまでか…」と思ってしまいました。それだけに、宮間のCKから澤が決めた時は近所迷惑レベルの声を出してしまいましたし、PKになって1本目が終わって勝ちを確信した瞬間には、泣き笑いを堪えるのが大変でしたよ。今後のことを考えればいろいろ思いが巡ってしまいますがそれはそれとして、今はとにかくおめでとう!という思いだけです。


 そんな、なでしこたちの試合からさかのぼることおよそ9時間前、味スタでは東京が今季最も危なげない試合運びで勝利を収めました。まあ、個のレベルに差があったことは誰も否定できないでしょう。開始1発目のプレーで徳永が菅をぶっちぎり、4分にセットプレーから高橋がフリーでヘディングを叩いたのを見て、「得点は時間の問題だな」と誰もが思ったでしょうから。しかし、こういうイケイケの時間帯というのは大体15分前後で終息するもので、相方とも「15分までに取りきりたいね」と言っていたんですが、まっこと残念なことにセザーや谷澤が決定機を逸して15分を過ぎると、そこから若干攻めが停滞してしまったように見えました。であるだけに、徳永の先制点は貴重の一言。そのゴールの形は、中盤でボールを奪ったその足を緩めることなくパス&ゴーで抜け出すという絵に書いたようなショートカウンターでしたが、それはベタッと引くことなく中盤をコンパクトにしてボールを奪い、カウンターから活路を見出したかった岐阜のお株を奪うというか、ゲームプランを1発で崩してしまうのに十分すぎるものでしたから。まあ、最後バウンドが合わずに不細工なシュートになってしまったのはご愛嬌ということで(結果的に、GKのタイミングもはずすことになりましたしね)。
 この失点で岐阜はどうするのかな?と見ていましたが、その対応はあまりにも中途半端。元々立ち上がりから中盤をコンパクトにしたいという意図とは裏腹に中盤でのプレッシングに圧力はなく、(相対的にこれまでの相手と比べて)高い最終ラインの設定は、ことごとく裏を狙われる結果しか招いていませんでしたが、失点後もその状況は全く好転せず。それどころか、チームとして「(東京の)ボールの動かし方、巧さに対して奪いどころの焦点を絞れない」(木村監督)まま、しかしライン設定を低くするとか、プレスをかけ始める位置を変えるといったベンチからのアイデアもなし。個人としても1対1でほとんど勝てず、特に左サイドは徳永や右に流れがちだったセザーにやられて壊滅状態で、全く守備になっていなかったと言わざるを得ません。谷澤が2つあった決定機どちらか決めていれば、前半で勝負がついていたと思います。しかし、谷澤は1点スパッと取れれば変わると思うんですが…取れませんねぇ(苦笑)
 そう書いたのは後半、東京があまりの余裕ぶりからかビルドアップ時に一人ひとりのボールタッチが増えてパスのリズムがやや鈍り、岐阜のプレスが追いついてしまって奪われて、ショートカウンターから危ないシーン(押谷のシュート)を作られたから。ここは塩田が存在感を見せますが、後半1つ目のチャンスが岐阜に転がったことで、東京がゴリ押ししていた試合の行方にほんのわずか変化が見られるか?という気配が生まれかけました。であるだけに(2回目)、その直後に追加点を奪えたのは貴重の一言。起点はまたも徳永でしたが、羽生のらしいポジションでの受け、この日切れていたセザーのドリブル、田邉のワンタッチターンと素晴らしいプレーが3つ続けばそりゃゴールになるよなと。特に田邉は「この日はボールタッチが合っていなかった」と試合後コメントしていて、実際前半からボールを受けようとするポジション取りはいいけど、いざボールが来てから仕事をできないというシーンが多かっただけに、思わず「できるやん!」と言ってしまいましたよ(笑)
 こうなると、試合は完全に東京ペース。引き続きつまらないパスミスがあった点は反省材料ですが、田邉、谷澤、セザーでチャンスを作り続け、徳永を下げる余裕も見せながら(足を痛めて大事をとったようですね)、75分にはまたも高い位置で奪ってからのショートカウンターでセザーが単独抜け出してゴールを挙げると、76分にはルーカスがついにピッチに。片膝をつき、ピッチを何度か叩いて十字を切って、お帰りなさい!ってなもんです。で、盛り上がりの最高潮は80分、セザーが強引過ぎるぐらい強引にDFの間を割ってルーズボールを追いかけると、たまらずDF(野垣内?)が倒してしまいPK獲得。ゴール裏からはルーカスコールが飛びますが、PKだと分かった瞬間セザーが自らボールを拾い上げてペナルティスポットにボールをセットし、「このPKは譲りまへんで!」と仁王立ち。まあ、そりゃそうでしょ(笑) ゴール裏もしっかりセザーのチャント(正式にケリーのチャントを引き継いだんですね)を送り、これをしっかり決めて4−0。ラストにはルーカスがボテボテながらシュートを放ち、これにてタイムアップ。今節、軒並み上位が引き分けてくれたおかげで、ついに首位に立つこととなりました!


 最初にも書いたとおり、終わってみればあまりにもこのレベルに差があり、チーム力に差があり、「首位」対「最下位」という構図で納得、という試合になりました。なので、取り立てて補足として書くこともないんですが、それでもあえて何か取り上げるならば、やはり徳永には触れないといけないでしょうね。開始1つ目のプレーでいきなり「予感」を与えた後も、3バックシステムにおけるウイングバックか!ってくらい高い位置を取り続け(バランスをとるために自重していた北斗、お疲れ様でした)、攻撃の起点として存在感を放ち続けていました。再びSBに固定されてから、個人的にはプレーにムラがあるというか、良い時と悪い時がはっきりしてしまっているなぁという印象が強いので、次の試合どうなのかについては未だに疑念を持っているんですが(苦笑)、しかしこれがベースのレベルになってくれれば、代表選出されていたあの時の徳永に戻ったと言えるわけで、それを期待して止みません。
 首位に立つのが予想よりちと早かった気はしますが、順位表の一番上というのは、どのカテゴリーであっても嬉しいもので。当然ベストなのは、シーズンが終わる時に同じ位置にいること。それに向けて、これからも戦ってほしいと思います。


P.S 大分戦は、見ていません(爆)